風のガーデン 第10話

ここ最近同じ夢ばかり見る。
真っ暗な世界。

ふと遠くに光が見える。

そこから声がする。

「こっちは楽だぜ」


私はその光が差す方に向かう。


「空気は上手いぞ」


そして――――――。


目が覚めた途端、私の身体を痛みが走る。


痛みの間隔が短くなってきている。




そんな折、私の下に父がやってきた。







うちに戻る気はまだならないのか。


まだ、ここにいさせて下さい。
いずれそうさせてもらいます。



実はお前に報告がある。

甚だ急な話なんだが実はお前に黙っていた。

ルイは近々結婚する。

9月3日だ。水曜日だ。

伏せていた事は許してくれ。

おまえのこういう状態を知って
今まで迷ったが言い出せなかった。

相手は毎年富良野に来る石原養蜂の倅だ。

二人共若いが愛し合っている。

9月の半ばには彼は富良野を離れるから
それまでに式だけは挙げておきたいそうだ。

『いい』と言ってしまった。

独断で許可した。勘弁してくれ。

ついてはおまえに頼みがある。
式って言ったって大仰なもんじゃない。

式は神様も呼ばんし身内だけでやるよ。

その時、ガーデンの花の中の道を
あいつと腕を組んで歩いて欲しい。

大仰な事はしない。

ただ歩くだけでいい。

それがルイの夢だった。

でも、それを言い出せなかった。

俺がお前を許さなかったからだ。

全ては俺の狭量のせいだ。

あいつにプレゼントしてやってくれんか。

あいつと腕組んでバージンロードを―――――。




父さん。分かりました。
喜んでやらせて頂きます。



そりゃうれしいね。
あいつも喜ぶと思うよ。


私は既に気が付いていた。

父さん、ひとつだけ教えて下さい。

ルイは私の命の事、知っているんでしょうか。
知らないんでしょうか。



いや、言ってない。


そうですか。安心しました。
喜んでやります。やらせて下さい。


ルイも私の病気の事を知って
そして私のためにルイも父も芝居を打っている。

それで父や娘は
私が喜んでくれると思っているからだ。

それならば私はみんなの好意を無駄にしないためにも
騙されたフリをする。


それが今の私の生き甲斐なのでもあるのだから。



式が終わったらうちに帰ってくれ。


分かりました。


それからこれは岳の事なんだが
上原ファームで手伝いをしに行く事になった。

岳にはルイの結婚の事は知らない。

結婚するという事はいずれこの地を去るという事だ。

ルイがこの地を去るという事を
岳に説明するには時間がかかる。

その事には触れずに
岳とさりげなく別れてやってくれ。



分かりました。

父の言う通りだ。

岳には父は死んだ事になっている。

そんな父が突然目の前に現れたら。

岳は二度父に死なれた傷を負う事になる。

だから岳には

私は最後まで「ガブさん」でいようと思う。



ただ、ひとつだけ

岳に覚えていて欲しいことがある。


父さんが好きな花はあの黄色い花だと―――――。















その舞台裏では自称・三流のドラマの脚本家のおじいちゃんと
衣装担当の床屋のエリカさんとロケ地手配担当の孫娘のルイちゃんが

あれこれと四苦八苦しております。


なんか実際のドラマの舞台裏をちょっと垣間見たような気分です(笑)


それから石山さんちの倅にも事情は説明したみたいですが
彼の方から彼のお父さんに報告するとまた怪我をして大変な事になるって
おじいちゃんは言ってましたが

あのエンディングを見る限り
おじいちゃんの予想は的中でした(笑)


それにしても昔は悪い事散々やってた修君も
あの女性二人の前にはカタナシです。



式だけだよ。初夜はなしだよ。

どうしても初夜がしたかったら
おばさんがしてあげてもいいから。




あの時、なんとなくおじいちゃんの

あぁ~(;´Д`)

ってため息が聞こえてきそうでした(笑)




