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zoom RSS 風林火山 第35話 「女の戦い」

<<   作成日時 : 2007/09/02 22:52   >>

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難攻不落の砥石城は
真田・勘助の謀略によって武田の手に落ちた。


勘助は鉄砲で負傷した原美濃守を見舞いにやって来た。

「ぬしと同じであろう。」


そう言って原は笑った。


そしておもむろにこう切り出した。

「妻を娶らぬか。」


勘助は既に八百石を有している家柄。
これを絶やしてはならぬと。


守るものが増えれば御勤めに障りが出来ましょう。

そう言う勘助に原は自分の末の娘・リツを呼んだ。


彼女は勘助なる人物に興味を抱いているらしい。


そしてかなりのおしゃべりだ。


かつて勘助が諏訪の姫様を一人で探し出した出来事を語り出す。



・・・原様



このおしゃべりが。


―――親子だな。


そう考える勘助を尻目にリツのしゃべりは続く。


「それなのに勘助がそこまでして守った姫様を
御館様は裏切るように別の側女を―――」



勘助の動きが止まる。



「リツ!」


マズイ事を言ってしまった事を恥じたかのようにリツは去っていく。



ここから勘助の苦悩と翻弄に左右される日々が始まる―――。








勘助は夜遅く甲斐に向かう輿の一行を見止めた。
それには美しき姫がいた。


そして、その一行の女中らしき人物から
輿に乗っている人物が何者か聞き出した。


それは武田家の一族である油川家のご息女で
御館様の命により甲斐に向かっているところだと言う。


我らが御館様が・・・



数日後、勘助は諏訪に向かった。

先日の夜の出来事で動転する勘助の中に浮かんだ人物が由布姫であったからだ。


姫様とは越後に行って以来の対面となる。


「越後はいかがであった。」

勘助は越後の暮らしを語った。

しかし、由布姫が聞きたいのは越後の国ではなく
越後の武将の事であった。

とりえず勘助は信濃・砥石城を落とした成果を語って話を逸らしたものの
しかし、それを聞かされたとてそれが如何なる成果かわからぬと由布は言う。

そして姫様の愚痴は御館様にも向けられる。


最近、御館様は諏訪に全く来ないらしい。
それがためにもう御館様のお顔も忘れておる。


更に込み入った話になるのを察してか
由布姫の女中は四郎と別の場所で遊ぶように促した。


その時、四郎は勘助に言った。
「勘助、母上を泣かすな」


そんな四郎に勘助はお土産として筆を手渡した。


その時、勘助が取り出した袋に気になるものを見つけた。



それは摩利支天の御守り

勘助がかつて高野山に立ち寄った折に授かった御守り

「・・・傷がある」


某と同じにござりまする


勘助は笑った。

由布姫の手元にある摩利支天は御館様が諏訪に嫁ぐ妹御に送ったもの。
勘助が羨ましい。

勘助と御館様はこの摩利支天で繋がっている。
良いの。


私はこの地で何事とも戦わず朽ちていく無用の品じゃ。

これでは生きているのか死んでいるのかもわからぬ。
私はただ母として生きればよいのか。

四郎はこんな母の生涯をどのように思うてくれるのか。
諏訪家にも武田家にもなれぬこの母を。


すまぬ、勘助。
つまらぬ事を聞かせた。




勘助は由布姫の心中を察した。


おもむろに姫は武田家の事を尋ねた。


お北の方様がお臥せりになっている事を勘助に伝えた。




見舞いたい。

はい?

見舞いたいと申したのじゃ。

・・・今にござりまするか。


今?
私を武田家に近付けたくないのか。
御館様に近付けたくないのか。


左様な事はござりませぬ。
勘助は心中を悟られぬよう務めて冷静に対応した。

勘助に反論は許されない(苦笑)




