トップセールス 第5話 「別れ」

1980年。
あれから6年が経った。

日本の自動車生産台数は
アメリカを抜いて世界一に上り詰めようとしていた。

そして槙野はトップセールスの道をひた走っていた。


たしか自分の記憶では
この頃、日本の自動車というのは性能がよくてアメリカにも輸出していた。

でも、それはアメリカの現地の自動車会社の経営を圧迫する事になり
アメリカでは日本の自動車に対する不買運動すら起きていた。
いわゆるジャパンバッシングである。

そのため、日本の自動車の輸出が次第に制限されていった。

しかし、日本では自動車の生産を止める事が出来ない。

だぶついていく自動車。

そうした自動車は日本で販売されていく事になる。


その皺寄せは自動車をセールスする人達に向けられていった。



岡野所長のいるミヤケモーターズも例外ではなかった。




今回は槙野家、岡野が気にかけていた横山家

この二つとも壊れた家族が再生する姿が描かれていました。



十数年前、岡野所長は横山さんに車を売った。
あの時は幸せだった。


そして今。
横山さんの会社は倒産の憂き目に遭い苦労をした。
しかし、そのために仕事仕事の毎日で帰りが遅くなっていった。

まるで家族は奥さんと息子さんの二人だけみたいに。

それから奥さんはその孤独を酒でまぎらし
次第に酒の量が増えていった。

息子もなかなか自分の思うような生き方が出来ず悩んでいた。

そして暴れた。

その様子を見て横山さんは息子さんに言った。

「おまえは死ね」

奥さんに言った。

「おまえのせいだ」


そうしてミンナが現実から逃げていた。


そこに足を踏み入れたのが岡野と槙野だった。



今日はキミの誕生日だよな。

今年は渡したいものがあって来た。

この写真を渡したかった。

最初に車を買っていただいた時の写真だ。
暮らしも楽じゃなかった頃に買ってもらった。


キミが生まれたからだよ。
今でもハッキリ思い出させる。

お父さんが赤ん坊だったキミを抱いて営業所に訪れた。

『この子に広い世界を見せてやりたい。』

俺は覚えている。
キミは待ち望まれて生まれた子だ。

家族に喜びを運んできた子だ。

俺は知ってる。覚えている。

大丈夫だ。キミは大丈夫だ。



その言葉に息子は救われる。



そして、この状況に唖然として岡野に問い詰める
横山さんに槙野が答えた。


あなたの代わりです。
本当はお父さんに抱き締めて欲しいんです。

向き合ってあげて下さい。

初めて車を買った時みたいに。
初めてドライブした時みたいに。

逃げないで。見捨てないで。




この言葉は自分の父親に向けられたような感じがしますね。



突然いなくなって20年以上も音沙汰がなかった父親。

それが突然自分の目の前に現れた。


私は母と二人きりでこれまでずっと頑張って生きてきたのに
あの人は別の女性と一緒に暮らしている。


その事を母は知らない。
でも、それを母に言ってしまうと母の心を苦しめてしまう。

それがとても腹立たしかった。


そこに岡野が助け船を出して

久子の母・光枝も父の存在を知るんですね。


ずっと逃げ続けた夫に光枝は言う。




また逃げる

娘はあなたの事を待ってたんですよ。

久子、ずっと覚えてました。
あなたとドライブした事。
一度だけお父さんとピッカピカの車に乗ったって。

それであの子、車のセールスを始めたんですよ。




その言葉に揺り動かされたか


あの日、久子が自宅に帰ってくると


おかえり
当たり前のように父が母が注いだ酒を飲んでいた。



どういう事?


戸惑う娘


まぁ座れ。

おまえと話したくて来たんだ。



そして、父は酒を飲みながら語り始めた。


俺、すぐに戻るつもりだったんだよ。

借金返したらすぐに帰れる。
そう思ってた。
だけど、働いても働いても借金がかさんで
どんづまりになっちゃって。

そんな時、ここに穴があいてな。

帰りたいという気持ちを飲み込んでしまうんだ。

その穴ってのは後悔だ。
その後悔がここへ巣を作っちゃってよ。
わかったんだ。

怖かったんだ。その穴と向き合うのが。
だから逃げて逃げて。

そのうち戻れなくなっちまったんだ。

逃げて逃げて。



逃げてなんかいませんよ。
生きた分だけ後悔も増えるんですから。

抱えて踏み止まって生きていくしかないんです。

さぁ食べて。
しっかり食べて生きていかなきゃ。



彼女も気付いたんでしょうね。
自分達も苦しんでいたように夫もまた苦しんでいた事を。

それでも互いに前に進むしかなかった事に。




そして父の帰り際に娘は尋ねた。


お父さん。
覚えてる?
あの時、言った事。
一緒にドライブした時の事。



おまえはお日様の向こうまで走って。

この言葉で久子は
ずっと父が自分を忘れていない事を知るんですよね。


そしてようやく彼女は
突然いなくなった父の呪縛からも解き放たれた感じがしますね。



それから柴田さんとこも例外ではないようですね。

仕事に奔走する夫。

家の帰りも遅くてまるで自分と娘しかいないように思える真理子。

その悲しみを埋めるようになんか彼女は人形の造型にハマっていく。

ここも何らかのカタチが描かれるんでしょうね。






そして最後のトリは岡野所長ですね。
全ての答えや叫びは彼が代弁していました。

ここんとこちょっと体調がおもわしくない。


そんな時、槙野が自分の父親の事で調子を悪くしてる事を知り
彼は光枝に会ってその事を話すんですよね。


母は「首を突っ込まないでくれ」と言って
突っぱねるんですけど、同時に感謝もしたんですよね。



そして岡野は倒れて入院する事になり

その間の所長不在を埋めるべく
本社は柴田隆男を送り込んでくるんできます。


自動車業界に置かれる現状を知っている柴田。

売り上げノルマをこなせなければ営業所が淘汰されていく。

このミヤケモーターズもその例外ではない。


だから柴田は社員に次々とノルマを課していく。

しかし、そのやり方に社員達は反発していき
柴田は職場で孤立していきます。


かつてのどこぞにおったマネージャーみたいに(苦笑)


