篤姫 第26話 「嵐の建白書」

家定との一時
彼が私のために持ってきてくれた菓子を食べる。

―――美味しい。


そうじゃろう。ポルトガルより伝わりし菓子じゃからな。


それにしても、まだ殿はうつけのふりをなさっているのですか。


そうじゃが。


そろそろ、うつけのフリはお止めになられた方が
家来の者は上様を侮ってしまうのではありませぬか?



逆ではないか?
うつけとばかり思うておったわしが
いきなりまともになってしもうては皆のものはわしの前にひれ伏すであろう。


・・・・・・嘘じゃ。



は?


まぁ今はただ自然の流れに任せるだけじゃ。いざという時のために。

そう言えば御台は将軍の話はしとうないか。



―――しとうありませぬ(> <)


美味いものを食えば、よい考えが浮かぶかもしれぬ。


そして二人は再び同じ時を交わす。





しかし、時代は二人の仲を引き裂こうとしていた。




紀州派の筆頭・井伊直弼は本寿院と接触
これにより大奥と紀州派の幕臣達の共同戦線が張られた。

これで紀州派が大奥に足をすくわれる事はなくなった。



しかし、もうひとつの問題が起きた。



京の帝。



幕府はアメリカとの通商を日延べするために
京の帝の許しを得てからにしますと言ったもんで

まぁ京の帝は
幕府の言葉には逆らわないだろうと思っていた堀田さんは
簡単に考えていたみたいですがね。




それから間もなくして薩摩が動き出します。



薩摩藩主・島津斉彬が幕府に建白書を提出。


そこに書かれていたのは国を開く事。

そして将軍継嗣として一橋慶喜を擁立する事。




水底に沈んでおった島津がとうとう浮かんできおったか。








これは外様大名が幕府に対して意見をしたばかりでなく
自ら一橋派である事を公言した事になり

そして自身の親類―――すなわち篤姫もまた一橋派である事を公言した事になる。



斉彬が幕府の表舞台に浮上してきた事による波紋は大奥にも幕府にも及んだ。







その夜、家定は篤姫に呟く。

運命の巡り合わせとは皮肉なものじゃのぅ。
時が来たという事かもしれぬの。
上手く国開くやり方を考えねばならぬのぅ。


そう言えば老中の堀田は帝に通商の許しを得るために
京に向かったようじゃ。

帝の許しを得れば問題なかろうと。



しかし、天子様は大の異人嫌い
事がそう容易に運ぶとは思えませぬ。



それはそうと御台には別の悩みが生じたようじゃな。
建白書は見たぞ。

島津の父上もいよいよ動き出さねばならぬようじゃの。



父を追い詰めたのは私のせいでございます。


御台のせいでもありわしのせいでもある―――か。


そして篤姫は改めって家定にお願いをする。

どうか次の将軍を慶喜殿にしては頂けませぬか。


つまり、そちは薩摩の父の思いに従うという事じゃな。


違います。


どう違う?


それは―――――これは私の考えにございます。


それはあの時、わしに言った事はどうなのじゃ。
『慶喜より慶福の方がふさわしい。』
あの時の言葉は嘘なのか。



それは――――

言葉に詰まる。



もうよい。
今宵はもうこれまでじゃ。

そなただけは信じるに値する女子じゃと思うておったのじゃがな。



そうして家定はその場を去っていった。







その頃、将軍継嗣の争いの舞台は京で行われていた。


島津斉彬の家臣・西郷吉之助は
福井藩主・松平慶永の家臣・橋本左内と共に一橋派擁立に奔走する。

まず第一に公家達と親交がある僧侶・月照と接触

そして通商の許しが得られず往生している堀田正睦に対して
通商の許しを得られるようとりはかるので
その代わりに一橋派になるように画策。

そして島津家と親交のある公家・近衛家に対しても
朝廷から将軍継嗣においては一橋慶喜にすると進言してもらうように進言します。


そこでお願いしたのは
将軍継嗣としては朝廷から「英明・人望・年長」
この三つの言葉を幕府に勧める事。

ポイントはこの三番目の「年長」

将軍継嗣に関して
慶喜と慶福とで争われる中
慶喜にとって一番有利なのがこの「年長」だったからである。


そんな風に奔走していくのですが、その点においても紀州派が上をいっていた。


井伊直弼は腹心・長野主膳に命じて
彼と親交がある公家に対して手を回した。


その公家というのが九条尚忠

当時、九条尚忠は関白であり、右大臣でった近衛家よりも位が上。


そういう訳で将軍継嗣の意見は封じ込められてしまった。


近衛家や月照に出来たのは
将軍継嗣に関しては外様大名らの意見も聞くという事だけ。



そして三月二十日
朝廷は通商を認める勅許を下さなかった。




西郷達の活動は事実上失敗に終わった。



さて、今回登場した橋本左内は
安政の大獄で吉田松陰と共に処罰された人物ですが
この役を演じたのが中山麻聖さん。


最初「誰(゚Д゚)?」って思ったのですが
この方、お父さんは三田村邦彦さんなんですって。
お母さんは中山麻理さん。

苗字が違うのはまぁそーゆー事らしいです(笑)


