魔王 第4話

そう、全てはあの事件から始まっていた。


「山野をいじめるな。」



そう言ってきた彼を俺は―――――。





陽介の葬儀が行われたその日。

この事件の真相が
11年前のあの事件にあると知った直人は憔悴していた。



その場に居合わせた領は直人に言葉をかけた。


心から御悔み申し上げます。
大切な人を失うつらさ。
私にも分かります。




11年前、自分が犯した罪によって
犯罪を生み出している。


その事実に直人は刑事を辞める覚悟でいた。



一方、成瀬の下には胡散臭い記者・池畑が接触してきた。

池畑は領に囁く。

「あなた、本当は悪魔なんじゃないんですか?」


池畑の話によると芹沢栄作の顧問弁護士に
優秀な弁護士として評判の成瀬がなるという話を聞いて
それを辞めてもらおうとしたらしい。

かつて自分が書いた記事を
あらゆる手を使って握り潰してきた
芹沢のやり方が気に入らないらしい。


領は池畑に囁く。


芹沢さんの息子さんは刑事をやってますよ。


その言葉に池畑は突き動かされるようにその場を後にした。



成瀬の部下が駆け寄って忠告した。

「あの男はトクダネのためならば、評判の悪い記者ですよ。」


成瀬は冷静に答える。


はい、分かってます。






直人は光泉出版を訪れた。

11年前、自分達がいじめていた山野が働いていた。


久しぶりだな、山野。
俺の事、覚えているか?

話があるんだ。



山野は直人におびえていた。

彼の中で11年前の記憶は忘れる事が出来ないらしい。


お前の目的は俺だろ。
関係のない人間を巻き込まないでくれ。

どんな裁きでも受ける。



たしかに君はひどい人だった。
裁きを受けるのはたしかだ。

せいぜい苦しめ。



直人は確信した。
山野はこの事件に関わっている。



その夜、直人はしおりの元を訪れて懺悔をした。


神様は俺を許してくれるんですかね。

あの中学に通ってた頃
俺はとんでもないヤツでした。

クラスの弱いやつをからかったり殴ったり
散々いじめてたんです。


そして11年前

俺は同級生を死なせたんです。


あの場所で、俺が英雄を――――

英雄は俺がいじめてたヤツを守ろうとしてたんです。
それなのに、俺は――――

頑張って精一杯誠実に生きようとすれば
正しく生きようとすれば神様は許してくれるんじゃないかと思ってました。


でも、今は分かりません。


俺は本当に生きてていいのか。
どうすればいいのか。




生きなきゃいけないんです。
死んでいい人間なんている訳ないじゃないですか。

全力で生きて下さい。

刑事さんを思う人たちのために。



その言葉に心を救われた直人は
再び刑事としてこの事件を追う事を決めた。

そんな時。

彼の元に小包が届く。


届け人の名は『雨野真実』

そこに赤い封筒があり、毎年自分を撮った写真があった。


この事件が自分が原因である事は誰の目にも明白だった。

そしてもう1枚、紙が入っていてこう書かれていた。


苦悩の都に向かう者
我を通り過ぎよ

永遠の苦悩に向かう者
我を通り過ぎよ

魂を失った人を訪ねる者
我を通り過ぎよ


しおりによると
それはダンテの「神曲」の一節で地獄の門だと言う。

地獄の門をくぐった先にあるもの

それは絶望しか待っていない。

これは地獄の始まりを知らせる言葉。

つまり、直人にこれから訪れる地獄の始まりを示しているものだと言う。


直人はしおりにこの紙のサイコメトリーをお願いしたがしおりは躊躇した。

もしかしたら
犯人は残像をコントロールしているのかもしれない。
犯人は私の能力を知っているのかもしれない。

犯人が植え付けた残像ならば、狙い通りに操られる可能性がある。


しかし、直人に迷いはなかった。
自分は犯人が望む通りの場所へ追いかけます。

それが地獄でも。



・黒い手袋

・ロッカーに赤い封筒

・『333』の数字


そして『333』の形状にしおりは見覚えがあったが
それが何か今は思い出せなかった。




そして直人は山野が
あの事件で新谷空に接触した人物ではないかと考え
空ちゃんに証言をしてもらう事にした。



しかし、空ちゃんはあの男は知らないと言う。


山野じゃないのか?


