アイシテル -海容- 第9話

小沢清貴君のお母さんからの手紙

智也君。

清貴の母です。

あなたにどうしても伝えたいことがあって手紙を書きました。

困ってる清貴を助けてくれたそうですね。

ありがとう。

見て見ぬふりもできたでしょうに。

清貴にとってどれだけ救いになったか分かりません。

自分の家のトイレを貸してあげて、一緒にキャッチボールまで。

本当にありがとう。

それなのに清貴はあなたにひどい事ばかり言ってしまったようですね。

太陽のように明るくて元気な子に育ってほしくて清貴を育てました。

とても明るい人懐っこい子に育ってくれました。

でも、その明るさ故に遠慮なく思ったことをクチにしてしまったのかもしれません。

その結果、あなたを傷つけてしまってごめんなさい。

けれど智也君。

あなたが見た智也が智也の全てではないという事をわかってあげて下さい。


そんな清貴も小沢清貴であったという事をどうかわかってあげて下さい。

最後にお願いがあります。

未来を失ってしまった清貴に代わって
あなたは心から愛し合える人に出会って温かい家庭を築いて下さい。

あなたが愛し合える子供を授かった時
あなたは初めてあなたがした事がどんな事だったのか

知る事になるでしょう。




審判の内容を知って
智也君が清貴に優しくしてくれた事に感謝しながらも
智也君がした事の罪の大きさは今は全部理解出来なくても
いつか智也君が自分達と同じように子を持つ「親」になった時
自分が犯した罪の大きさを知る