そして「ごくせん3」では田中麻聖役を演じてたらしいです。

これは見てないのでわかんない(爆)






一橋派が京で敗れたとの報は江戸にも知られる事となった。





しかし、篤姫はあの日
家定に言われた言葉を気にかけていた。





そんな折、篤姫は家定から呼ばれた。



家定は餅を焼いていた。


やはり条約締結のお許しは出なかったそうじゃ。
御台の言うておった通りになったのぅ。



この一件はこれからどうなっていくのでしょうか。



アメリカのハリスは京の帝に会わせろと息巻いておるようじゃ。
事の次第によってはアメリカに日延べを願う親書を書くやもしれぬ。



私はハリスが書いた書籍を読みました。
そこには考えさせられる事が書いてありました。



例えば?


鎖国は世界の敵であるとか

平和な談判を拒むべきではないとか

日本人が勤勉であるとかも書いてありました。


その時、私は思いました。
この時代に生まれて幸せだと思いました。



幸せじゃと?!


異国がやって来て開国を迫る。

その矢面に立たされる自分は
この時代に生まれて不幸だと思っていた。

そんな家定にとって思いもかけない言葉だった。



はい、異国のものに触れられる事が出来るからです。

『国を開く』

上様が仰っていたようにそういう時がきたのだと。



時―――か。


互いにそれぞれのよきところを認め合い
そのようになって欲しいと思います。

それは人と人との仲も同じ事―――。



誠にその通りじゃの。
それも分からぬ馬鹿共がおるのじゃ。




さて――――先だってはすまなかった。


え?


そちの立場を考えれば
薩摩の父に味方するのは当然のこと

きつい言い方をしてしまった。許せ。



いえ、私の方こそ
上様の気持ちよりも自分の言い分を通そうとしました。

それも自分の気持ちに嘘をついて。



嘘?


私は正直分からぬのです。
慶喜殿か慶福殿か。



御台らしくなってきたの。

家定は篤姫に微笑んだ。




私は決めました。
私は私の心に従いまする。

どちらか分からぬならばどちらを推す事も止めまする。



父上を裏切るのか。


裏切るのではありませぬ。
私の中ではそうなのです。

そうなのです。




わかった。


そして二人で餅を食べ合った。




その夜、御台の下に家定はやってきた。

家定は尋ねた。

もし、生まれ変わる事が出来るとしたら、そちは何になりたい。


生まれ変われたら・・・ですか。


わしはのう、人間でないものならば何でもよい。


人でないもの?


―――そうじゃ。鳥じゃ。
鳥にしよう。

好きな時に好きな場所に飛んでいける鳥じゃ。




私は私のままでいとうございます。


そちらしいのう。


それに―――――


何じゃ?


いえ、何でもありませぬ。



そして二人の距離が近付く。


しかし、その距離の近さに思わず二人は戸惑い離れた。



眠りについた家定に篤姫は囁く。



私は私でよいのです。

でなければ貴方様にはお会い出来ませんでした―――――。





今回は京で
一橋派と紀州派の争いがメインなはずなんですが
ドラマ的メインは篤姫と家定の心の交流です(笑)

そして家定の微笑み

これがこのドラマ一番の見せドコロです(笑)


薩摩では小松尚五郎が小松帯刀清兼になった訳なんですが
な~んか未だに篤姫一筋って感じがど~もイマイチ成長してないのかなって
感じもしたりして(笑)


一方、江戸では英姫様はセクスィ家老とロマンスが(笑)
※サラリーマンNEOの話です(; ̄∀ ̄)ゞ


まぁこの点は斉彬が亡くなった時
どうなるか、とりあえず楽しみにしておくとして


京では僧侶・月照が登場です。
この方は斉彬が急死した際に殉死しようとした西郷さんを止めた方です。

後に安政の大獄で処罰対象となるのですが
西郷さんは彼を逃がそうとして薩摩国まで連れてくるのですが
薩摩藩は幕府の処罰対象となっている月照の保護を拒否し、
彼を斬り捨てる命を下します。

