Mother 第2話

怜南=継美(つぐみ)の寝顔を見つめているうちに
その日に起きた事を色々と思い浮かべていた。

気が付くと奈緒は眠ってしまっていた。


継美はいなかった。



どこに行ったのか?


奈緒は慌てて継美を探しに向かった


継美はすぐ近くの車両で子供と一緒に遊んでいた。



奈緒は継美と二人きりになって言って聞かせた。

ほとぼりが冷めるまで大人しくしてて

ほとぼり?
みんなが私の事を忘れるまで?


そうよ。

わかった。頑張るね。


二人は宇都宮駅で降りると
駅構内になるカメラを避けるように駅を出ようとしていた。


いい?私はお母さんであなたはつぐみ
親子のフリをする。
分かってる?


分かってる。


その時、継美はトイレを我慢していたらしく
二人はトイレに向かった。

そのトイレは鍵が壊れているらしく
仕方なく奈緒も一緒にトイレに入った。


財布が入ったカバンを置いたまま。


トイレから出た奈緒は
その時、自分がカバンの中に
財布を入れたままにしていたのに気付いた。


慌ててカバンがあった場所に戻ったのだがカバンはなかった。


警察にも盗難届を出す訳にもいかず
辺りを自分なりに探したところ、カバンは見つかった。


だが、財布の中の現金も
封筒に入れてあった現金も残らず盗られていた。



―――――嘘。


どうしよう?

―――――何やってるのよ、私。
今更後戻りは出来ないし。


・・・・・行くよ。



どこに?
お母さんのお母さんの家?



ううん。私が預けられていた児童擁護施設




奈緒は30年くらい前
2年ほど、児童養護施設に預けられていた事があった。


その施設にいた桃子さんに可愛がってもらっていた。


そこで継美を預かってもらえれば
今後の事も考えられるようになる。


そう思って向かった二人だったが


30年ぶりに訪れた施設はかなり荒廃していて
桃子さんは認知症を患っていた。



とりあえず、奈緒と継美は桃子さんと一緒に
この施設でしばらく過ごす事にした。



テレビをつけると北海道で行方不明になった
怜南ちゃんの無事をお母さんが祈っていると
ニュースキャスターが話していた。


そのニュースを見つめている継美に奈緒は尋ねた。




ママに会いたい?
大丈夫よ、我慢しなくても。


間違ってる。
今の人、間違ってるよ。

怜南ちゃんのママは祈ってない。
怜南ちゃんのママは祈ってないよ。





その頃、怜南の母親は
口紅をつけて男の下に向かっていた。

その姿から娘の事を心配する風には微塵も感じれない。







翌日、継美は桃子さんと一緒に山にでかけた。


一人、桃子さんの家にいた奈緒だが
そこに突然男の人がやってきた。


桃子さんが心配で彼女の様子をちょくちょく
見に来ていたらしいその男は

奈緒がかつてこの施設で過ごしていた事を知ると
手放しで喜んでくれた。

そして、今のこの施設と桃子さんの現状を教えてくれた。


今から10年前に桃子さんの旦那さんが亡くなった事で
この施設は閉めざるを得なかった。

しかし、桃子さんはここを離れなかったらしい。

自分がここに住み続けなければ
ここで過ごした子供達の故郷がなくなってしまうと。

だが、桃子さんは認知症を患い
この施設の借地権も既に切れてしまっていて
近々桃子さんは役所の方の迎えによりこの家を出て
児童の施設ではなくのお年寄り施設に入れられるらしい。



奈緒は山から戻ってきた継美にここを出る話をした。




この家は借地権が切れたの。
このままだと私達の顔が多くの人に知られてしまうわ。
この家を出よう。
二人で逃げよう。


桃子さんも私と一緒に行こう



私達は逃げてるの。
桃子さんも一緒に連れていけるはずがないでしょ。


・・・・・先生。
私も置いてって。

大丈夫だからここに来たんでしょ。

大丈夫。大丈夫。

先生、我慢しなくていいよ。



継美の作り笑顔に奈緒の心が痛む。




奈緒は認知症の桃子さんに愚痴をこぼした。


どうすればよかったの?
私だって精一杯やってるつもりなのに
あの子のために母親役をやってるつもりなのに
これ以上どうすればいいの?



桃子さんは言った。



16.5

継美ちゃん、足が痛いの。
足が痛くて歩きづらいの。


そんなはずはないわ。
あの子は言いたい事があればちゃんと言うし


奈緒ちゃんだってそうだったのよ。
この家に来た時
お菓子我慢したでしょ。
テレビ我慢したでしょ。
本当のお母さん、我慢したでしょ。

どうしてだった?



