映画「ゆれる」


俺は父の住む家から出たくて東京に出て行った。
それからカメラマンとしても成功し、女にも不自由する事もなく東京で暮らしてきた。

兄は父の後を継いでガソリンスタンドで働き、女性にもモテず、
母が亡くなった後、炊事洗濯をして父と二人で暮らしていた。


母の一周忌に俺は駆けつけた。

そこで弟は幼馴染の女性―――元カノに会う。

彼女は兄とイイ関係のようだった。


俺の心は「ゆれる」



そして彼女と一夜を過ごした。




翌日、俺と彼女と兄と三人で渓谷へ向かった。


俺が彼女を避けるように写真を撮っていた

ふと後ろを振り返ると兄と彼女が吊り橋の真中に立っていた。


そして


彼女が吊り橋から落ちた。


兄は吊り橋に座り込んでいた。



あれは事故だった。


家から逃げ出した俺とは違って
家業のガソリンスタンドで面倒な客相手でも丁寧に対応する。
兄は親父の面倒も見てるし
それに俺の事だって気にかけてくれる。
立派な兄。

そして俺が唯一尊敬できる人。

だから、兄が彼女を・・・そんなはずはない。



そう思っていた矢先、兄は警察に逮捕された。



「俺が彼女を殺した」と言って。


兄の裁判が始まる。


そして裁判が進むにつれ
俺は自分が知らない「兄」の姿を見た。



あれは事故だった・・・のか。
それとも事件なのか。



俺の心は「ゆれる」―――。





これはかなりイイ作品でした。





人は最初はおそらく
自分が持ってない才能を持っている人を見た時
嫉妬すると思います。


それを最初に感じる人物
それが兄弟(姉妹)、そして家なんでしょうね。



家を継ぐのは只一人。

もし、どちらかが逃げてしまえば
どちらかが否応なく継がなければならない。



家から逃げた事で得たもの
その代わりに失ったもの

家を継いだ事で得たもの
その代わりに失ったもの


その事が兄弟にある種の確執を生じさせるのかもしれません。


主人公の父が家を継いだ

でも、それは好きで継いだ訳ではなくて

その父の兄が家を出たために
否応なく継がなければならなかったから。



それが父と伯父さんの確執を生んでいます。



それから兄と会っていくうちに
主人公は自分が知らない兄の一面を知る事になります。


もしかして、兄は本当に彼女を殺したのかもしれない。

兄は俺と彼女の関係に気付いていた。


だから―――。

でも、あの兄が。
俺の尊敬するあの兄が―――。



その間で揺れ動く主人公の心情。


断片的に蘇るあの時の記憶のピース。


その度に
自分の中の「兄」が「兄」でなくなっていく。



その過程も面白いとこですが
主人公は面倒な事から逃げ出してきて

嫉妬した相手から
つい何かを奪ってしまおうとする傾向があります。


自分が元々付き合っていた彼女が兄と付き合っているみたいだったから
もう一度奪ってみたりして。


そうした主人公の雰囲気が
映画の音楽と映像に表れています。



そうして最後にあの時の記憶のピースを思い出した時に
彼は気付きます。


本当はやっぱり兄は自分がこの世で尊敬できる人だった。
兄は俺を守ってくれた。


それなのに自分は兄から何もかも奪っていき
最後には自分の尊敬する兄さえ奪っていった事に。




この流れもさる事がら
弟が兄に会った時の兄の顔がとても印象的でした。



そんな兄と弟を
香川さんとオダギリさんが見事に演じてくれました。

その他のキャストも見逃せません。

ちょっと個人的にツボだったのが
この裁判事件で判事を演じたのが木村さん。



まぁ木村さんと言っても
キムタクではなくてキム兄なんですけどね(笑)




兄弟のいる男性には一度見て欲しい作品ですね。

後、カッコいいオダジョーを見たい方にも是非(笑)

ゆれる
ゆれる [DVD]

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2009年07月17日 16:49
この映画はおもしろかったですね・・
まさかラストであのようなことになるとは・・・
兄というのは弟が出来た時から、兄ととして弟を守ろうとするのでしょうか、
いつまでも。
兄と弟、弟と父、兄と父、それぞれの組合せによって雰囲気も違って、
男同士ってこんなもんなんかな~と面白く感じました(笑
そうそう、キム兄、なんともイヤミなというか・・あの独特のキャラクターがなんともいえない感じで印象に残りました。
それと、ガソリンスタンドで働く新井浩文さんの存在がさりげないのも良かったです。
この作品を作った時、西川さん20代前半ですよね・・すごい監督さんです。
ikasama4
2009年07月17日 21:46
きこり様
この作品はかなり見応えがありました。

オダギリさんと香川さん
蟹江さんと伊武さん

それぞれの兄弟の確執と切れない絆の強さが
深く滲み出ています。

>この作品を作った時、西川さん20代前半ですよね・・すごい監督さんです。
ホント、そうですね。

あれから「ディアドクター」を見に行きました。
西川さんの映画にハズレなしです≧∇≦b

この記事へのトラックバック

  • 「ゆれる」 西川美和 監督

    Excerpt:  すごくおもしろいセンスの映画でした。 私自身の中にも、自ら封じ込めている記憶があるのではないかと不安にさせられ、 そして、同時に希望を感じさせてもくれました。 HPはこちら。  東京で写.. Weblog: トリ猫家族 racked: 2009-07-17 16:50
  • ディア・ドクター

    Excerpt: 「ゆれる」の西川美和、原作、脚本、監督作品 笑福亭鶴瓶 初主演作品 ある町を舞台にしたヒューマンドラマというところでしょうか? 公式ページにあるとおり、この村には医者が一.. Weblog: 単館系 racked: 2011-10-01 23:03