あしたの、喜多善男 最終話

新たな道を踏み出すために人は大きな痛みを伴う




あの人は知っていた。そう、全てを。


それでも「私」を信じていた。



そして、「私」は初めて自分と向き合った。



私はあの人が嫌いだったのではない。



彼を騙していた自分が嫌だったから。


全部、偽物だった。

私はずっと自分に嘘をつき続けた。

回りの人、全部に。



あの人を見ると

そんな自分を見なければならない。


それが嫌だった。


私は一度もあの人を心から抱き締めた事がなかった。


自分の事ばかり考えていた。


そう、自分の事ばかり考えていた。


「死ぬ」といっている人を殺したって構わないって。


そうさ、怒りに身を委ねて行動するのは簡単だった。


あの人は教えてくれた。



だから、罪滅ぼしという程のものじゃないかもしれないけれど



償いがしたい。



だから、死なないで欲しい。


自分を傷つけないで欲しい。


自分を壊さないで欲しい。


自分達は純粋に愛を求める事が出来る。


だから、そんな自分も許して欲しい。


一緒に過ごそう。

数えるには多過ぎる明日を。


悲しむ明日もきっとあるけれど


笑える明日もきっとあるから―――――。






とてもキレイな終わり方でした。



みずほが好きだった
アンドリュー・ワイエスの画集





11年前、保険金殺人で喜多さんを殺そうと画策したみずほと
現在、保険金殺人で喜多さんを殺そうとした平太さんに
喜多さんを誘拐犯にしようと画策したしのぶが
協力して喜多さんを救おうとする。


喜多さんに償いたい

そのためには

喜多さんに生きていてもらわなければならない。


人は自分の「罪」を認めた時=自分を向かい合った時
初めて己の罪に対する「償い」の意識が芽生える



みずほがずっと仮面を被り続けたのは
そんな自分を認めたくなかったから




序盤で
カウンセラー・江端が読んでいた「罪と罰」がここで感じられますね。






それから喜多さんが死のうとした場所

「クリスティーナの世界」そっくりの場所。


まるで幻想的な世界。



クリスティーナは振り返らない。

でも、僕はずっと見つめていたい。

クリスティーナがずっと向こうを見ていても。


そんな場所で自分は死にたい。


煙突から飛び降りようとするシーンはとてもキレイでした。



でも、そこで喜多さんは知る訳です。



「美しい死」なんてあり得ない。

「死ぬ」って事はこの身体を傷つけるんだ。

この身体を壊すんだ。


ここはとても印象的でした。



かつて草彅剛さんが主演だった「僕の生きる道」


主人公・中村秀雄が後1年の命だと知った時に
秀雄は自暴自棄になって死のうとして絶壁に立ちました。


その時の姿と喜多さんの姿が重なります。



そして、そんな秀雄に対して
「今を生きる」事を説いたのは
秀雄の主治医でもあった金田さん

つまり、喜多さんを演じた小日向さんという事ですね。

あの作品を思い浮かべながら見ると
また違った見方が出来るのかもしれませんね。




それからあの煙突に立って死のうとするも
なかなかその一歩が踏み出せない善男は
もう一人の善男=ネガティブ善男に出てもらって

自分を罵倒して
その勢いで喜多さんは死のうとしていました。


でも、ネガティブ善男は現れませんでした。



つまりはこういう事なんでしょうね。



ネガティブ善男にとって

最悪の絶望とは


喜多善男の望みを叶えない事=喜多善男を死なせない事


だったのかもしれません。




そして平太さんですね。



俺さぁ、あんたと出会った時、運命だと思ったんだ。

自分で死ぬって決めたんだから殺したってかまわねぇって。


俺の親父は自殺した。あいつは逃げた。
俺はずっとそう思ってた。



逃げたいやつは逃げればいい。
弱い人間は消えてしまえばいい。




そんな事はないんだ!

弱くたっていいんだ。

親父はいつも俺に謝ってばかりだった。

俺が親父の事を嫌いだったのは
弱かったからじゃねぇ。

死んでしまったからだ。


生きてて欲しかった。

弱くたって構わなかったから生きてて欲しかった。


喜多さんは死なないでくれよ。

俺、喜多さんのおかげで親父の事を許せたんだ。

なぁ、生きててくれよ。


生きててくれねぇと喜多さんに何もできねぇ。

俺はあんたの親父じゃないんだ。残念だけど。


俺に作ってくれよ。

喜多さんが作ったカレーを食べたいんだよ。
俺にカレーを食わせてくれよ。

頼むよ、喜多さん。
何でも言う事、聞くからさ。



この台詞は自分の身内が自殺をされた人間だからこそ
言える事なのかもしれません。


やっぱどんなカタチでも生きていて欲しいんです。


生きれる限り生きていて欲しい。


そして、償わせて欲しい。



その瞬間、初めて「心」が繋がるのかもしれないですね。




さて、また「明日」が始まった善男でしたが

どうも発信機の事さえ「知っていた」ようですね。

実は結構スゴイ人なのかもしれないですね。


ドラマとしてもイイ締め方でした。



正直なとこ、
鷲巣みずほの前夫の事件はいらなかったような(苦笑)