それってある意味、命令でもありますよね。

「そうなりなさい」って

そうして罪の大きさを知った時に初めて「償う」事が出来る

これこそ、加害者側の家族が生きる指針であり
目指す道になっていくという事なんでしょう。




今回のメインのひとつは「これから」


自分達はどう生きればいいのか。



さつき達の場合

児童自立支援施設に送致される事が決まった智也君。
そこで専門のスタッフの下で更正が促されると言う。

いつになるかは分からないけど
スタッフの判断の下、智也君は親元に返される。



富田がさつきに語る。


でも、智也君の向かう道は決して平坦なものではない。

智也君にとって「これから」―――――未来は考えられなかった。

智也君は死刑になると思ってたんです。

この先の事は考えないようにフタをしていたと思うんです。


智也君にもきっと分かる時がきます。

お母さんが智也君を抱きしめた時
お母さんの愛情を智也君は全身で感じてました。

未来の自分を考えられるようになります。

そして自分が犯した罪がどんなものだったのかを。
この先も避けては通れない険しい道だと思います。

頑張って下さい。




そうして事件も終わった事で警察から智也君の荷物が返却される。

そこには智也を撮った写真が飾ってあるアルバムがあった。


空白のページを見てさつきは語る。

この先も増やしたい。

増やせるさ、きっと。

大人になった智也と
白髪頭になった俺と皺だらけになったお前と。

智也の未来もきっとここに。








そして、被害者達の「これから」


今回はこちらがメインって感じでした。



手紙を書いた聖子。

書かずにはいられなかった。

清貴は智也君が思っているような嫌な子じゃない。

その事を犯人に知ってほしくて。
どんな罪を犯したのか、知ってほしかった。

そうじゃないとキヨタンが可哀相。

でも、許した訳じゃない。

許せる訳がない。

ただ、審判の記録を読んで事件の事を知れば知る程
色んな思いが蘇ってきて。


私があの時、ランチに行かなかったら――――




それは美帆子も同じだった。

あの記録を読んでから色々考えちゃって。

だけど、犯人の子が思ってたように
私も同じような事、思ってたから

キヨタンばかり愛されてって。
だから、キヨタンなんてって―――――




そうして、自分の非を認めるというか
向き合えるというか

何かしら言葉にして吐き出すなりしてふんぎりをつけないと

前に進めないし
何より自分は幸せになっちゃいけないかもしれないって
思ったりしてしまう。


美帆子は自分の「夢」=「これから」を両親に言い出せずにいてしまう。

両親が苦しんでいるのに
自分だけが夢に向かって生きていいのかって。



そんな中でどうしても自分の気持ちにふんぎりがつけられなかった父親

飲み屋の親父さんに言われた一言。


人を怨んだ事も憎んだ事もある。

でも、怨み続けるって疲れるんですよ。

挙句にそんな自分が嫌になってくるんですよ。





それからパパさんは裁判所に行ってママが書いた手紙を読んだ。



妻は清貴を思って書いたのであって
私達家族は決して許した訳ではありません。


でも、奥様の手紙は加害者家族にとって指針となるべきものでした。
道しるべとなるものです。
もちろん智也君がした事は決して、許されるべきものではありません。



貴方に言っても仕方がない事ですが
いつかは帰ってくる子を持つ家族と
二度と帰ってこない子を持つ家族とでは全く違います。

そこのところを履き違えないでもらいたい。



ですが、親である立場に違いがあると思いですか。
少年の母親は子育てに悩み、苦しみを味わいながらも
子供の成長を誰よりも願っていました。

私も含めて完璧な母親の存在には程遠い存在かもしれません。

子供のために生きていく母親。
その親としての思いに違いがあるとお思いですか。



もっと相手が嫌なやつならよかったんだ。
もっと私達とかけ離れたやつならよかったんだ。

だってそうでしょう。
その記録を読めば読むほど
私達とたいして違わない家族だって事が分かった。

私はあなたのように出来た人間ではない。

妻は言った。
『同じ子をもつ母親として加害者の母親の気持ちが分かる』って。

私はその妻の気持ちが分かりたくないんです。

この先もずっと続きます。
私が家族を守るためにすべてを忘れるか

憎しみを抱え続けて生きていくか、それ以外方法がないんです。



御主人の目的と奥様の目的は同じです。

奥様は奥様なりに清貴君の死を懸命に乗り越えていこうとしてるんです。





おそらくお父さんはその自分の恨みを
加害者の家族を前にしてどうしたらいいのか

自分がどんな風になってしまうのか怖かった。

そして結果的に逃げ出してしまった。


一方で加害者の部屋を前にして
何も出来なかった自分が許せなかったんでしょうね。

その苛立ちを富田さんにぶつける事が
今のパパの精一杯だったんでしょうね。



その事を打ち明けた事で
パパもまたようやく自分の気持ちに区切りをつけられたようです。




美帆子が獣医になりたいと聞いてパパとママが語り合う。


日に日に子供は成長していく。
階段を駆け上がるように。


それが大人になるって事じゃないか。

この先も節目節目で寂しい思いを積み重ねていくんだろうな。

大学に行って獣医になって結婚して子供を生んで
ママもパパもあっという間におばあちゃんとおじいちゃんだ。

でも、美帆子の子が7歳になったとしても
きよたんは今のままなんだな。


私達の時間は過ぎていくのにね。


ここに
いつかは帰ってくる子を持つ家族と
二度と帰ってこない子を持つ家族との違いが如実に表れています。




そして最後は再び小沢聖子の手紙です。



何をどうきりだしていいのか
今でも混乱しています。

激しく罵りたい。
怨みの言葉をぶつけたい。

そうできずにいる自分がいます。

智也君のお母さん。
私はきよたんママと呼ばれていました。

私達は野口さつき、小沢聖子である前に智也君ママでありきよたんママなんですよね。

思えば私達母親はなんて割の合わないものなんでしょう。

子供のために自分の時間を犠牲にしてどんなに尽くしても母親ならば当然
それでいて周りはそんなことには無関心です。


そして、たったひとつのミスで奈落の底に突き落とされる
私にとってはあの15分がそうでした。

それまでの何万時間の時をかけて積み重ねたものが
たった15分のせいで何もかも消えてしまいました。

たしかに清貴の命を奪ったのは智也君です。
でも、何故もう少し早く帰ってこなかったのかという内なる声は
自分を責め続けています。

きっとあなたもそうなのではないでしょうか。

あの時、声をかけていれば。

あなたはその思いにずっと苦しめられているのではないでしょうか。

でも、私は知っています。

子供がいつまでも子供のままでいてくれないことを

いつかは大人になり自分の道を突き進んでいくことを。

そして、いつか気付かされます。
自分は決してよい母親ではなかったという事を。



私達家族は一生清貴を忘れません。

どんな事があっても。
その事だけは忘れないで下さい。


最後に付け加えさせて下さい。

あなたと私は加害者の母、そして被害者の母ですが

でも私は思うのです。

私達二人は嘆き悲しむ母という姿をまるで鏡に映してるのではないかと。














最後の二人の母親の対峙は息詰まるものがありました。




ドラマは終盤にきて「これから」を描きますが

一方で自分が以前からちょこちょこと書いていましたが加害者と被害者

立場は違うけど同じ「母親」

その姿を描くようになります。

この事件を通じて
「母親」になるという事がどういう事なのか。
その怖さとその喜びの大きさを描いてきたという事なんでしょうね。


あまりこの辺を書くと最終回で書くネタがなくなるのでこのあたりにして(; ̄∀ ̄)ゞ


こうして聖子さんの手紙を読むと
「親」って大変な事なんだなぁとつくづく感じます。


改めて、ここまで自分を育ててくれた自分の両親に感謝感謝です。


さて、次回は最終回。

・・・・・ウラで見てた「臨場」が9:30スタートでカブるんですけど(; ̄∀ ̄)ゞ

とりあえずどっちを録画しようか只今迷ってます(; ̄∀ ̄)ゞ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

