龍馬伝 第28話「武市の夢」

後藤象二郎は高知城に登城し
山内容堂公に吉田東洋を殺害したのは坂本龍馬だと報告した。



それを聞いた山内容堂はふらふらとどこかへ向かって行った。


容堂が向かった先

それは武市半平太のいる牢だった。



大殿様!


武市は大殿様を見るや平伏した。


坂本龍馬ゆう男がの
東洋を殺したのは己じゃと言うたそうじゃ
けど、わしはそんな嘘は信じん

東洋を殺したがは武市、おんしらじゃ

おんしはほとほと腹の立つ男じゃ
下士を集めて土佐を攘夷の旗頭にしてもうて
出過ぎるのも程がある



私は全て大殿様のためを思うて―――――


武市
徳川よりこの土佐を賜った山内家は
このわしがそんな事、出来る訳ないろ

おんしとわしはよう似ちゅう

徳川に失望しながらも忠義親だけは捨てられん
わしやち、心の底から帝を敬いたてまつっちゅう
この日本は徳川幕府のものではないき


大殿様・・・・・
大殿様は天下一の名君にございまする

この日本を動かしていくんは
土佐の山内容堂公の他にはおられません


おまんはええ家来じゃの
おまんが長宗我部の人間でのうて
この山内家の人間やったら
わしはどげば可愛がったことか


ありがとうございます
大殿様からそのような御言葉を
私は、私は果報者にござりまする

大殿様
吉田東洋を殺させたがは私にござります
私が命じ、勤王党の者に斬らせました。


岡田はこの件に一切関わってせんがです
けんど、私は以蔵に命じ、攘夷を阻む者らを
殺させました

全ては帝のため、日本のため、土佐のため
そして山内容堂公のため―――――



もうええがじゃ武市
おまんはわしにどういて欲しいがじゃ。言うてみぃ


願わくば岡田を楽にさせてほしゅうございます。
私も同様に。


おまんを他の者達と同じように死なせるのはいかんがじゃ

腹を切りや
武市半平太はわしの家臣じゃき


ありがとうございます。


武市の眼は感涙で溢れていた。




その頃、犯罪者の名を背負った龍馬は
国境まで逃げたと見せかけて土佐藩内に潜伏し、弥太郎に接触した。


自分を武市さんに会わせてくれと。





そうして弥太郎は武市がいる牢に龍馬を連れてきた。


龍馬・・・龍馬かい?

龍馬です
龍馬です、武市さん


龍馬は武市さんを助けてくれたきの

もう大丈夫です。
以蔵も牢から出してくれるき



龍馬、ありがとう、ありがとう
けんどの、わしは自分で言うてしもうたがじゃ
大殿様に「吉田東洋を殺したがはわしらや」と


え?

は?