・・・・・一度捨てられたから。

また、もう一度捨てられるのが怖いから

でも、私我慢なんかしてなかったわ

桃子さん、全部分かってくれたから

私、あの時いたみんなの靴のサイズ
分かってたから



16.5





ちょっと一息

田中裕子さん演じる理髪師の客としてやってきた方を
演じるのは高橋昌也さん。

御年80歳。

大滝秀治さんの5歳年下。

高橋昌也さんといえば、ここ最近の作品で私が思い出すのは


2002年の「北の国から」では
純らの借金を肩代わりしてくれたものの
今にも亡くなりそうな男性の役とか


TBSドラマ「年下の男」では
今にも亡くなりそうな男性の役とか


映画「ディアドクター」では
餅をのどに詰まらせて死にそうになった男性の役とか


死にそうで死なない役柄が印象的でした ̄▽ ̄ゞ









花畑で遊んでいる継美の下に奈緒がやってきた。


継美、返事してよ。

はいはい。

奈緒は継美の靴を買ってきた。
男の子が履くような黒い靴ではなく
女の子が履くような赤い靴。

16.5


履いてみて。

また、お金減っちゃったね。

今度はお花畑でお金稼がなくちゃね。
桃子さんと暮らそう。


いいの?

なんとかするわ。
あの家がダメなら今度は桃子さんを誘拐しよう。


うん、誘拐する。



そうして、桃子さんがいる施設に戻ってきた二人だが

その桃子さんは役所からやって来た人達によって
この家から連れていかれるトコロだった。

二人は慌てて隠れた。

ここから桃子さんの顔が見えた。

桃子さんは二人に気付くと語りかけた。




ちゅーすけ、外に出てきちゃダメだよ。
怖いおじちゃんがいっぱいいるからね。
継美ちゃん、楽しかったよ。
たくさん嬉しかったよ。

でも、バイバイね。

奈緒ちゃん、ありがとね。


ごめんね、何もしてあげられなかった。


奈緒ちゃん、お母さんになった。
奈緒ちゃんがお母さんになった。

なれたよ。
桃子さんのおかげでなれたよ。


奈緒ちゃんがお母さんになった。

ありがとね。ありがとね。

ちゅーすけ、バイバイ
ちゅーすけ、バイバイ



そして桃子さんは施設の人に連れていかれた。


継美は桃子さんの後を追ったが
桃子さんの姿はどこにもなかった。


桃子さん、どこに行ったの?
出ていかないで?


泣き叫ぶ継美の声が虚しく響く。



その夜、奈緒と継美は桃子さんがいなくなった家で過ごした。

電気を使うと自分達がいる形跡が残るかもしれないと思い
灯りは全てランプを使った。


そして、奈緒は桃子さんがずっと残しておいてくれた
自分の私物に目をむけた。

そこから一枚の紙を抜き取った。





東京で理髪店を営む望月葉奈の下に電話がかかってきた。



あ、どうも。はい。ご無沙汰しております。
あ、はい。あ、いえ、変わりありません。

え?ここにですか?はい、来ておりません。
電話した事も会いに行った事も。
はい、はい、はい、分かりました。

あの、今からお会いできませんか?




望月葉奈が待ち合わせた場所にいた人
それは奈緒の母・藤子だった。



遅くなりました。

ああ、いいの、いいの。
ごめんなさい、お仕事中に。


これつまらないものですが。

いいの、気をつかわないで。

それでね、もちろん約束は守ってくれてるわよね。
奈緒の事は私とあなただけの秘密
私の二人の娘は実の姉だと思っているの。


会いに行ってはいません。

なら、いいの。
電話でも言ったように奈緒と連絡が取れないの。


そうですか。

電話しても出ないしそういう事は前からもあった。
でも、今回は何の連絡もないまま引っ越してて
まぁあなたにイチイチ報告するまでもないし
来てもらう事でもなかったかな。





