NHKドラマ 海峡

朝鮮で育った「日本人」
「日本人」として生きる事を強要された「朝鮮人」
戦乱が終わりを告げた頃、二人の男女が結婚をする。






時代は男の運命を翻弄する。



その国で生きる限り
その国の人として生きなければならない。

そう思っていても
それを回りは許してくれない。

どんなに「日本人」として生きる事を強要されたとしても
元々は「朝鮮人」だから。


そんな理不尽な理由で男を朝鮮へ連れ戻していく。


戦前は一方的な理由で「日本人」にしておきながら
今度もまた一方的な理由で「朝鮮人」として扱う。


男は密航して日本に向かおうとした。


妻に会いたい。


それだけなのに。


男は朝鮮に引き戻される。

かつて「日本人」として生きていた過去が
罪となって彼は投獄される。


そして、思う。

愛だけでは乗り越えられないものがある。

僕は彼女と一緒になってはいけないんだ。






時代は女の運命を翻弄する。


女は祖国・日本に戻ってきた。
愛する男を朝鮮に残して。



祖国は冷たかった。

おまえは日本を捨てたんだ。

孤独な日々を過ごす中、夫が日本にやってきてくれた。


しかし、その幸せも長く続かなかった。


夫は朝鮮に強制送還されていった。

元々が「朝鮮人」だからという理由で。


妻は夫と何とかして連絡をとろうと奔走する。

しかし、夫からの連絡は来ない。


やがて朝鮮では戦争が始まった。




そして、二人はそれぞれの「祖国」で家族を作って生きてきた―――。






なかなかに見応えのある物語でした。

過程がどうであれ、日本は朝鮮を植民地にしました。

それによって日本人は朝鮮が発展したのは日本のおかげだと言いました。

しかし、一方で朝鮮人からしてみれば
日本人として生きる事を強要された事があったのもまた事実。

日本人の姓名を名乗る事。
日本語を強要される事。

それは自分達が今まで培ってきた文化を否定されると感じたような気がします。

自分にとって祖国とは誇りであると同時に一種のこだわりですよね。


朋子が遺骨だけは「日本」に埋める事をこだわったように。



このこだわりが時として過去の経緯によって
偏見に変わっていったのかもしれません。

朝鮮人は日本人より下の存在だとか
日本人は憎むべき存在だとかね。



「一度染み付いた偏見はなかなか捨てられない」



上川隆也さんが言ったこの言葉が印象的でした。



戦後から60年以上経った今もその偏見は変わらないようです。






さて、このドラマで吉江朋子を演じた長谷川京子さん。

今まで演技が上手いとは思わなかったのですが

こういう慎ましくて凛とした雰囲気の役柄が凄くハマっていました。
グッと耐え忍ぶ女性を上手く演じていました。
あの目がいいんでしょうね。
彼女にはこういう役柄がいいんでしょうね。


何時の時も揺るがない一点を見据えたような目がね。


最後の最後で30年振りに会った朴に対しての最後のお願い


「もう私の夢には出て来ないで」



この言葉だけで朋子が夫と別れてからの30年余りの時間を
どのように過ごしてきたかが窺えます。

そんな風に思える朋子を演じた長谷川さんに惹かれるものがあります。




そして朋子の夫・朴俊仁を演じたのが眞島秀和さん。
このキャスティングには驚きました。

自分が彼をドラマで知ったのが「アンフェア」でしたが
ちょっとしか出演してなかったんですよね。

でもって、映画「HERO」にも出てましたが
これもちょっとしたシーンでしたからね。


それがこのキャスティングですからね。


それに応えるかのように
淡々としながらも段々と熱い思いを秘めた人物がこちらもまた
ハマっていたように思います。

なんとなく雰囲気が西島秀俊さんに似てる気がします。


この作品を境に二人がどのように飛躍するのか、とても気になります。

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この記事へのコメント

2007年11月26日 16:41
二人をただ一緒にしてあげたいという気持ちだけで見続けてしまいました。
お互いに違う祖国を持つということがこれほどに面倒で複雑だったというのは
戦争の側面ですが今でも尾をひくものはたくさんありますね。
見て良かったと思いました。

そうそう長谷川京子さん、本当に上手でした。
ひたむきさがよ~く表現されていました。
このドラマで演技派になったかもしれませんね。
そして真島秀和さん、
アンフェアやHEROに出演していたの?
全然知らなかったです。
赤丸急上昇という方ですよね。
今後が楽しみになりました。
2007年11月26日 17:58
こんばんは!
このドラマ、観ましたよ。
とても良かったです。

時代に翻弄された男女、と言う感じでしたね。

初めとても安易に、朋子をこんなに思う人がいるのだから、日本に帰らなきゃいいのに・・などと思ってしまったのですが、帰らなければ帰らないで、二人で日本に行けば行ったで、どちらの選択でも困難が待ち受けていること、しかも本人たちには罪がないのに(密入国、不法滞在は別として)、と言うことに憤りを感じました。

これはドラマですが、同じような経験をした人たちが、両国できっとたくさんいるのでしょうね。

長谷川京子さんも、真島秀和さんも、とても良かったですね。

ikasama4
2007年11月29日 20:54
エリ様
戦争はその時、人を傷つけるだけでなく
戦争が終わってからもずっと傷つけてしまう

たとえ一時であっても
一度起きた出来事は決して消えませんからね。

それを乗り越えていくには
かなりの辛抱と時間が必要なのかもしれません。


久々に見た長谷川さんは
なかなかにイイ演技でした。

なんか目がイイですね。


眞島さんがキャスティングされた時には
ちょっと驚きました。

これを機会に一気に注目される俳優さんになったようです。

私も来年からの活躍に期待してます(^▽^)
ikasama4
2007年11月29日 20:56
さくらこ様
こんばんはです。

>時代に翻弄
まさしくそうですね。

戦争が
日本が朝鮮を支配した歴史が

二人を結び付け

そして
二人の仲を引き裂いた

時代の流れというのは天使にも悪魔にもなるようです。

そして、未だに韓国の方で日本を嫌う人がいて
日本は「朝鮮」と蔑む人がいる

60年以上経った今も
容易に解決できる問題ではないようです。

今回は長谷川さん眞島さんの新たな一面を見せてもらいました。

今後、どのような活躍をするかが
ちょっと楽しみになってきますね。

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