それと「カンパニュラの恋」


以前、このドラマを見た後
NHKの歌番組で平原さんがこの歌を歌ってました。


これが大ヒットしているかどうかは(つ´∀`)つおいといて


彼女の歌声を聴いていると
切なさと共に風のガーデンの光景と
緒形さんや中井さんの笑っている顔が浮かんできます(T▽T)



それから岳を見送る貞美の姿。

手を頭の横につけて動かしていました。



それを終えて手を戻す姿。


その動き一つ一つが美しいと感じさせるものでした。

あの時、貞美はどんな顔をしていたのか
分からないくらいの距離感。


あれは今回の中で一番好きですね。





そして次回は最終回。


とうとうこの日がやってくるんですね。


これが最後の緒形さんの仕事ですね。



今回、ルイが本当の事を言えない事に
「父さん」を騙しているみたいでつらいという言葉にたいして


いずれ「父さん」も気付くでしょう。

あえて今言う事はないと思います。

こういう事は自然に任せましょう。




この「父さん」っていうのが
ドラマのスタッフや緒形さんのファンという事に置き換えてみると

この台詞には緒形さんの思いが詰まっているんじゃないかと思えてきます。



何せ、「最期は家族に囲まれて」


これが報道や新聞とかに書かれていた
緒形さんの最期そのものなんですよね。


そう考えると緒形さんが亡くなった事は悲しいけれど
緒形さんは幸せな最期を迎えたのでしょう。

だから、その事には笑顔で見送ります。




でも、次回になれば私は間違いなく泣きます(T▽T)

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この記事へのコメント

2008年12月12日 01:17
岳との別れは切なかったですね。
黄色い花が、これからはガブさんの代わりに
岳を見守るのでしょうね。

私も岳が乗った車を見送るガブさんのシーンが
心に残ります。

来週は、間違いなく泣くでしょうね(; ;)
ikasama4
2008年12月12日 12:56
くう様
父と名乗れない息子とのシーンは
たまらんかったです(T▽T)

遠くに見えるガブさんの姿
あれは富良野の風景と相まって
とてもきれいだけど切ないというか
悲しい色を見せてくれます。


>来週は、間違いなく泣くでしょうね(; ;)
それでは共に泣きましょう(T T)
もも
2008年12月12日 17:08
緒形さんの台詞の一つ一つに涙があふれる思いです。
もっともっと見たかったやさしい笑顔ですね・・・
私も↑仲間入り^^;です。
ikasama4
2008年12月13日 09:13
もも様
緒形さんの台詞ひとつひとつが
これまで緒形さん自身が歩んできた道のように見えて
ドラマなのにドキュメントみたいな
感じに見えてしまいます。

>私も↑仲間入り^^;です。
ヽ(T∀T)人(T∀T)人(T∀T)ノ
しとろえん
2008年12月14日 10:04
>あれは今回の中で一番好きですね。
妖精が大人になって消えていく前の仕事をやり終えていくようなそんなはかなさ、美しさが含まれていたシーンでした。あそこは岳とのシーンの集大成でしたねえ。いろいろな積み上げが完成する瞬間を目の当たりにするとき、お互いの距離に言葉はいらないのだと、画面も無言で語り、我々にも無言で語られる そんな場面でした。

あとラジオから唐突に流れる主題歌は震えましたねえ。シビレました。
まさに感情移入ができるほどにいろいろなものが駆け抜けるようなそんな瞬間でした。少なくとも、ドラマ史に残る、緒方さんの経歴の最後の仕事にふさわしく輝く珠玉の作品であることは間違いないですね。
ikasama4
2008年12月14日 16:22
しとろえん様
今までのひとつひとつの積み重ねが
ここで集約されていますね。

ああいう人と人との思いが通じ合うような姿は
言葉で形容できるものではないし
言葉なんていらないなって感じさせられます。

また、そういう思いを感じれるうちは
自分もまだ大丈夫かなって思えます(; ̄∀ ̄)ゞ

>あとラジオから唐突に流れる主題歌は震えましたねえ。シビレました。
「カンパニュラの恋」これも伏線が効いてましたね。

緒形さんはなんとなくですが
自分の人生をそのまま演技に投影させている感じがします。

そう思うだけで物語の輝きが変わってきます。

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