八日目の蝉 第1話

あの頃の私は秋山丈博と不倫していた。

そして、彼の子を身篭った。

彼は日頃から奥さんに私の事を話して
奥さんと別れて自分と一緒になりたいと言っていたのに

私の妊娠を知った彼はひどく狼狽し
私のおなかの子供を諦めるように言った。



あの頃の私は彼を失いたくなかった。
そして、自分の方が可愛かった。


私は彼に言われた通り、子供を堕ろした。



それから二ヵ月後


私は彼の奥さんが妊娠していた事を知った。




彼は私から距離を置き始めた。



悔しかった。



私は奥さんに電話をした。



「彼と別れて下さい。
私は彼のために離婚したんです。」


何をバカな事、言ってるの?
私は離婚する気、ないわよ。

それにお腹から子供をかき出すなんてサイテーよ。
ガランドウ




悔しい。

私は何も言い返す事が出来なかった。



追い討ちをかけるように
堕胎手術後、体調を悪くし

私はもう二度と子供が産めない身体になった。


彼は私とはもう会ってくれなかった。



悔しい。
私は彼にために何もかも失ったのに。

悔しい。
私は何もかも失ったのに。





それから1年後

その日は雨だった。

私は彼が住んでいる自宅を訪れた。


彼と奥さんが出かけている隙に私は
彼の赤ん坊に近付いた。


私が味わった苦しみを
彼たちにも味あわせてやるつもりだった。


そうして赤ん坊の首に手をかけた時

突然、赤ん坊が泣き出した。

私は思わず赤ん坊を泣き止まそうと抱きしめた。


そして、赤ん坊が泣き止んだ瞬間

私はこの赤ん坊―――――薫が愛しくなった。
私は薫の母親になる事を決めた。



でも、それはこの子から本当の母親を奪う事でもあった。

薫。許してくれますか。
あなたを抱いて逃げた私を。

信じてください。
私はあなたを愛していた

あなたに会った瞬間から
あなたの事を愛していた―――――。











とにかく重い(; ̄∀ ̄)







これはなかなかに強烈ですねぇ。



自分が子供を堕ろしておきながら
相手の子を奪って自分が育てていく。


身勝手だよなって思ったりもするんですが

そうやって突き進むしか希和子にはその道しかなかったってとこでしょうね。




それからどうも二十歳になった薫=恵理奈は
秋山夫婦の下で暮らしているようですが

彼女はどうも冷めた目で父親と母親を見ていましたね。

でもって、自身も不倫をして
父親と同じ、父親にならない人の子を身篭ったと

父親に対して皮肉っていました。



公式HPでは希和子は薫と5年半をも過ごしていたようで



おそらくは希和子は逮捕され
薫は秋山夫妻の下に戻されたんでしょうけど


それは結果的に
薫から希和子という母親を奪うという事になったんでしょうね。



そういえば、その昔
これと似たようなドラマがありましたね。


中森明菜さんと永作博美さんが出てた作品で

あれは永作さんを犯罪者に貶めて
永作さんが生んだ子供の母親に成り代わるという
かなり強烈な物語でしたが

それと比べると
こちらは奪った子供のために
母親であり続けるために逃亡生活を続けていくんでしょうね。



さて、ドラマとしてはとにかく重いし


見方によっては

自分で子供を堕しておいて
相手の子供を殺そうとしていたのに
その子供の母親になりたいがために
その子供を連れ去るなんて

希和子はあまりにも身勝手すぎるって
思えてしまったりしてしまうんですが


赤ん坊の夜泣きやおむつの換えとかに不慣れだった希和子が
少しずつ、母親になっていく過程を見ると共に

憂いの表情を見せる檀さんを見て
ほんわかするのがこの時間の定番になりそうです ̄▽ ̄ゞ

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