望月葉奈は藤子と別れた後
横断歩道を渡って自宅に戻ろうとした時


奈緒が歩いてくるのが見えた。


葉奈は他人を装った。


そして遠くから娘の無事だった事を喜んだ。


その時、彼女が道路の向こう側にいるらしい人に手を振った。


奈緒の目線を追うとその先にいたのは幼い女の子。


女の子は奈緒を「お母さん」と呼んでいた。


奈緒に娘がいた。


その光景に葉奈は少し戸惑っていた―――――。








やっぱ文句なしの出来栄えですね。


太陽や火の灯りや白熱電球が出す赤みがかった温かい色合いが
映像に出てるとなんともいえない安心感があります。


それにしても坂元さんの作品は今期二つもある訳ですが

局の違いもあるんでしょうけど
NHKの方は言葉でドラマの間を埋めていく感じであるのに対して

こちらの作品は役者の持つ雰囲気というかで間を埋めてく感じですかね。




とりあえず、この先の展開として
葉奈は奈緒の本当の母親というのは分かりました。

後、彼女はどうも余命幾ばくもない病気を患っているような感じもあるようです。


その一方で葉奈と藤子との関係も気になります。


公式HPの人物相関図を確認すると
藤子と葉奈は55歳。

もしかしたら以前から二人は知り合いだったのかもしれません。

なんにしてもどういう経緯で藤子が葉奈の子を育てるようになったのか
気になるトコロはいっぱいです。

次回はふとしたきっかけで奈緒と葉奈が出会うみたいで。
そして藤子とひと悶着あるみたいで。

次回が待ち遠しいです

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この記事へのコメント

2010年04月23日 16:22
>以前から二人は知り合いだったのかもしれません
そんな感じでしたね。
施設に手ばなす事情があったことなど全て藤子と葉菜は了解済みなのかもね。
しかしさすがに自分がおばあちゃんになっていたかもと思ったら
孫はかわいさが一桁違うそうですから、自制が効かなくなったとか?
次回が本当に楽しみですね。
今週も子役ちゃんが見事にかわいくてこの子に会うのも楽しみなんです。
キッド
2010年04月24日 06:18
ikasama4様、おはようございます。

「外事警察」などで抜群の存在感の尾野真千子を知っていると
たとえアップがなくても
仁美の表情がいろいろと妄想できるところが
ポイントですな。
もう・・・娘を愛して憎んで育てて捨てて
結局、男に溺れる・・・
憐れな女、仕方ない女、やるせない女が
描写されていない部分で
瞳に情念の蒼い炎をちろちろと燃やしているのが
幻視できるのでございます。
ああーっ・・・たまりませんねぇ。

周囲の軽い女たちも見事に配置されていて
どっから切っても傑作のテイストが
感じられます。
久しぶりにファンタスティックでございます。
ikasama4
2010年04月24日 11:12
エリ様
そうですねぇ。
なんとなく葉奈が自分の子を施設に
入れざるを得ない状況になって
それを知った藤子が葉奈の子を引き取って
自分の子にしたのかなって思ったりもします。

>しかしさすがに自分がおばあちゃんになっていたかもと思ったら
>孫はかわいさが一桁違うそうですから、自制が効かなくなったとか?
もしかしたら、葉奈がシングルマザーになって
我が子を一人では育てる事が出来ず施設に預けたとかって
過去だったとしたら

奈緒も自分と同じ人生を歩んでいるのではという
思いがあったりするのかもしれません。

>今週も子役ちゃんが見事にかわいくてこの子に会うのも楽しみなんです。
同感です。
ikasama4
2010年04月24日 11:13
キッド様
こんにちはでございます。

尾野さんの色欲に走り子供に愛情を
向けないこの女性の描写が本当にいいですね。

彼女の存在があるから
娘がこのような行動に出るしかなかった部分と共に
彼女の母となって共に歩んでいく奈緒との描写に
力が注入されていきます。

今回の内容を見て
傑作になりそうな雰囲気を更に強く感じました。

これは毎日ゾクゾクしそうです ̄▽ ̄
2010年04月24日 14:48
>田中裕子さん演じる理髪師の客としてやってきた方を
>演じるのは高橋昌也さん。
いや~、これは気づかなかったです!
今写真で確認してビックリ。
そうですかぁ、もう80歳。

『新参者』での喜勢に続き、ありがとう(^人^)

>それにしても坂元さんの作品は今期二つもある訳ですが
そしてこれにもビックリ!NHK…
『チェイス』もそうだったんですね。
心配してた坂元さんもやるときゃやるじゃないですかぁ。オイ

>藤子と葉奈は55歳。
この二人が同じ年であって、この落差。
性格も全く逆のような二人に何があったんでしょうね。
そこも楽しみです。

「籐子」と「葉菜」。。。
「正確に言っておきたいのでっ」(・o・)ゞ(笑)
ikasama4
2010年04月25日 00:45
mana様
いっつもなんですけど
見た事のある人の顔に目がいくんですよねぇ。
 ̄▽ ̄ゞ

そして、なんか正反対のような作品を
同時期にやってるなんてとっても
坂元さんはすごいなと思いました。

>「籐子」と「葉菜」。。。
>「正確に言っておきたいのでっ」(・o・)ゞ(笑)
なるほど、そうなんですねぇ。

確かに公式HPではそうでしたね。

私、Wikipediaをそのまんま
鵜呑みにしてしまいました(; ̄∀ ̄)ゞ
2019年05月12日 10:50
When I initially commented I clicked the "Notify me when new comments are added" checkbox
and now each time a comment is added I get three emails with the same comment.
Is there any way you can remove people from
that service? Many thanks!

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