まぁそれがないと杉本さんの意味がなかったかもしれませんが(; ̄∀ ̄)ゞ



にしてもまさか、江端さんがまた登場するとはね。



つまり

喜多善男に自分を正面から向かいあわせる事=三波の役目

鷲巣みずほに自分と正面から向かい合わせる事=江端の役目

という訳で。


「僕の役目は終わりましたね。」と
似たような台詞も言わせてましたしね。

今回、宵町しのぶを演じた吉高由里子さんは今後も注目です。




今後も喜多さんと平太さんが送る「明日」を見てみたい。

というか
小日向さんと松田龍平さんのコンビを見てみたくなりました。






刑事のコンビとか結構合いそうな気がします。



でもって




明日の朝はカレーが食べたい。





そんな気分にもなってます(笑)

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この記事へのコメント

2008年03月19日 00:45
本当、綺麗な終わり方だった。
警察から出てきた所で見つめ合って別れていく
みずほと善男が印象的。
これからも、週に一回くらい、こういう落ち着いて見れる
ドラマがあったらいいなぁ。。。
2008年03月19日 01:57
余韻が残りました。しのぶが良かったなぁ。。ウルルン。
H☆Cの新しい衣装のイラストいい!しのぶバージョン(笑)
後日、うちの玄関に置かせていただきまーす☆
リュックを背負って前を歩きだした喜多さんの歩き方が
私もツヨポンとかぶりましたです(笑)
なんとも言えない雰囲気のドラマ。
1クールに1本は、こういうドラマ見たいな~少数派かなぁ(苦笑)
全然違う(笑)
ikasama4
2008年03月19日 07:45
くう様
本当にいいドラマでした。
>警察から出てきた所で見つめ合って別れていく
>みずほと善男が印象的。
あの瞬間、二人の心は繋がっていたかもしれませんね。

たしかに全体的に突飛な設定ではあっても
安心して見られました。

>これからも、週に一回くらい、こういう落ち着いて見れる
>ドラマがあったらいいなぁ。。。
たしかにそうですね。
裏を返せば、それだけ不安定な作品が多いって事かもしれませんね。
どことは言いませんけど(; ̄∀ ̄)
ikasama4
2008年03月19日 07:47
アンナ様
以前、善男を利用とした人達が
一緒になって善男を心から助けようとして
協力する姿がいいですね。

後、淡々とした感じがなんとなく
星護さんの演出っぽくてここも惹かれるところです。

H☆Cの新しいイラスト
気に入って頂けてなによりです(≧∇≦)

>リュックを背負って前を歩きだした喜多さんの歩き方が
>私もツヨポンとかぶりましたです(笑)
そうですね。リュックを背負ったあの姿は
クサナギさんと似てるんですよね。
あくまで雰囲気ですけど(; ̄∀ ̄)ゞ

自分も1クールに1本はこういうドラマを見たいです。
2008年03月19日 14:38
ほんとうにいいドラマでした。
何だか終ってしまってすごく寂しいです。
煙突の上に立って飛ぶシーンはきれいでしたね。
でも、実際はぶざまで滑稽な・・その対比が良かったです。
見詰め合うだけで別れていく善男とみずほの姿も逆に明日を感じさせてくれました。
キャストのみなさんの職人芸を見たって感じですね~
ikasama4
2008年03月19日 19:57
きこり様
本当にいいドラマです。

いつもドジばっかりの喜多さんなんですが
喜多さんの動きひとつひとつが何とも
美しく感じました。

個人的にしのぶの前夫の事故死は全体的にミスリードのような
感じもしましたが(苦笑)

役者・演出・脚本・音楽と
全体的に本当によく出来たドラマです(≧∇≦)b
2008年03月21日 22:22
お久しぶりです。
小日向氏の演技がやはり光りましたね。
他の方も良かったのですが、
ネガティブ善男の怖さ。(しかも演技が自然)
映画「それでも僕はやってない」も最近TVでやってましたが、
彼の演じた裁判官役、ネガティブとは別な意味で怖かったです。
「ああ~こんな人いそう!!」感漂いましたしね。

要潤の演技力が心配だったのですが(個人的に)
結構こなしてましたね。
ちなみに私の母(70歳)は生瀬氏のファンです。
この人、出番少ないわりに妙に印象強いんですよね。
全体的には明るくないドラマでしたが、
後味良くて良かった。
音楽もGOOD!!

ikasama4
2008年03月21日 23:14
まいまい様
お久しぶりでございます。
この作品では

普段の喜多善男と
ネガティブ善男と
二人の善男が一緒になった喜多善男と
三タイプの人格を小日向さんが上手く演じていました。

そうそう、小日向さんはこういうコミカルな役も
冷酷な殺人者も上手く見せてくれますからね。

今回の生瀬さんはどちらかというと要さん同様
第三者目線でしたからね。

全体的に暗いんですけど
暗さの中にふと輝くものがあって
それがより際立って綺麗に見えるんだと思います。

全体的な構成・音楽・演出は
今期の中では1,2を争う出来栄えです。

まるで絵画を見てるようなドラマでした(≧∇≦)b

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