大殿様は自らここに来られたがじゃぞ
おまんらがおるそこに

あの山内容堂公様が同じ地べたに座られて
わしに声をかけてくれたがじゃ

あれは10年も前じゃ

弥太郎に言うたこと
土佐を上士も下士もない国にすると


わしはあの時、おまんがとんでもない事を言いゆうと思うとった

じゃが、まさか大殿様とわしが同じ地べたに座る時がこようとは
夢にも思うとりゃせんかった

これは奇跡じゃ

おまんが起こしてくれた奇跡ぜよ



武市さん・・・・・


おまんにわしの身代わりはさせられん
おまんのやるべき事はもっともっと大きな事じゃき

この国を異国の侵略から守り
独立した国にするんがおまんの役目ぜよ


一緒に、一緒にやりましょう、武市さん
この国を、日本を一緒に変えるがじゃき

武市さん・・・生きてつかあさい


そう言って龍馬は武市の手を握り締める

三人とも眼は涙で溢れていた。


武市さんはおまんに託したじゃき
おまんに自分の志を成し遂げて欲しいと



わしは日本一幸せな男ぜよ
おまんのおかげじゃ、龍馬
坂本龍馬がどうやって日本を変えるがか、楽しみぜよ

弥太郎、おまんも偉うなりや
誰よりも出世するがじゃぞ



当たり前じゃ、墓の中から見ちょれ、武市さん


龍馬、おまんもじゃ。
頑張れや。



武市さん・・・・・


もう行け、龍馬
弥太郎、行け





そうして名残を惜しみながら
龍馬と弥太郎は武市の下から去って行った。





それから間もなく岡田以蔵は斬首された

その時、彼の脳裏に浮かんだのは
京で出会い、自分を好いてくれたなつのことだった。




牢番の和助が武市の妻・富の下を訪れた


武市半平太の切腹の様を語るため
そして武市が妻に残したものを渡すため



その日、武市は髭を剃り、髪を整え
白装束を纏うと、和助に別れの挨拶を済ませ

切腹の場が用意された大広間に足を運んだ

後藤象二郎が武市の罪を読み上げる中
その武市の佇まいはとても堂々としていたと言う。


そして武市は三文字の切腹を遂げて絶命した。



立派な最期でした。


富は和助が渡してくれた夫の遺物から
手紙を取り上げ、目を通した。





わしはおまんに嘘をついてしもうた
これからは二人でのんびり過ごそうと約束したけんど
とうとう果たせんかったの







夫の手紙を読み終えた富は和助に語った。

私の旦那様は立派な最期を迎えることが出来たですき
私は幸せですき


これからは旦那様の分まで私は生きていきますき

そう笑顔で語る富は眼にいっぱいの涙を浮かべていた。





その頃、龍馬は土佐藩を出て再び長次郎らと合流した。



わしらは薩摩に行くがじゃき

わしは言うたろ
西郷は小そう叩いたら小そう響き
大きゅう叩いたら大きゅう響く
とんでも強かな男ぜよ

だから大きゅう叩いたらええがじゃき

西郷がわしらに面を向くほど大きゅう叩いたらええがじゃ

わしらはどんな船じゃち操れる
黒船じゃち

この腕がある限り
わしらは誰にも縛られんと己の道をいけるがじゃ

己の道、それはこの国を洗濯することぜよ



洗濯?


徳川幕府は250年も支配しとったこの国には
コケのような垢がびっしりこびりついちゅう
それをわしらがびっしり洗濯するがじゃ
それこそがわしらのなすべき事ぜよ




そう語る龍馬の目は遥かな高みを見据えていた


命のはかなさを思い知り
志の尊さを知り

悲しみも
別れも
虚しさも
悔しさも
恐ろしさも
人の情けも
愚かしさも知り

龍馬はこの時からあの坂本龍馬になっていった―――――。









山内容堂は徳川幕府にほとほと失望していた。

だが、山内家は徳川幕府にこの土佐を賜った
幕府あっての土佐藩なのである
それ故に朝廷を奉り、幕府を足蹴にするなどもってのほか

そういう過去があるから土佐藩は佐幕派でなければならない


だから、尊皇攘夷を押し立てた武市を
許そうにも許すことが出来なかった。


それと同じように武市の忠義心は分かるものの
武市が下士の出であるが故に重用することが出来なかった

重用すれば藩祖が作り上げたことを否定してしまうことになる

という風にも考えたような感じもあります。


本来ならば斬首であるところを
格別のご配慮を受けて、髭を剃り、髪の整え
白装束を纏わせて、あのような立派な切腹の場を設けた

それが大殿様の精一杯の配慮だったってとこでしょうか


でもって、これが後年
山内容堂が武市を切腹させたことを後悔させる逸話を基にして
出来たようなお話なんでしょうね。


でもって、その大殿様が武市と同じ場所に来た事が
第一話で龍馬が語った言葉と重ねる演出をしてきたのは見事なものでした。



それからまた、龍馬がいなくなり
ぽっかり心に穴が空いたかのような喪失感を感じさせる坂本家の面々と


武市の死によって
ぽっかり心に穴が空いたかのような喪失感を感じさせる
富と武市を慕う門弟達、そして容堂公の描写があったのも
なかなかに面白いところでしたね。






で、龍馬の処分は結局どうなったん(゚Д゚)?


ってのは突っ込んではいかんのでしょうか(苦笑)


ま、そこが今回の一番の欠点でしょうね。


その次は龍馬がどういう経緯で土佐を出て
長次郎らと合流したのかってとこでしょうかね。




それから、武士であるがための身分という問題やら
つまらない幕府の面子で同じ日本人が争う現状に

ほとほと失望した龍馬は
ここから日本を洗濯すると考えたんでしょうね

この垢というのが「幕府と幕府が作った制度」と
龍馬はとらえたって事なんでしょうね。

望月亀弥太が死んでしもうたのも
海軍操練所が閉鎖されてしもうたのも
武市さんが死んでしもうたのも

全て幕府のせい

だったらこんな幕府なんかなくしてしまった方がええ


といった感じで。




そして、ここからが坂本龍馬の本格的なお話になっていくってとこですが

ここから出てくる登場人物が実にいいですね。

でもって次回はいきなり高杉晋作の登場

演じる伊勢谷さんは高杉晋作のイメージを
チェ・ゲバラやルパン三世って語ってたんですが

予告の映像を見る限りでも凄まじい迫力がありました。



この高杉晋作で結構目がクギヅケになるかもしれんですね。


ここからは国を動かすような出来事に関わっていくだけに

次回、龍馬がどんな風に変わり
新天地・長崎で龍馬がどんな風に動いていくのか

実に楽しみでございます。





追記
あ、そうそう
そういえば「るろうに剣心」が実写映画化されるって話があります
主人公の剣心役に人斬り以蔵を演じた佐藤健さんが演じるとか

これはもう完全に大河ドラマの影響が強いんでしょうねぇ; ̄▽ ̄

こちらの漫画は好きでしたが実写化となると、どうなりますでしょうねぇ。

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