そこで西郷さんはならばと月照と共に入水自殺を図ります。
これで月照は亡くなるのですが、西郷さんは奇跡的に助かるという次第です。



さぁかなり事態は正念場を迎えました。

家定の死はどうも第28話。再来週らしいです。

今回においても彼の病状はかなり重いみたいですからね。


篤姫と家定
二人の関係がこれで終わってしまうのかと思うと
ちょっと悲しいです。

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この記事へのコメント

2008年06月30日 00:16
え~。。。再来週なんだ~(; ;)
今から、覚悟しとかないと。。。

2人の仲睦まじい様子を見ていると、ずっと続けと思ってしまう。
う~ん。。。純愛ですだ♪

そー言えば、英姫さまがNEOに出てましたね(^0^)/
三田村ジュニアがごくせんに出てたなんて全く知りませんでしたわ。

2008年06月30日 11:46
ikasama4さん、こんにちは!
いや、スイマセン、イキナリ笑わせて貰いましたよ!「桃太郎VSなおすけ」の「ぶい」には◎いいなあ~(笑)

>そして家定の微笑み
これがこのドラマ一番の見せドコロです(笑)

そうなんですよね、時代は刻一刻と動乱期に突入しているはずなのに・・・なんですか、あの癒し系は?そして「それでもいいや」と思っちゃう視聴者は(笑)予想以上の家定ですね、堺さんじゃなかったらどうなっていたんでしょう?

>家定の死はどうも第28話。再来週らしいです。

あ~ワタシてっきり来週かと思ってましたよ!?後半のドラマ本に出ていたんですか?シマッタ(><)☆
あ、でも「追悼企画」やりましょうね!またお力添えを・・・もじもじ・・・時に、ikasama4さんは「家定の死因」って何だと思われます?定説は「脚気」でしたっけ?やっぱり以前飲まされた「毒」が原因なでしょうか?これちょっとスポットライト当てようかと思いまして。
2008年06月30日 22:11
桃太郎と直弼のブイ!
明らかに直弼のほうが浮力が強そうですね(笑)。斉彬は、負けて沈み行く運命に…。

それにしても橋本左内が三田村ジュニアだったなんて。こちらを拝見してはじめて知りました。
なんか橋本左内って、清潔感のある二枚目だけど、すぐに忘れてしまいそうな顔の俳優が演じるイメージです。あんまり出世役になりそうもない感じ(笑)。
安政の大獄で悲運におちるところまで出演するのかなあ。

両陣営の京都工作はもっとネッチリ暗くやって欲しかったですが、まあ、けっこうサクサク分かりやすくてよかったですかね。
ほんとうは、あの裏でけっこう山吹色が飛び交っていたりしてね。
お公家さんたちは、もっとお歯黒を塗ったり、眉毛を描いたりしてほしいな~と思うんですけど。

わたしも上様のXデイは来週だとばかり思ってました(>_<)
ikasama4
2008年07月01日 01:00
くう様
ええ、どうもそうらしいです。
それなりに覚悟とタオルの準備が必要です(T▽T)

山南さんの時も泣いたからなぁ(T▽T)

>そー言えば、英姫さまがNEOに出てましたね(^0^)/
>三田村ジュニアがごくせんに出てたなんて全く知りませんでしたわ。
そーなんですよ。
英姫様が出てきたのも驚きでしたが
まさかセクシィ部長とは(笑)

幕末の女性にとって憧れの男性って事で(; ̄∀ ̄)ゞ

それと三田村Jr.
これも意外でした。
ちょっとだけ「ごくせん」を見なかった事を
後悔しました(; ̄∀ ̄)ゞ
ikasama4
2008年07月01日 01:01
なおみ様
こんばんはです。

>いや、スイマセン、イキナリ笑わせて貰いましたよ!「桃太郎VSなおすけ」の「ぶい」には◎いいなあ~(笑)
意外に商品化すれば売れるかも(笑)

歴史はどんどんどす黒くなっているんですが

篤姫と家定
この二人がいると
真っ白な純愛文学になってしまうこの世界観。
流石は主人公と旦那様です(笑)

これはもう堺さんなしでは考えられませんね。

「追悼企画」いいですね。
家定の死因としては色々と言われているみたいですが
タイミング的に個人的には「毒」が原因のような気がします。
ただし、過去に飲まされた毒ではなくて
最近飲まされた毒で。
ikasama4
2008年07月01日 01:01
遊人庵庵主様
直弼の方が浮力もありますし安定感も抜群です(笑)

中山さんに関しては自分も役者さんの名前で「誰だろう?」って
思って調べたのがきっかけなもんで(; ̄∀ ̄)ゞ

>安政の大獄で悲運におちるところまで出演するのかなあ。
さて、どこまで描かれるのでしょうかね。
とても気になるところです。

そこに西郷さんが絡んでくるのかも気になります。

>お公家さんたちは、もっとお歯黒を塗ったり、眉毛を描いたりしてほしいな~と思うんですけど。
自分の場合、公家=お歯黒べったりの今川義元が
浮かんできます(; ̄∀ ̄)ゞ

しかも江守徹さんや中村勘九郎(現・勘三郎)が演じたやつ(苦笑)

もし家定が亡くなったとしても
菊本のように霊となって復活させてくれるように
NHKにお願いでもしてきましょうかね(笑)

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