外事警察 第5話 「突入」

大和田団地に爆弾を所有して立て籠もるテロリスト
誰がどう対処するかで上層部は揉め
結局、SATが動き出す事となった。


全てはウラ=外事四課=住本によってもたらされた情報によって。



だが、その知らせに倉田理事官は違和感を持っていた。


住本自身も確証はないが
これは捏造された情報によって団地に誘導された
同時多発テロの可能性があると上層部に進言していた。


上層部のトップである
有賀警察庁警備局長は住本に尋ねた。




どれくらい時間が欲しい?


二日―――――。


遅い。一日だ。
今夜、午前零時を過ぎたら決行する。



分かりました。






住本はこの状況を打開するためにジュリオ・ロッシを逮捕する事に決めた。



その決断に住本の部下達は色めきたった。

いつもの住本さんらしくないと。

住本がおかしくなったのは
協力者「11907」を失ったからなのか
それとも、下村愛子を協力者にしたからなのか―――――。





下村愛子は電話で住本と話していた。




私はジュリオにおちたって本気で思ってる?
私を信用出来ないの?
じゃあなんで、私を協力者になんかしたのよ?


金なら払い続けてやる。それでいいだろ。
それとも捜査の混乱をさせて俺に迷惑をかけたいのか。


あなたは何も分かってないのね。




陽動作戦の確証が得られないまま、
時は刻一刻と流れSATの訓練で行われた
あの醜悪な状況―日本史上初のSATによるテロリスト殲滅作戦が
現実のものとなる。




住本はオモテに依頼してジュリオ・ロッシの身柄を確保しようとしたが
既にジュリオ・ロッシはあの店にはいなかった。

オモテ班の監視を掻い潜ってジュリオは姿を消した。


しかし、住本の中で疑問が残る。


ジュリオが姿を消したタイミングがあまりにも良すぎる。


どこからか情報が漏れているのではないか?


だとしたら一体誰が?




そんな風に考える住本を他所に時は刻一刻と流れていく。





それから間もなくジュリオ・ロッシから下村愛子に電話がかかった。



もしもし?
ジュリオ?ジュリオなの?
そうなんでしょ?
どこにいるの?


会いたい。愛子さんに会いたいです。

どこに行けばいい?

一人で来て下さい。待ってます。




松沢はその事を倉田理事官に報告した。


倉田理事官の考えでは
20488を囮にし、ジュリオ・ロッシが現われたトコロを確保するという。

松沢はその意見には反対だったが

倉田理事官は時間がなく
また、多くの人命がかかっているとして松沢の意見を退けた。



20488には300万円出すと言え。

運営する自信がないのか?


言葉に詰まる松沢。

身分と金を用意する。
ジュリオ・ロッシに別の身分を与え金は1億円払う。


そんな事が可能でしょうか?

ああ。


その後、松沢の前に
20488に300万円
ジュリオ・ロッシへの手付金1千万が用意された。


おまえにかかっているぞ。



そうして倉田理事官の部屋を後にして下村愛子の下へ向かおうとした時


松沢。


後ろから住本が声をかけた。

お前に出来るのか?
下村愛子の精神はもう限界を超えてる。
俺達がそうさせた。

もう使うな。

これ以上使えば彼女は壊れる。


そんなに彼女の事が心配ですか?
壊れたら壊れたで仕方ないじゃないですか。

国益を守るためです。
主任から教わった事です。



そう吐き捨てて松沢はその場を後にした。



その後、日本にテロリストが潜入しているとの
マスコミの情報が漏れ出してきた。


これを受けてSAT突入が2時間短縮され、午後22時決行となった。




そして住本が事務所に戻ろうとした時
かつて松沢の所轄時代の先輩だった久保田が渡辺昌代を連れてきた。



彼女は住本に尋ねた。



あの人、見つかった?

いつ帰ってくるの?


これ、ニケがあなたにって
お世話になったからって。

あなたを責めたりしません。

だから、だから、生きてるって

ニケが生きてるって言って下さい。



私も分からないんです。
彼がどこで何をしてるのか。

私も心配してるんです。
ニケが無事に帰ってくる事を信じています。




それが住本の今の精一杯だった。




そうして、ジュリオ・ロッシに会う準備を進める
松沢と下村愛子。


ふと愛子の携帯が鳴った。



住本からだ。



気付いているだろうけど
ジュリオはテロリストの一味だ。
俺の協力者も殺された。奴らは容赦しないぞ。
同じ目に遭ってもいいなら勝手にやれ。
俺の知った事じゃない。


自分だけ逃げるの?

私を引きずり込んだのはあなたよ。
勝手なのはあなたよ。





住本からの電話を終えた後
下村愛子の心はジュリオ・ロッシに会いに行く事は出来なくなっていた。


彼女は松沢よりも住本を選んだ。


なんであいつなんですか?

なんで私じゃダメなんですか?

