チェイス 国税査察官 最終話「カリブの黒い薔薇」

あの出来事から1年
春馬は多摩税務署で娘と共に穏やかな日々を送っていた。


一方、多額の金を手にした村雲だったが
生まれてきた我が子に対して一度も愛情を注ぐこともなく
以前と変わることはない日々を送っていた。



村雲の携帯が鳴る。

相手は非通知だった。



もしもし?
もしもし?

村雲か?

待ってたよ。
切るな、切るなよ。
知りたいだろ。母親の居場所。


デタラメを言うな。

本当だよ。
俺はお前が知りたくて知りたくてたまらない
母親の居場所を知っている
なぁ、取引するか?

まずはお前に会いたいよ。
今はどこにいるんだ。


会ってどうする?

そうだな、とりあえずその面
一発ぶん殴ってやるか?
この1年毎日毎日お前のことばかり考えていた。


俺を殺したいのか?

ああ、俺がやらなくても
お前の弟がやるかもしれないな。


何でも知ってるつもりだな。

一度始まった復讐は続くんだ。
カタチを変えて。
知りたいだろ、死んだと思ってた母親が生きてた理由
一度も母親が連絡をくれない理由

出て来い。教えてやる。


その必要はない。
俺は知ってるよ。
知ってるんだよ。







それからまもなくかつての上司から電話があった。

今すぐ8階―――元の部署に戻れと。


ヴァージン諸島から檜山基一の口座に
5800億円全部が何の偽装もなく送金されたと言う。



檜山基一は送検された。



そして春馬は彼の前に現われた歌織から
村雲の過去を聞くと共に
彼のことを救って欲しいと託され



一方、檜山基一に送金されたお金の口座は
二重口座というものになっていたらしくて
檜山基一を有罪にするはずだったお金がなくなった事で

檜山基一の罪はなくなる?ということでいいのかな。



春馬は村雲がいるヴァージン諸島に向かう。



そして、春馬は村雲が住んでいる家の地下室に行き
そこであるビデオを見た。


それで全てを悟った時

春馬の後頭部に村雲が銃口を向けていた。




お前を誘拐させたのは母親自身か。

ああ。

檜山正道から金を奪い取るための自作自演か

ああ。

お前は偶然見たニュースで
母親が生きていることを知り
何もかにもわかった上で檜山家を陥れた。


ああ。



そして春馬と村雲の殴り合いで春馬は気を失い
気が付くと部屋中に村雲が油を撒いていた。





ここに現金で5億ドルある
俺を逃がしてくれたら、あんたにこれをやる



断ったらどうするんだ?

死ぬさ。あんたは頭のいい犬だ。
ここで撃ち殺されるより
ここで金を受け取って―――――。



撃て。撃ちゃいいよ。
ああ、そうだよ。俺は犬だよ。
地べた這いずり回って
国民から税金を戴いている犬だ。
国民から税金もらってその金で
家族を養っているちっぽけな犬だ。
でも、犬にも習性ってもんがあんだよ。
いいか?
一発で仕留めないとその首根っこ食いつくぞ。
息が止まるまで離さない。
さぁ、撃てよ。




あんたは幸せな人だな。


そんなことして何になるんだ?


何にもなりませんよ。
何も



お前が絶望しているのは母親だ。


違いますよ。
僕は絶望なんかしていない

生きるために子供の片腕を切り落とす母親なんて
世界中探せばどこにだっている。

僕は絶望していないし誰も怨んでいない。

ただ、ただ
もうひとつの人生を想像してしまうんですよ。

あっちとこっちにどんな違いがあるんだ。

抱きしめられる子供と
腕を切り落とされた子供にどんな違いがあるんだ。

想像してみる。

違いが・・・わからない!

だから希望を持ってしまう。
自分の人生に希望を持ってしまう。

春馬さん。

そう思いませんか?

人を狂わすのはいつもそういう希望なんだ。

苦しくて苦しくて
親を恐れて見つめる

希望の灯火なんだ―――――。







ここからの展開が強烈でしたね。


自動車で逃走する村雲の車にあのハンカチ


まず、あそこで背筋が寒くなりました(; ̄∀ ̄)