その結果に落胆する直人。

しかし、この時
直人は気付いていなかった。


この小さな女の子が嘘をついているという事に。




今回の一連の事件が
11年前の直人が起こした事件に絡んでいる事で
捜査の対象をその事件での被害者の親族に向ける事にした。


かつて、その被害者がいたアパートには誰もいなかった。



そのアパートの管理人の話だと
息子さんの通夜の日に突然倒れられて亡くなったと言う。

その後、残った兄はアパートを引き払った。


息子さんが死ななければあのお母さんは死ななかったのかもしれない。


その言葉が直人の心をえぐる。


そして、戸籍を手掛かりに調べたところ

その兄は弟の死から1年後に亡くなった。



これで被害者の親族の線は消えた。


直人は思う。


弟も亡くし母も亡くし、たった一人残された兄。

『真中友雄』
彼の生涯はどんなものだったのだろう―――――。





11年前。

芹沢栄作の前に一人の少年が訪れていた。

あなたにお願いがあってきました。

死ぬ事もなく今のまま
今以上に他人を犠牲にして

覚えていて下さい。
いつどこにいても
私があなたと家族を見ている事を。

そして、再び会いに来る事を。




そして、その言葉は現実のものとなった。


成瀬領は芹沢栄作の会社の顧問弁護士となった。



その足で成瀬はある病院を訪れていた。



車椅子で盲目の患者さんを訪ねて。


「領。」


その言葉に彼は答える。



久しぶり、姉さん――――。










まず、これで成瀬領の事を
芹沢直人が気付かない理由が分かりました。


まぁ弟さんの苗字が一度も出てこなかったし
アルバムの写真を見てる時に、その部分が見えてこなかったので
ここに秘密があるんだなという感じでしたが正しくその通りでしたね。


おそらく「真中友雄」は
成瀬さんの家族と親しくなったかして
その時に「成瀬領」とその姉がある事故に遭って
姉は目が見えなくなり、そして「成瀬領」は亡くなった。

ここで「真中友雄」は
自分が「成瀬領」となり亡くなった「成瀬領」を「真中友雄」にしてしまった。


という事でしょうかね。






それから直人の同級生にも色々と問題とか
抱えるものがあったみたいですね。



山野の11年前のあの記憶。


11年前のあの時。

ナイフを持ってあいつらを刺そうとした俺を英雄君は止めてくれた。
こんな事で人生を無駄にしてはいけないって。

英雄君はそのナイフを預かった。

そして、そのナイフで英雄君は刺された。

僕はただ、それを見ているだけしか出来なかった。


それを未だに悔やんでいる。


彼もまた、あの出来事に苦悩している一人ですね。

それと同時に直人に対して

せいぜい苦しめ。

この事からも、あの出来事によって
未だに直人の事を憎み続けているようですね。


ただし、彼を見つめる巨大モニターのあの目。

あの演出はちょっとヤリスギ?かと(笑)






それから葛西の下に届いた赤い封筒。


その中にあったは社長夫人との情事を撮った写真。

これが会社に知られれば二人共破滅する。


そして二人は固く抱き合うのですが
その姿もしっかり写真に撮られていたりして(苦笑)


二人でもがけばもがく程、泥沼に墜ちていきます。



で、葛西は
彼女と一緒にいる現場を見られたという事で
宗田を疑うのですがねぇ。


それは返って二人の間に溝を生んでしまったようですね。

というか、元々あったけれど
それが表面化するまでには至らなかっただけで。



ここに付け入る隙がありそうです。




それにしても気になるのはあのカメラ越しに見る被写体の映像。


あのカメラを触っているのは誰なのか?



ここが気になるとこですね。

今のところ、そういうシーンはないですからね。


それは成瀬領の可能性もあるし
山野の可能性もあるし

そして、今回、その被写体に領が出てきた事で
今回登場した池畑の可能性もありますからね。




ここもまた気になるところです。


さて、次回より
領は直人のために「本当の地獄」を用意しているようですね。



思うのですが
直人は11年前の罪に後悔して
自分は正しく生きる事が償いになると感じていたみたいですが

父親の圧力があったにしろ理由はどうであれ

被害者の親族に一度も謝罪の言葉を語っていないようですね。

そもそも被害者がどのような人生を辿ったのか
今の今まで知らなかったみたいだし。

領が毎年毎年、直人の事を見続けていたように
直人が毎年毎年、被害者の親族を見続けていたら

このような悲劇が拡散する事はなかったのではないのか


って感じがするんですけどね。

まぁドラマ的にはこうでないと面白くないってのが本音なんですけど(; ̄∀ ̄)ゞ

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