私だってどんな事があったってあなたを守る覚悟でいるんです。



でも、私にはあなたが必要じゃない。
あなただって私が必要じゃないでしょ。




この時、松沢の心が折れた。



19:03

SATが大和田団地に到着した頃


松沢は下村がジュリオ・ロッシの囮になれる状況ではない事を話したところ



協力者運営は一度でも心が折れたら終わりだ。
彼女は協力者としてもはや有用性はない。
お前もだ。





その時、住本は夢を見ていた。


亡くなった父は言う。

「ダメじゃないか。『守ってくれ』って言ったのに。」


亡くなった母は言う。

「健司。あなた、なんて子なの。」


気が付くとあの時の幼い自分が自分の首を絞めていた。


その時、「田村さん」と声をかけた男がいた。


亡くなったニケだった。


「あなたは正しい。」


ニケはそう言ってくれた。



目が覚めた住本は
渡辺昌代から渡されたニケが自分のために買ってくれたという袋を見た。


その中には1枚の写真が同封してあった。

そこに映っていたのは一人の兵士の姿。




住本はすぐさま下村愛子の下へ向かった。


ハイノリだ。
別人の人生を乗っ取る。奴らの手口だ。

あいつはジュリオ・ロッシじゃない。
本物は既に死んでいる。

本物になりすまし用意周到に潜伏したテロリスト
それがあいつの正体だ。

おそらくあんたを殺せと命じられている。

それでも、それでもやってもらえますか?



下村愛子は笑った。
ずっと底なしの泥沼にいた。
あなたは突然現われて私を無理矢理そこから引っ張りあげて
救ってくれたの。



俺が?


