篤姫 第25話 「母の愛憎」

日に日に慶福を推す紀州派の勢いが強まる。

「使命を果たさなければ、ここにいる意味がない」

そう危機感を募らせる幾島。

その言葉に篤姫は噛み付く。

その使命がなくなれば
我らは何のためにここにいるのか!



ある日、家定が倒れた。

その日から篤姫は家定と会う事が出来なかった。

朝の集まりには出席せぬようにと
本寿院様からお願いされ

夜の御渡りも本寿院の手で握り潰されてしまい

家定には篤姫の具合が悪いという事にされていた。




篤姫は自分の気持ちを本寿院に訴えた。


「妻として上様を思う気持ちに嘘はありませぬ!」


流石の本寿院も思わずたじろぐ。



でも、本寿院はやはり上様を篤姫とは会わせなかった。



全ては息子のために(大嘘)


※ただ単に大奥にまで倹約をしようとする斉昭の息子が
 将軍になったら、父親と同じように大奥に倹約をしようとするから





一方、薩摩では

領内の仕事をする尚五郎
日本国を見据えた仕事をする西郷さん

それぞれが目指すものを見つけて歩んでいる。


ただ、一人
目指すものが定まらない大久保正助。


そんな折、西郷さんと一緒に熊本藩は細川家家老と会う機会があり
そこに正助も同席する事になった。


初めて「政」に関われる。


願ってもない機会に喜ぶ正助。
それ以上に喜んでくれたのは母だった。


母は父が着ていた一張羅を仕立て直して
自分に明日の席に来ていくように言ってくれた。



嬉しかった。



そう、あの時までは―――――。


翌日、西郷と大久保は細川家家老と対面した。

二人が語る日本と世界の動きに興味津々で聞き耳を立てる正助。

そんな時、二人の会話が突然止まる。


「正助どん、外してくれ。」

「え?」


「こちらへどうぞ。」



正助は別室に向かわされた。



そこで正助は西郷どんの対談が終わるのを待った。

ただ待った。



「政」に加われない自分。

それも仲間によって。


それが西郷さんの本意とか関係はない。


自分は必要とされなかった現実。



その夜遅く、正助は家に帰ってきた。


「随分と早かったのですね。どうだったのですか、あちらでは。」

母が一人起きて待っていた。


正助は何も言わなかった。
その表情はこわばっていた。


それから母に背を向けたまま正助は宣言した。
「母上、おいはくやしかです。おいは・・・おいは今日から鬼になりもす。」



息子の言葉に母は応える
「あなたが鬼なら私は鬼の母になるだけの事」


正助は思わず母を振り返った。
母は微笑んだ。


全ては息子のために(本当)


分かってくれる人がいる。

それだけで幸せだった―――。





江戸では相変わらず篤姫は上様と会えない日々が続いていた。

幾島は篤姫の心に気付いた。

本当に公方様の事を思っている事に。

夫としてだけでなく
それを超えた一人の男として。

同じ女の身としては喜んであげたい事。

しかし使命がある以上
それが吉と出るか凶と出るかが心配だった。




その日、家定が
「御台に会いたい」と言って突然倒れた。

大奥の者達は慌てて上様を本寿院様の下へお連れした。


慌てふためく本寿院。


しかし、それは家定の策略だった。


改まって家定は母に語る。


私から母上に申し上げたき事がございます。

これまでご養育下さり
また御心配下さり誠にありがとうございます。
多くの兄弟をなくしながら
一人今日まで生き残ってきたのはひとえに母上のおかげでございます。

心より、感謝申し上げます。
しかし、今や私は大人になりました。
これからは私が母上の心配をする番です。

どうぞ心安らかになさりませ。



そうして家定は母の下から離れて別の場所へ旅立っていく。


母は淋しかった。
息子の成長が嬉しくあるものの
自分の手から遠く離れていくようで。




その頃、篤姫はぼんやり外の景色を立って見ていた。


突然、幾島が驚きの声をあげた。


篤姫は幾島の方を振り向いた。



久しぶりじゃのう、御台。


篤姫は思わず座り込んだ。

意中の人が突然目の前に現れたから。


はい。


あまりの事にその言葉しか出なかった。



そちが来んのでわしが来たぞ。
そちがいないとおもしろうない。
まるでこの世から色が消えてしまったようじゃ。


私もにございます。

そうか。わしらは気が合うのう。

はい。


上様の言葉。
上様の笑う顔。

そして上様の手。


それ以上の触れ合いは望まない。

それだけで幸せだった―――。







歴史のネタが尽きたので
久々に物語の方でちょっと頑張ってみました(; ̄∀ ̄)ゞ





今回は
家定と本寿院
正助と彼の母

二つの母と息子の対比が印象的でした。


本寿院は
どー考えても私欲の部分が強いために
そのために次の将軍を慶喜にしたくない
という思いがマンマンだった訳なんですがね(苦笑)

母に語りかけた息子の言葉に
息子の成長を感じ取るのですが

それは同時に息子が別の女性に向かっていった事に
淋しいものを感じていたみたいですね。



一方の大久保家はというと

息子の葛藤も行動も
それを否定する事も遮る事もなくただ受け止めている母。

息子の悲しみも喜びも全部。

それだけで息子としては嬉しいとこがあるのかもしれません。


それぞれの手法は異なりますが
どちらの母親も息子への愛は同じくらい深いようです。

そして大久保さんの母を見て去年の大河の「姫様」を思い出した私σ(゚∀゚;

やっぱり親子です(笑)



それから大久保さんと西郷さん。





この時、初めて二人の間にヒビが入った感じがしました。
正確には大久保さんの心にヒビが入ったって感じでしょおうかね。

大久保さんのこの悔しさが
今後の彼の成長に大きく関わってくるのでしょうね。

そしてもしかしたらこの事が
いつか西郷さんとの間での傷になってしまう

そんな気がします。



それから政治の部分で言うと
老中首座・堀田正睦はハリスと会い
世界の情勢、通商の大切さを聞き条約締結に向けて大きく動き出しています。


この堀田正睦は
若い頃から「蘭癖」といわれる程の蘭学好きで
藩主時代には蘭学を奨励して蘭学の学校「順天堂」を作ったとされています。

ドラマではどうも優柔不断で頼りない感じがありますが
阿部正弘の遺志を受け継いでか開国路線に舵を取った事を考えれば
彼もまた阿部と同様に開国はしなければならないという
思いがあったのでしょうね。

ただ、この頼りないイメージは
多分この後で出てくる老中の職を辞めるとこに表れてくるのでしょうね。

それから井伊さんもまた
朝廷の動きをどうにかしようと画策しているみたいですね。

幕府が紀州派と水戸派で分かれていたように
朝廷もまた幕府に反発する派と幕府に同調する派があったみたいですからね。

おそらくはその辺りに斉昭のように
井伊も画策してくるのかもしれません。



それから篤姫を見つめて笑う上様と
上様を見つめる篤姫の姿は印象的でした。


寝室で思わず上様の手が篤姫のとこに向かった時
思わず見てるこっちが(・∀・;)ドキドキ


ちょっとだけ期待しました(; ̄∀ ̄)ゞ






さてさて、次回は斉彬が建白書を幕府に提出する訳ですね。

ここで将軍の後継について意見する訳です。

これはかなりの大事件です。

斉彬は篤姫の養父とはいえ
外様大名が幕府に意見をするのですからね。


これで益々篤姫の立場が危うくなりそうです(笑)

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