キャットストリート 第3話

あの夜、私は生まれ変わった。
その夜はそのままヤキソバパーティーになった。



多分、私達は世の中からすごくズレてて
いつも外の世界におびえてる。


でも、私は一人じゃない。


一人ぼっちで震えていた7年前の恵都に見せてあげたい。

友達に囲まれて笑っている私を。






「フリースクール?」








自宅に戻った私はフリースクールの事を両親に切り出した。

両親は私の友達から
私がフリースクールに行っている事は知ってたみたいだけれども
私がそんな事を言う事に驚いていた。


「なんでそのフリースクールに行きたいの?」


友達がいるから。


「お父さん、お母さんに気を使ってじゃなくて?」



―――――行きたい。行きたいです。




両親は私がフリースクールに行く事を了承してくれた。






翌日、私は紅葉や剛太、浩一と一緒に歩いていたら



大洋に出会った。


よぉ。


こんにちは。


胸がドキドキする。


大洋は私と二人きりで話がしたいって言ってた。



私は大洋の申し出に応じた。





いやぁあのさ。
紅葉ちゃんに頼まれたんだ。

あんまりあのコンビニに二人で来ないでくれって。


俺は断った。
これからも青山とは友達として付き合いたいって。
そんな不自然な事はしたくないって。


それでいいよな?




うん、それでいい。


話は私がフリースクールに通ってる事に変わった。

とりあえずフリースクールに行く事に決めた。


でも、私は勉強とか出来ないし
何してもいいか分からない。


人に出来ない事が出来るじゃん。

大洋は笑っていた。

どっちかというと頼りないやつだったし目立たないやつだった。

子供なのにプロの顔をしててキラキラしてた。
これからもきっと出来るよ。



大洋から自分にはこんな風に見えていたんだ。

なんか嬉しかった。


じゃ。

大洋は私に手を差し伸べた。

うん。

私は大洋の手を握った。

ガンバレよ。


うん。


そして大洋と別れた。


私は彼の後姿を見つめていた。


なんか―――――






『カッコいいなぁ。やっぱり。』

とか思ってんだろ。



そこには浩一がいた。


聞いてたの?!


また迷子になられたら困るからさ。



―――――そうか、心配してくれてたんだ。


私はその場から立ち去る浩一の後についていった。








それから私の行動に触発されたのか
紅葉が自分の好きな人に告白をしに行くと言う。


彼女は学校って名のつくとこで1個もいい思い出がなかった。


でも、今はフリースクールで好きな事をして生きている。


彼女は今の自分が好きなことを好きな人に堂々と見せてやりたいって言ってた。


私は好きな事をもってる紅葉が輝いて見えた。








紅葉は一人で好きな人のとこに会いに行った。

公園の噴水で待ち合わせすると言ってた。



私はちょっと心配だったので剛太と一緒に様子を見に行く事にした。








そして、紅葉がいた。


でも、いつもの紅葉はいなかった。


たくさんの学校の生徒に囲まれてた。


そして噴水の中に突き飛ばされてずぶ濡れになった。


周りの人達がいなくなった後



私は剛太と一緒にずぶ濡れになりながら紅葉の下に駆け寄った。



カッコ悪いね、私・・・・・
やっぱダメだ。元気でないや、勝負服じゃないと。






翌日、紅葉はスクールに出てこなかった。




私は剛太と浩一と一緒に紅葉の家を訪ねた。

ありがとね。


彼女は布団にくるまっていた。


紅葉の母親曰く嫌な事があると湿疹が出るらしい。

彼女が姿を見せないのはそれを見られたくないからかもしれない。


大丈夫?


そのうち直るから。
だって、あいつ最低なヤツだったから。
あんなヤツのために泣いたり熱出したりしてるの
バカみたいじゃん!!