しかし、柴田があの時のマネージャーと違うのは
彼が岡野に助言を求めたってことですね。


岡野も柴田がそのように行動する気持ちは分かってくれました。

その上で岡野は柴田に助言をします。


だが、間違えるなよ。
この商売は実は農業だ。耕す時間が必要だ。

刈り取る事だけを急がせばいずれ何も実らなくなる。

営業所を頼む。

俺は君を信じている。


この時、既に柴田は岡野の病気を知っていたんでしょうね。



そして槙野さんとのシーンですよ。



早く戻ってきて下さいよ。
所長あっての営業所なんですから。


いつものように明るく所長に語りかける槙野


そして岡野が再び倒れた後


早く戻ってきて下さいよ。
所長あっての営業所なんですから。


この時にはもう岡野の病気を知っていたんでしょうね。

この言葉には槙野の悲しみがイッパイでした。





どうしてだろうなぁ。
みんな一生懸命働いてきた。
もっといい明日がある。
もっと幸せになれる。

そう信じて健気に働いてきて
ようやく今の暮らしを手に入れてきた。

それがどうだ。

車は汚れたまま捨てられて家には家族がいない。

こんなはずじゃなかったのにな。
こんなとこに辿り着くはずじゃなかったのにな。



あの子がバット振り回して叩きつけていたのは悲しみだ。
血を吐くような悲しみだ。

槙野、おまえは希望を売れ。



え?


車を希望に変えて喜びと共に売ってくれ。
おまえなら出来る。



一人じゃ無理です。
傍にいてくれないと一人じゃ・・・・

早く元気になって下さい。
そうじゃないと私・・・・・



槙野は涙を抑える事が出来なかった。


約束して下さい。
『どこにも行かない。傍にいる』と。


どこにもいかない。傍にいる。

ずっとですよ。

あぁ、ずっとだ。
もう泣くな。泣くな。


思わずこちらももらい泣き(ノД`)


『もう二度と犠牲者を出さない』
同じ意志を持つ同士であり親子のような関係。


だと思ってたんですけどねぇ。



まさか次のシーンでベッドで寄り沿って寝ていて
槙野と岡野のキスシーン


このシーンを見た時思わず


「ええええええええええええええ
( ̄д ̄;ノ)ノ」



これにはもうビックリの一言です(笑)



まぁ多少そういう思いが描かれるシーンがあったらいいなとは思ったんですけどね。

あくまで「あったらいいな」で(; ̄∀ ̄)ゞ


まさか、ここまでストレートとはねぇ。


ちなみに自分は蟹江敬三さんのキスシーンを見たの
初めてのような気がするな(; ̄∀ ̄)ゞ


なかなか驚かされるシーンでした。


でも、あのシーンがあったから

岡野が亡くなった後



「嘘つき」


この言葉がとても切なく響いてきます。










そういえば、槙野さん。
所長の隣で寝てましたよね。






まさか・・・・・・ねぇ(; ̄∀ ̄)












次回、久子が未婚の母になっていたらどーしましょうかね(笑)

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この記事へのコメント

2008年05月11日 01:20
こんばんは~!
岡野に泣いてばかりだったのですが(苦笑)
そうそう~!久子とのキスシーンにはびっくり!∑('◇'*)エェッ!?
見てるこっちの方が戸惑っちゃいましたよ~(笑)
しかも一緒に寝てるし~∑(゚m゚=)ハッ!!

>まさか・・・・・・ねぇ(; ̄∀ ̄)

ええっ~~!
倒れそうですよ( ̄∇ ̄*)ゞ
2008年05月11日 17:39
>この言葉は自分の父親に向けられたような感じがしますね。
そうですよね、言いたくても言えなかった父親への言葉・・
まっすぐに自分を見てという久子の言葉がせつなかったです。
>まぁ多少そういう思いが描かれるシーンがあったらいいなとは思ったんですけどね
そうですよね~いきなり二人で寝てたからびっくり・・えええ~って(笑
そこまでは望んでなかったんですけど~
服着てたからほっとしたけど・・(笑
私も蟹江さんのキスシーンって始めて見たかも・・・
襲ってたりするシーンは見たことあるかもしれないけど・・(笑
あと、谷口がジョン・レノン死んだことにショックを受けてるのにもびっくりました・・何か・・
ikasama4
2008年05月11日 18:44
ルル様
こんばんはです。
多分キスシーンで驚いたのは
このドラマが初めてです(笑)

てっきり岡野に自分の父親を重ねていたと
思ってたんですけどね。

>しかも一緒に寝てるし~∑(゚m゚=)ハッ!!
隆男が帰っていて良かったです(;・∀・)ゞ

色々な意味で次週が気になります(; ̄∀ ̄)ゞ
ikasama4
2008年05月11日 18:45
きこり様
言いたいけど本人を目にすると
どうしても言えなくなる。

ここが切ないところですね。

にしてもねぇ。
>服着てたからほっとしたけど・・(笑
NHKだからその辺りの演出を抑えたと
考える事も出来ます(; ̄∀ ̄)ゞ

>襲ってたりするシーンは見たことあるかもしれないけど・・(笑
自分もあります(; ̄∀ ̄)∩

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