騙されたからやってるんじゃない。
救ってくれたからやってるのよ。

あなたが望むならやるわ。




彼女の答えを聞くや、住本は陰に隠れていた松沢に声をかけた。



松沢。行くぞ。

お前の協力者だろ。



この時、松沢は住本と下村愛子が
自分よりも短い間でしか面識がないのに
自分よりも深い絆を築いている事を改めて痛感していた。




22:00
SAT突入の開始時間



ジュリオ・ロッシが下村愛子の前に姿を現した。



ジュリオは下村愛子の前に拳銃を向けた。


私、警察の人に頼まれてあなたと会ってたの。
ずっと騙しててごめんなさい。




ジュリオが言葉を発した。


お願い。助けて。



そして続けて語った。



殺してはいけない。
彼らはテロリストじゃない。




SATは大和田団地に立て籠もるテロリストに突入を行ったが
住本の情報により発砲は行われなかった。



あの団地にいたのはテロリストではなく
峰谷化学で働いていた外国人のアルバイト達だった。

そして、化学肥料にはケイ素は混ざっていなかった。

肥料は爆弾ではなかった。


つまりただの化学肥料を持って立て籠もっていた相手に
日本の警察はSATを突入させた事になる。



住本ら外事四課の面々は此度の不祥事を受けて謹慎となった。




そして、住本らは五十嵐が掴んだ情報によって
ようやく事態の全貌を把握する事となった。




テロリストなんていなかった。



アメリカの外資系でテロ対策警備会社・スペード社は
まだテロ対策のない日本の市場に目をつけた。


そこでテロ騒ぎを起こせば、自分達の需要と共に株価も上がる。


そう、全ては金儲けのためだった。


スペード社の顧問の一人・コンラッドは元CIAの人間。
そして彼は内閣官房長官・村松と通じている。


だとすれば、情報が簡単に流出したのも納得がいく。


その金儲けのために人が死んだ。

かけがいのない人の人生が奪われた。






住本の目が狂気で澱んでいく―――――。








終盤に来ての怒涛の展開。

国益を守るために1億円がああいう形で使われていたとしたら
もし、分かれば驚愕の事実ですが

それは国民には分からない

なぜならば、それが官房機密費だから



この展開だけでも、スゲェなぁと思う訳ですが


ジュリオ・ロッシがジュリオ・ロッシではないとはね。



まぁ戸籍を買って偽りの人生を生きているなんて
金さえあればどうにでもなる話でしょうからね。

それを見抜いたのはジュリオ・ロッシの経歴を調べ上げていた
外事四課の情報収集力に尽きるんでしょうけどね。




そして、テロリストの全貌が
不安を煽って自社の株価をあげようとする陰謀というのは

なんともあり得そうな話です。



現政権の不祥事とかを取り上げて
マスコミとしての有益性を図ろうとする報道のあり方も
そんな雰囲気がありますからね。




それにしても住本と下村愛子との絆

昔見たドラマ「永遠の仔」を彷彿とさせます。




さてさて、次回ですが

あの爆破に関して

住本は
コードネーム「FISH」と呼ばれるテロリストが自爆しました。

と、語り


松沢は
本当は住本なんです。

と、語り




この展開から考えると


おそらく、テロリストと呼ばれる方たちは
爆弾を爆破させるつもりはなかった。

それを住本は爆破させた、というトコロでしょうかね。



そして、もしかしたら
コードネーム「FISH」なるテロリストも
全部、住本が作り出した事なのかもしれません。


次回のタイトルが

「その男に騙されるな」

である事からそんな展開も十分に考えられます。



それから渡辺昌代に松沢の先輩刑事・久保田が付き添っていましたが

住本の調べによると久保田は
以前、幼馴染の風俗嬢に同情を使っていいよって
オイシイ思いをしたという事があったので

今回もそういうパターンになりそうな気がします。

となると、久保田は住本が行った非道を責め立てて
殴りつけてさえいましたが


結果的に住本と久保田、どっちが偽善者なのか
ってとこになるのかもしれませんね。




ともあれ、果たして爆破現場で見つかった女性の遺体は誰なのか

そしてどんな結末が待っているのか、とても気になります ̄▽ ̄

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この記事へのコメント

2009年12月13日 14:21
>コードネーム「FISH」なるテロリストも
全部、住本が作り出した事なのかもしれません
∑(゚ロ゚」)」そ、そんにゃ~?!
でも『その男に騙されるな』ですからね~
どっちにしろこの状況を黙ってみている住本じゃないだろうし・・
魔物住本がどう動くか、楽しみですよね~
今回、愛子の『あなたが望むならやるわ』にはシビれました。
それにしても、アメリカの一企業がこんなこと仕掛けてくるとは・・・
恐ろしい世界です・・・どう収拾つけるんですかね・・・
SFurrow
2009年12月13日 16:56
やっぱり女スパイを動かすのは男じゃなきゃダメってことですかね。鬼平と女密偵の関係とか見ても…本当に男女の関係になってしまうとまた難しいんでしょうけど、このへん何となくわかるような気も。でも住本とニケの間は同性でも絆が出来ていたわけで、これは「自分が役に立つ所を見てほしい」という気持ちが男のほうが強いからなのかな~
何にしても残されたニケの奥さんは可哀想です。久保田刑事が彼女に?って全然ノーチェックでした!すごい読みが鋭いですね。でも彼女はもう警察全体に不信感を抱くのではないかと思うので、下手に近づいたらヤバそうですね。
あと、住本の妻が「パパについて」娘にどんな話をしようとしたのかも気になります。
次回は最終回ということで、これまでの疑問が全てどのように収斂されていくのでしょう。先週住本が「一度や二度、テロが起きたほうがむしろいいんだ」みたいなことを言っていたのは伏線だったのか…ドキドキ。
ikasama4
2009年12月13日 18:54
きこり様
そうですねぇ。
どうも「FISH」とテロリストを偽装した男達とは
関連性がないように見えるんですよね。

だとしたら、それを言い出した人物が
一番怪しいと思うんですよね。

それだけに次回の住本の行動が気になりますね。
そして、下村愛子が住本にあんなに
感謝していたとは思ってもみませんでした。

>それにしても、アメリカの一企業がこんなこと仕掛けてくるとは・・・
金儲けという欲のために
色々と人は目がくらんでいくようです。
ikasama4
2009年12月13日 18:54
SFurrow様
>やっぱり女スパイを動かすのは男じゃなきゃダメってことですかね。
下手な同情はいらないってとこでしょうね。
同情が変な先入観を生んでしまうのかもしれません。

色々と言葉を選んで話すよりも

相手が望んでいるだろう事を与えるどうこうより
率直に言葉を語る方が、より絆を深める事が
出来るのかもしれませんね。

特に短期間で相手の心を掴むには。

とりあえず、次回は
久保田と渡辺昌代との仲がどうなってるのか
気になるトコロですが

住本の妻は「どれだけ」夫の事を知っていたのか
そこも気になるトコロですね。

もしかしたら五十嵐と住本の妻は
姉妹だったりして ̄▽ ̄ゞ

>先週住本が「一度や二度、テロが起きたほうがむしろいいんだ」みたいなことを言っていたのは伏線だったのか…ドキドキ。
どうしても、そんな気がするんですよね。
彼の場合、言葉だけに終わらない気がするので(; ̄∀ ̄)ゞ
キッド
2009年12月13日 23:13
ikasama4様、こんばんは。
さすが平幹ジュニアは
こういう薄汚れた心根の男を
さりげなく演じて絶品でございましたな。
この手の話は「ブラマン」にせよ「エスピー」にせよ
結局穴だらけのお笑いになっていくのですが
外事はここまで針に糸を通すように鉄壁の構成。
キッドは毎回、うひょーっと叫んでいます。
このまま最終回ものりきったら・・・大傑作。
ま・・・お茶の間に受けているかどうかは別として。
とにかく・・・日清戦争万歳で
外事警察も万歳でございます。
ikasama4
2009年12月15日 20:03
キッド様
こんばんはです。
次回、平さんをどんな風に
落としてくるのかがとっても楽しみです。

終盤に来ても衰えないどころか
更に重厚になっていくこの出来栄え

そして当初は住本のやり方に
反発していた松沢が

ここに来て尊敬するかのような
雰囲気があるんですが

次回では恐怖を感じているようで
そこでどんな主人公が見れるのかも
気になりますね。

>日清戦争万歳で
>外事警察も万歳でございます。
私は加えて渡部さんバンザイ∩ ̄▽ ̄∩

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