紅葉は一生懸命この服を作ってた。

こういう服を作るのが好きだから。

彼女は自分の好きな事を一生懸命やっている。

なのに。

それなのに。









私は紅葉をあんな目に遭わせた男に復讐を考えた。




行動する度に自分は不安な思いでいっぱいになる。




大丈夫、私は女優だ。
そう思ったら何だってできるんだ。




そう思う事で私はこの男に近付いた。



ふと、男がある女性の話題を切り出した。

高校を退学したヒッキーだと言ってた。


そして、彼は携帯を取り出し
そこに映っている女性を私に見せた。



それはあの公園の噴水に突き飛ばされてずぶ濡れになった紅葉だった。



その瞬間、私の心の底で怒りが弾けた。












私はこいつを紅葉と同じ目に遭わせた――――――。












それから、私はこいつに襲われそうになった。
そこに警察が現れてこいつを逮捕し

私は事情聴取を受けた。


警察が動いたのは浩一と剛太が先回りをして通報したかららしい。






私は浩一と一緒にスクール長の家に行った。




バカじゃないの、お前。



浩一は私を叱った。



殺してやりたいって思った。

家にひきこもるようになってから
自分の気持ちを外に出さないようにして生きてきた。

なるべく色んなことを感じないように。
でも、さっきスゴイ怒りを感じた。

紅葉のために復讐してやりたいって思った。




怒りを吐き出すのは悪くない。
でも後先を考えないとな。

浩一と剛太が駆けつけてなければ自分がやられてたかもしれない。




スクール長が私に優しく語りかけた。



ふと、目をやると子供の写真が見えた。


スクール長の息子さんの写真らしい。


浩一曰く息子さんは5年前になくなったらしい。

彼はいじめに会ってひきこもりになった。

そしてある日、昔いじめられてた人にあって
彼は一人で立ち向かっていったらしい。


おそらくスクール長がこのフリースクールを作ったのも
ここが始まりじゃないかって。



そして浩一は私に語りだした。




暴力に暴力で向かっていってもむなしいだけだ。

おまえ、紅葉のためって言ってたけど
本当はそうじゃないだろ。

自分のために復讐したかったんだろ。

世間っていうか。
自分を無視したりおさえ付けてきた連中に。


そういうの無意味だから。



浩一が言うことは全て当たっている。
でも、それだけに余計に腹が立ってきた。


じゃあどうしたらいいの?
バカにされて震える程悔しい時って浩一にはないの?





あるよ。あったよ。俺にも。
でも、どうすりゃいいかは自分で考えろ。






そう言うと浩一は帰っていった。






明くる日。私はある舞台のオーディション会場に足を運んでいた。
7年前までよく来た場所。


そこからもう一歩踏み出す事は出来なかった。
私は怖くなって逃げ出してきた。


何故、ここに来たのだろう。


もうウンザリだと思っていたのに。


『私の夢は女優になる事。』

情けないけど今の自分には昔やってた事しかない。

それ以外で
何かしないといけないと思うのだけど
何やっていいか分かんない。



そこで浩一は自分の過去を切り出した。



昔、浩一はサッカーをやってたらしい。

サッカーは上手い方だったらしい。

そこで彼は天狗になってた。

「バカだ。クズだ。」って周囲を蔑み罵った。

そして言い過ぎて恨みを買った。



俺は悪かった。

周囲を蔑んできた言葉。

それは自分が親からずっと言われ続けてきた事。

自分が言われて嫌だった事をいつのまにか彼は人に言いまくってた。

紅葉や剛太がいじめてたやつらと同じ事を自分もしていた。

そして大怪我をして
この世でたったひとつ得意だったサッカーを奪われた。

話し相手はパソコンだけ。

そういう最低なヤツだ。




今は違うじゃん!


思わず言葉が口を突いて出た。



そうだな。
今は違う。

でも、ちょっと油断すると怒りとか憎しみとか
グルグル渦巻いてそれに飲み込まれそうになる。

そして人をバカにしたくなる。

でも、それに負けちゃダメなんだよな。


敵は人じゃないんだ。自分に勝たなきゃ。



そんな浩一の言葉が
ちょっとずつだけど自分が前を向いて歩けるようになった。



お母さんとも向き合う事が出来た。



遊園地に行く事も出来た。



全てが新しく見える。



自分の前にたちこめていた霧が晴れて
ささやかな光が差し込んでいた時



そんな時だった。
あなたがもう一度私の前に現れたのは―――――。













このドラマでは物語の構成とか秀逸なところは色々とありますが
今回、上手いと思える演出のひとつがナレーションです。


前回もそうだったので既にお気づきの方もいるとは思いますが


暗い影がある時には谷村さんが

そして生まれ変わってから希望が見える感じの時とか
再びの悪夢に出会った時とかは美山さんが

それぞれナレーションをしています。



そして二人の恵都のナレーションを使い分ける事で
ドラマの雰囲気を盛り上げてくれてますね。




それにしてもここでまた田中圭さんが出てくるとはΣ(゚д゚ノ)ノ


これは意外なキャスティングですね。



それから恵都の漢字の勉強で

「有象無象」⇒「あるぞうないぞう」

「沢山」⇒「さわやま」


これがどこぞのドラマで成績トップクラスを演じてたかと思うと
ちょっとおかしかったです(≧∇≦)