その後の救出で車の爆発も驚きましたが


やはり一番強烈だったのは村雲の母親のシーン以降の展開でしたね。




彼はすぐそこまで来てます。
ただ、怖がっているというか
照れてるというか

そして、村雲が持っていた木彫りの黒い薔薇を彼女に手渡す。

もしよろしかったら
あなたの方から―――――。


人違いでしょ。
これはお返しします。


いや、事情があるのは理解してます。
しかし、私は過去のことをあれこれ詮索しに来たのではありません。
ただ、息子さんのことを―――――。



私に息子はおりません。


そんな事を言ったらあいつはいつ救われるんですか

後ろから彼女を「母親」と呼ぶ娘の声が聞こえる。

彼女はその声がする方に向かっていく。




たまりませんね。

歌織の子・光は税金相続のためだけに生まれた子。


でも、村雲は
母親は愛人であり、村雲の父親であった檜山正道から
身代金をせしめるために生まれた子。

そのために彼の左腕が切断された訳なんですからね。


それでいて母親に
「自分には息子はおりません」って言われてもうたら

たまりませんね。


そして、母親はどうも
あの署長さんと夫婦になったみたいでしたね。

なるほどねって感じです。

だから、あの署長さんは
これ以上厄介な事に関わりたくないというのもあって

「知らない」と言ったんでしょうね。



でもって、彼が語る「絶望の火」が
人によって「希望の火」となる

それは自分が母親の自作自然により
腕を切られてた事で彼の心は「絶望の火」に焼かれていたのに

腕を切ることが母親にとっては身代金をせしめる
「希望の火」だったというのがねぇ。



それでも村雲は母親に褒められたいと「希望」を抱いてしまう。

たまりませんね。



ですが、母親は何十年経っても変わらない。

息子は金をせしめるための道具でしかなかったって事ですね。


で、そんな村雲の母親の対応を見て

春馬は村雲に嘘をつく。



お母さん、受け取ってくれた。
涙を流して受け取ってくれたよ。
できることならお前に会いたいって。



だが、村雲に春馬の言葉は届かなかった。


村雲は事切れていた。


村雲は腹部を刺されていた。


村雲を刺したのは弟・基一だった。


自分を刺した弟に対して

泣くんじゃない、基一。
お前は当然の権利を行使したんだ。
ごめんな。



この言葉がまた、たまらんですね。


そして、母に渡そうとした
あの木彫りの黒い薔薇には

母の名義でスイス銀行に作った口座に5800億円の金があった。


そのお金も全部母親に渡すため

それで母親に褒められてほしかった。



でも、彼女はそれを受け取らなかった。


これが全てでしたね。



そして、春馬はその口座を上司に報告する。



なんとも後を引くラストでした。



ただ、村雲も言ってましたが


あっちの世界にこっちの世界

特に自分がこっちの世界で満たされない思いを抱えている時


ふと、あっちの世界を夢見て希望を抱いてしまう。


そして、あっちの世界に行きたくて時に狂ってしまう。



あの言葉もまたよく分かるものです。



村雲は母が自分を知らないと言った事を知らずに亡くなったのは

希望だったのかもしれません。


一方、村雲を刺した基一は
元を辿れば、村雲の母親に翻弄されたと言っても過言ではないですね。


復讐は結局、己をも燃やしてしまうのですからね。



物語としても、かなり面白いものでしたが


ドラマとはいえども
こういう人達の姿を見て、自分を省みることが出来た気がします。





ちなみに私は
赤鬼のために犠牲になる青鬼の生き方は好きです。

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この記事へのコメント

2010年05月23日 00:57
ラストのプッツリ切れた感じは印象的でしたね。
この母親は、全く罰されないで生きていくのかしら~。
もう昔の事件は時効だしね。
村雲は捨てられた子って事なんですね。
それでも、母親を憎めない。。。

う~ん。。。今期、母親像が色々なドラマで語られますな(-_-;)

私的には、春馬と村雲の対峙シーンで銃が出てきた段階から
結構終わってる感が漂っちゃいました。。。
ああ言うシーンは殿方が好きそうな。。。^^;

イマイチね、春馬の家庭の悲劇が要らなかったかな。
その分、村雲の過去を描いた方が良かったのではって気がします。
ikasama4
2010年05月23日 02:00
くう様
たしかに物語は散乱してましたが
自分は村雲を中心に見てたので

結構楽しんで見ることが出来ました。

たしかに今期は色々な母親が描かれますが
一方で、どんな母親であっても
親への思いを断ち切れない

こういう子供達も今期のドラマで
色々と描かれてますね。

対峙シーンについては
言葉のやりとりは面白かったです。

>イマイチね、春馬の家庭の悲劇が要らなかったかな。
たしかにそう思えたりもするんですが
ここがないとあっち側とかこっち側とか
村雲の苦しみとかを分かり合えるようには
ならなかったかもしれないってとこで
あれはあれで必要なとこなのかもしれませんね。

でも、よくよく考えたら
これ、税金のドラマでしたねぇ。

そこから考えると今更ながらにあれ?と思いました(; ̄∀ ̄)ゞ
2010年05月23日 08:18
>村雲は母が自分を知らないと言った事を知らずに亡くなったのは
希望だったのかもしれません
そうですね。どこまでも母親にとっては金を引き出すための道具だったと
さらに深い絶望に落ちてしまいますもんね。
でも、もしあのバラの木彫りを受け取っていたら、大金を手にすることができていたというのも皮肉でした。
村雲が狂おしいほどに母を求めていたってエピソードをちょっとでもいいから
作ってくれたら、流れとして受け入れられたと思うんですが、
村雲の絶望の元の理由がとってつけたような印象になったのはもったいなかったと思います。
ラストの母親の冷酷さとどこまでも母の愛情を求め続けて闇の世界で生きていく事になった村雲の姿をメインにした方が良かったような・・・
春馬VS村雲、村雲VS檜山一族、その行動を描くことを優先させたために村雲の心理がわかりずらかったです。
ikasama4
2010年05月23日 13:49
きこり様
ジェットコースターのような展開でした。

というか、急展開しかなかったんですけど(; ̄∀ ̄)ゞ

演出、展開に関してはなるほどと思うとこはありましたが
村雲が母を求めるシーンに関してはたしかに今回でしか
見られなかったものかもしれません。

それだけに「ただの灰」と言い切った前回の村雲と比べると
自分の中では整理がついていないです。
というか、つかないです(; ̄∀ ̄)ゞ

物語の前半と物語の後半で
全然その色合いが違いますからね。

それが更に余計に混乱させているとこかもしれません。

>ラストの母親の冷酷さとどこまでも母の愛情を求め続けて闇の世界で生きていく事になった村雲の姿をメインにした方が良かったような・・・
というか、ARATAさんを主人公にすればよかったのかなと。

ついでにタイトルも「黒い薔薇」にするとか
(; ̄∀ ̄)ゞ

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