みのむし
2009年06月11日 07:53
それぞれの考え方が出てた回でしたねぇ。
パパさんも恨んでばかりいられないと
少し前進した感じがしてよかった。
許すことは絶対にできないだろうけど
そればかり考えていてもはじまらないですもんね。
2009年06月11日 13:19
今週は親としての立場に違いなどないと言い切った冨田さんに共感。
みんなよかれと思って一生懸命に子育てして、
結果として事件が起きてしまったというのがあるわけで。
誰にもあることだから苦しみも悔やみも続くのですね。
小沢家パパも少し前進できたのですね。
思い切って気持ちをぶつけられたのが良かったのですね。
>改めて、ここまで自分を育ててくれた自分の両親に感謝感謝です。
私も本当に思いましたわ~。
何事もなく無事にこれてありがとうってところです。
ikasama4
2009年06月12日 20:58
みのむし様
そうですねぇ。
立場によってそれぞれに思うところは同じですが
ようやくきよたんパパも前に進めるようになったみたいです。

ホント、怨み続けるって
疲れるし、周りの者も巻き込んでしまいますからね。

何にしても「これから」は
あの時起きた事件について少しでも「考える事」をやめる事で
ようやく始められるのかもしれません。
ikasama4
2009年06月12日 20:59
エリ様
子供を傷つけてしまった後悔とその苦しみは
子供を生んだ母親だからこそ分かりえるようで。

キヨタンパパは
自分の葛藤を口にして家族を傷つけてしまうのが怖いから
飲み屋の親父とか富田さんとかにぶつけてしまうんでしょうね。

その気持ちも分かりますね。

でも、これでようやく全員が「これから」に向かって
進む心持になったみたいですね。

>何事もなく無事にこれてありがとうってところです。
ですね ̄▽ ̄
親になるという事はどういう事なのか
親がどんな思いで子供を育ててきたのか

この作品を見てると親に「ありがとう」って
言いたくなります ̄▽ ̄
2009年06月13日 10:23
あの飲み屋の親父さんがいいですね~。
前回同様、佐野父さんの葛藤を上手く見せて貰えますし。
詮索しない親父さんの言葉がまた胸を打ちますわぁ。
男として、父親として家族を守ろうとしてる
秀昭の心情に引かれます。
加害者側の方が年齢が若くて良かったです。
逆だったならどうだったんだろうって…
きっと和也は初回の和也のままなのかな。

ikasama4さんの読みの鋭さに毎度感心します。
智也へ手紙を書いた聖子の気持ち。
普通は何て優しい人なのって、
お涙頂戴で終わってしまう所でしょう。

>それってある意味、命令でもありますよね。
聖子の本当の気持ちですね。
恨んでも憎んでも、きよたんは帰って来ない。
どうすることがこの苦しみから逃れられるのか…
ラストの聖子の表情が、次回を期待させます。
ikasama4
2009年06月13日 12:33
mana様
飲み屋の親父さんは
今まで佐野さんみたいな人を多くみてきたんでしょうね。
そうした経験を経て今回の立ち振る舞いに繋がってるんでしょう。

一方で父親としての苦悩を家族に話せない佐野さん

自分がこんな事を家族に話すと
家族を不安にさせてしまうから

そうした思いがあったんでしょうね。


聖子の手紙は優しさもあるかもしれませんが
自分が犯した「罪」の重さと
被害者の家族に与えた「苦しみ」を味わうには

被害者の家族と同じように「親」になる事でしか
分かりえないという事で

親になるようにと言ってますからね。

でも、そこに辿り着くまでにも
自分が「親」になっていいのか
苦悩がありそうですしね。

次回、どんな風なラストが待っているのか
とても気になります。

この記事へのトラックバック

  • アイシテル 海容 九話

    Excerpt: もう来週最終回なんですねぇ。 最初から最後まで重いドラマで考えさせられることいっぱい。 判決の日、聖子から智也にあてた手紙が読まれる。 自分の息子がたとえ、一人であったとしても その一人、.. Weblog: Simple*Life ドラマ感 racked: 2009-06-11 07:51
  • 『アイシテル~海容~』 第9話

    Excerpt: 聖子が書いた智也への手紙を読み上げる富田調査官。〈…困ってる清貴を助けてくれたそうですね。ありがとう。… それなのに清貴は、あなたに酷いことばかり言ってしまったようですね。… けれども、あなたが見た清.. Weblog: 美容師は見た… racked: 2009-06-11 16:48
  • 《アイシテル~海容~》#09

    Excerpt: 智也の審判が結審した。それに先立ち、被害者家族からの手紙が富田から読まれた。 被害者の小沢清貴君のお母さん、聖子からだった Weblog: まぁ、お茶でも racked: 2009-06-12 08:06
  • アイシテル~海容~ 第9話

    Excerpt: おっと。。。来週の予告がない。最終回だからかな。 感想難しいホント、難しい。 最終回を前にして、海容って何だろう?ってわからなくなってきちゃった。 加害者よりな脚本に、今回はすんなり頷けなかった.. Weblog: アンナdiary racked: 2009-06-13 20:38