そして、紅葉の復讐のためとはいえあの服装ですからね。
すごい女優魂です。

というか、毎回あの服装で登場して欲しいです(〃▽〃)ゞ



今回は浩一の
『暴力に対しても暴力で向かっていってもむなしいだけ。』

そして

『敵は人じゃないんだ。自分に勝たなきゃ。』

この言葉が胸に響きました。

彼が身をもって経験したからこそ、その言葉に重みがあります。


この言葉をもっと早く、明日のドラマの主人公に聞かせてやらいたかったです(; ̄∀ ̄)ゞ





さて、次回の予告で浩一の台詞。



『自分のためだと思うならやればいい。』

『逃げんのか。そうやって一生。』


ここが次回、どのようなシーンでそのように使われてくるのか


ここをチェックするのも楽しいですね。


奈子ってなぁんか嫌な感じでしたが
そんな彼女を前にして恵都がどうしていくのか

ここに彼女の成長が試されるのかもしれませんね。

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この記事へのコメント

2008年09月12日 00:51
>この言葉をもっと早く、明日のドラマの主人公に聞かせてやらいたかったです

うんうん。解る解る(・・)(。。)
じゃあ、田中圭くんから伝えて貰いましょう♪

登場人物の心に引き込まれそうなドラマです。
恵都は復帰できた時、やっとトラウマから解放されるのかしら。。。
今日の言葉通り、奈子に勝つのではなくて、自分に勝っていく
恵都の姿が楽しみです。
応援したくなるドラマですね。

2008年09月12日 13:40
へぇ~~~!!!美山ちゃんがナレーションを!?
次からは耳ダンボで聞かなきゃデス♪
恵都の事をさりげな~く見守る浩一がいいですわー。
そして、肝心な事は自分で考えるようにさせてるし!
まるで保護者のよう(笑)。
友雄も浩一のような友人がいたら、復讐しようなんて
思わなかったかもですねぇ・・・
それにしても、引きこもり生活で地味な服しか
持ってなさげな恵都なのに、あの誘惑ルックは
どこで調達したのやら(笑)。
ikasama4
2008年09月13日 14:05
くう様
>じゃあ、田中圭くんから伝えて貰いましょう♪
その前に山野に・・・・・(´Д⊂グスン

壊れた心を共に分かり合える者同士
癒しながら前に進んでいく

そこを丁寧に描いていくから
登場人物の思いにハマります。

自分も恵都のこれからを応援してます(; ̄∀ ̄)ゞ
ikasama4
2008年09月13日 14:05
まこ様
>次からは耳ダンボで聞かなきゃデス♪
是非そうして下さい(≧∇≦)b

ホント浩一は恵都の保護者のように
接してきてますね。

もしかしたら恵都の中に
かつての自分を見ているからなのかもしれないですね。

>友雄も浩一のような友人がいたら、復讐しようなんて
>思わなかったかもですねぇ・・・
ホントその通りですね。

>あの誘惑ルックは
>どこで調達したのやら(笑)。
それは・・・・・謎です(; ̄∀ ̄)ゞ
2008年09月17日 17:30
遅くなりましたが・・ちょいとお邪魔しました。
>これがどこぞのドラマで成績トップクラスを演じてたかと思うと
ちょっとおかしかったです(≧∇≦)

アハハハ!そうだった。東大が滑り止めで、慶応医学部志望だったっけ。
すっかり忘れてしまうほど、美月=恵都のイメージでございます。

谷村美月と初対面篇|太田隆文監督の映画「ストロベリーフィールズ」製作日記に、3年前の美月ちゃんについての絶賛記事がございました。
もしご存知だったらご容赦。
t-ota.blog.so-net.ne.jp/archive/c45416260-1



ikasama4
2008年09月17日 20:27
飯綱遣い様
すっかりお気に入りのHNですね( ̄▽ ̄)

やっぱ上手い役者さんは
以前演じたキャラの色を全く感じさせませんね。

彼女は目だけでその場の空気を変える事が出来ますね。

そして情報、どうもありがとうございます。
彼女に関して絶賛する記事はホント多いですね。

二十代、三十代とどのような女優さんになっていくのか
今からとても楽しみです。

とっても気が早いですけど(; ̄∀ ̄)ゞ

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