八重の桜 第29話 「鶴ケ城開城」

新政府軍の圧倒的な兵力と武器によって
東北諸藩は次々と降伏


更に会津城内では食料が不足

それにより補給路確保のために決死隊が編成した


その中には八重の父・権八もいた


米沢藩は新政府軍に降った


八重はこの作戦はあまりにも危険だと言って父を止めるも

誰かが行かねばなんねぇ
砲撃が止むのが先か
餓死すんのが先かどっちがわがんねぇ
このままでは砲撃が収まった時に戦える人間がいなぐなってしまう


そうして権八は決死隊として城外に出ていった―――――





新政府軍の総攻撃のまっただ中
容保を中心に家老たちが協議を行なっていた

「冬まで持ちこたえれば会津にも勝機がある
この総攻撃も冬を恐れての事」



だが・・・この総攻撃を前に
冬まで城がもつとは思えぬ状況であった



そんな中
新政府軍の砲弾の爆破に巻き込まれて
大蔵の妻・登勢が死亡


そこに城外へ出撃していたはずの健次郎がやってきた

敵の砲撃が激しく敗走したという



弟の報告に兄・大蔵は激高した



「何故討ち死にしなかった!
なじょして帰ってきた?!
女でさえ命を落どしてる!

・・・腹を切れ
今ここで腹を切れ!」

兄の言葉に
健次郎は庭先で脇差を抜いた

それを見た母・艶と祖父・兵衛が健次郎の
切腹を必死になって止めた


「もうよい!
もう十分だ!
これ以上死ぬ事はなぇ!」


その光景を見た容保は一人ある決断を固めていた



夜になったが
新政府軍の砲撃が止むことはなかった


尚之助が攻撃してきた砲弾の数を数えたところ
今日だけでもう2000発は超えていると言う

敵の数もわからないが
おそらく降伏した諸藩も加わって向かってきているはずだろうから
かなりの大軍であることは間違いないだろう


しかしこれだけ砲弾が撃ち込まれても
会津の城は崩れなかった


尚之助は思う



「会津は打たれ強い

私は国とは
そこにいる人の事だと思っています
会津は・・・八重さん
あなたは強い」

「そんなら尚之助様もすっかり会津の国の人だ」

「んだなし」


そうして二人で笑った


ふと八重は城門へ近づく秋月様を見かけた


「どごへ行かれんですか?」

「大事な御役目だ
一度城下を出る」


「一体どうしたというのです?」


「密命なれば今は言えぬ」



そうして秋月は単身どこかへ向かっていった


八重は秋月を攻撃しようとする敵兵を
次々と銃撃して撃ち殺していった



秋月に密命を下した容保は
義姉・照姫と共に空を見つめていた


「わしが愚かなばかりに・・・
何もかも燃やしてしまった
代々築き上げてきた会津の・・・誇りまでも汚した
己が許せぬ」


「過日凧揚げをする子供達を見ました
戦の最中だというおに目を輝かせる子供らの逞しさを誇らしく思いました
また会津の空に子供らの凧があがるのを見とうございます」



夜が明けた



時尾が城内を歩いていると
こないだ共に手を合わせていた男が
怪我をしているのを見止めた



「さしたる傷ではない」


また新政府軍の砲撃が始まった

だが時尾はたじろぐ事はなかった


「そなたは砲撃が恐ろしくはないのか?」

「ありがとなし
会津のために戦ってくれて

わだすは春の会津が一番好きでごぜぇやす

ゆっくり春が来て
綺麗な桜が咲いて

悔しいのでごぜぇやす」

ぽろぽろと涙を流す時尾を
斎藤はただただ見つめていた



権八ら決死隊が帰ってきた

権八は胸に敵の銃弾を受けて息も絶え絶えとなっていた


「米を運んできたぞ」

「御役目ご苦労様でごぜぇやした」

「おとっつぁま・・・」


「おなごがすすだらけで・・・
やっぱり鉄砲を教えたのは間違いだ・・・

八重
にしゃわしの誇りだ
皆を守れ・・・」


それが父・権八の最期の言葉となった




秋月悌次郎が新政府への恭順嘆願が受け入れられ
会津城内に戻ってきたのはそれから間もなくのことであった



それを受けて
新政府軍の砲撃は止んだ


その翌日
城内の者達に降伏の内容が伝えられた




会津は恭順し城を明け渡す


容保公と若殿様は明日開城降伏の式にお出ましとなり
その後、謹慎所に向かわれると言う

照姫様もお城をお立ち退きになる


15に満たぬ幼い子
60を超す年寄り
おなごはお構いなし

それ以外の藩士は猪苗代で謹慎


というものであった



謹慎は即ち何らかの罪を問われるやもしれぬという事

最悪の場合
死罪も念頭に入れなければならなかった


「皆
会津の名に恥じぬ見事な武者ぶりであった
わしが至らぬばかりに皆に長きにわたり
塗炭の苦しみを味わわせた
相すまぬ
罪は我が一身にある
この上はこの一命をもって会津を皆の行く末を守る
何があっても 生き延びよ!



何があっても生き延びよ

最後の君命じゃ
生きよ!!」


「おそれながらお殿様は間違っておいでです!」


八重が容保公に意見を呈した


「何があってもお殿様には生きてもらわねばなりませぬ

天子様のため
公方様のために尽くしてきたお殿様が
なじょして逆賊と言われれねばなんねぇのか

会津の者なら皆知ってる
悔しくてなんねぇ

死んだ皆様は会津の誇りを守るために
命を使ったのです

どうかそれを無駄にしねぇで下さい

ほんどうは日本中に言いてぇ

会津は逆賊じゃなんね

だげんじょそれを証明できるのは殿様しかいねぇのです

だから何があっても生きて下せぇまし」


八重の言葉に藩士達は皆賛同し涙を流した



会津降伏の条件として
城壁に「降参」と書いた白旗を掲げる事があった


おなごたちは白い布をもちよって旗を縫った

二葉が書こうとしたが書く事ができず
それを見かねて照姫が「降参」の文字を書いた


そうしてその旗が城壁に掲げられた


この後
容保ら一行は降伏式を行い
謹慎所である妙国寺へ向かった


その夜
八重は城内の壁に歌を刻み付けるように書き記した




あすの夜はいづくの誰かながむらむ馴れしみ空に残す月影




母・佐久が八重の姿を見止めて声をかけた


おっかさま
明日から一体どうすんべな
どこに身を寄せんべかな


「城下は全部焼かれちまったな・・・」


「おっかさま
私・・・」


「お前の考えてる事はわかる
男に混じって猪苗代の謹慎所に行くつもりだべ
猪苗代に送られたらみんな殺されてしまうかもしんねぇだぞ
これは辞世の歌のつもりか?
私は・・・お前までなくさねばなんねぇのか」


「ごめんなんしょ」


「いくら鉄砲がうまくても立派なお手柄立てても
お前は・・・私のたった一人のめんごい娘だ」


そう言って佐久は娘を抱きしめた

八重は母の思いが嬉しかった



その光景を見つめていた尚之助はある決断を固めていた



翌日
会津の藩士達は大広間に集められていた

猪苗代の謹慎所に連行されるからである


そこに八重もいた


そして連行されようとしていたその時

「女だ!
女が紛れているぞ!

ここに女がいるぞ!」

八重を見据えて尚之助は叫んだ


「尚之助様?!」


新政府軍の将兵が
八重が女であると気付いて
八重をその場に留め置かせて
他の男の藩士を皆連行していった



「わだすも猪苗代に行かせてくんじょ!」


八重は必死に叫ぶも
おなごであるとして新政府軍の決まりにより
解放されたままであった



誰もいなくなった会津の城に
一人取り残された八重


「消えた
何もかも・・・

そんじも空は変わらねぇのか・・・」


八重は会津の城と空を見つめていた―――――






山川家の家族の悲劇を見て
密かに決断して新政府軍に対する恭順を画策する容保と


八重の決意を見て
八重の思いに反しても八重を守りたいと決断する尚之助


この辺が対比になっていましたね


一方で会津の恭順降伏に関して

会津の女達が城内の廊下を掃除


それによって
新政府軍が土足で歩いたことで

廊下には新政府軍の足あとがしっかり残っていた


つまりは新政府軍が
会津を汚したというアピール描写になっていた
みたいな感じもしますね



それから八重と尚之助が別れる原因について

かつて日テレで放送されたドラマ「白虎隊」で

徹底抗戦派を主張する八重子に対して
夜襲を行なっても戦局は変わらないと主張する尚之助と

合戦に関して
恭順降伏しかないだろうと判断して

そこで二人の思いは違うとして
一方的に八重の方から別れを切り出した

という流れでしたが


この作品では
藩士らと共に死も厭わないという覚悟の八重に対して
八重を守るために自分から突き放す尚之助

という構図でうまくまとめてきましたね


ちなみに「白虎隊」では「なおのすけ」と呼ばれてました ̄∇ ̄


それとネットで公開されていた次回予告とかの動画とか
チェックした限りでは権八はもう銃弾がなくて攻撃ができない事を
語るセリフとかがあったのですが、今回の放送を覧る限り
カットされてたみたいですな ̄∇ ̄

まぁ食料の不足を強調させたかったってとこでしょうかね



それから容保が恭順を決意させたきっかけとして
山川家の家族での内部分裂が起きていたというところが
焦点のひとつでしたが

やはり食料不足というのが
結構大きなところではあったかと思います


昨日放送されたタイムスクープハンターでは
城内での食事は1日おにぎり1個でそれも日に日に小さくなっていく

と語っていましたからねぇ


食料が尽きれば
人としての矜持とかも保つのも難しい

山川家でごたごたがあったのも
そういうところも関係していたかもしれません


さて次回からは
恭順降伏から半年後という感じで

その後の八重らの境遇が描かれるようですな


佐久にとって
自分の子は八重だけ、という思いですが

覚馬の生存を知った時
どう思うか

このへんが今後のポイントになりそうですな



今週のイラスト








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