かくして由布姫は嫡男・四郎を伴って甲斐に向かった。




お北の方様はやつれはしたが元気そうだった。
由布姫が甲斐にきたのはお北の方様に会う事ともうひとつ
目的があった。

それは弟・寅王丸に会う事。

そして寅王丸と四郎を対面させてやる事。


そなたは知らなんだのか。
寅王丸はここにはおらぬ。
寅王丸は出家したのじゃ。


由布は女中にこの事を知っていたか尋ねた。
女中は知っていたが勘助に口止めされていたらしい。


「勘助が・・・」


お北の様は言う。
勘助に罪はない。
これは晴信が話すべきことなのじゃ。
いずれは晴信より話がありましょう。





その頃、勘助は御館様と会っていた。

射貫くような目で晴信を見据えた。



油川家の事の話を切り出してみた。
しかし、晴信は知らないと言った。

そして油川家の輿の一行に出会ったと話したが
それでも晴信は知らないと言った。

そのとぼけ方に業を煮やし
ならばその者達は騙り者として成敗すると言い出す。


とうとう御館様は陥落した。


由布は知っておるのか。


うすうすは。

話すつもりか。

話さぬがよいと存じまする。



もし、話したらあの姫様の事、
どんな事をするのやら想像がつかなかったからだ。


ならば、そちはわしに如何にせよと申すか。


姫様を御見限り致しますな。


そちに言われてする事か。


何卒。

御願いする勘助に晴信は言う。


「由布は政や戦の話を聞きたがる。
それではわしの心が休まらぬのじゃ。」

「それにあの射るような目で見られてはのう、怖いのう。」


姫様は御館様の心に寄り添いたいのでござりまする。
このままでは姫様の心が休まりません。



とは言ったものの
勘助は御館様の心中を察した。

―――あの姫様だから御館様がそう考えられるのも無理はない。







その夜、由布姫と四郎のために甲斐で宴が催された。



飯富と信繁は四郎様を諏訪家総領にするのかどうか謀っていた。
諸角と小山田は御館様の新たな側女・油川家の息女の事を憂いていた。
そして駒井は言う。

「おりますよ。腹にお子が」









翌日、由布姫は勘助を呼んだ。

「寅王丸の事、何故隠していた。」

ただただ謝る勘助に由布姫は尚も切り出す。



聞いたのはそれだけではない。

御館様は良きお方がおられるそうじゃ。
どのような方か存じておるのか。


さて・・・



会うてみたい。


え?



ともかく連れてまいれ。

驚愕する勘助に言葉はない。


「何を血迷うておられまする」


そこにやって来たのは三条夫人だった。



左様な事で取り乱してどうなさいます。


「そなたの時と同じです。
そなたも油川家の息女も側女である事に変わりありますまい。
そなたを貶めている訳ではありますまい。

左様ではないか、勘助。」


正論ではある。しかし、姫の心情を察すれば・・・


「勘助」



はっ


三条の二度目の呼びかけに勘助は応じた。


そして三条夫人の侍女・萩乃が夫人の代わりとして
改めて由布姫と勘助に釘を刺した。


「これ以上、ここへ余所者を入れてはいめません。」




それから勘助は御館様を尋ねた。

何故、油川家のご息女まで話したのか。

晴信は言う。
「わしは由布の寝所にはいっておらぬ。」


勘助は驚愕した。

わしは姫様に嵌められたのだと。

武田家軍師である自分が・・・。

御館様は笑った。


勘に障った勘助は
女性の悋気を怖れてはこの甲斐は滅びまするぞ。

御館様は尚も笑った。

勘助、板垣に似てきたのう。


勘助は苦虫を潰したような表情をした。







「勘助、覚えていますか。」

勘助はその日の夜、由布姫の下を訪れていた。





『和子様をお生みになる事です。』と言ってくれた事を。

私は決めました。

四郎には武田家総領としての魂を吹き込みます。


勘助は驚愕した。


それが私に出来る唯一の戦いでしょう。





勘助も心中では左様に思うているのか。
四郎が可愛くないか。

四郎が生まれた時、そなたは己が命と言うてくれた。

ならば、その命を吹き込んではくれぬか。


それが出来るのは勘助しかおらぬ。

勘助、四郎を頼みます。



しかし、それにはひとつ気がかりな事がありまする。


油川家に和子が生まれたら如何なりまする。

その心中を見極め、その人となりを私に伝えよ。

それは流石にと

姫様、その悋気も大概になさりませ。

勘助は姫様を嗜めた。


「悋気・・・悋気と申すか。」



ふと由布姫が咳き込んだ。

それを見た勘助は姫に近付こうとすると

触れるな!
もう誰にも触れられとうない!

そう言って勘助を拒んだ。


私には最早信じるものは何もない。

このままではまた諏訪家の娘として
御館様の御印を頂戴したくなる。

私には生きる支えが他にござりませぬ。




―――それほどまでに姫様が追い詰められている。


そんな姫のために某ができること。



それがたとえ鬼になったとしても。





数日後、勘助は積翠寺におられるという油川のご息女の下を訪ねた。

もちろん誰にも見つかることなく。


そして寺に少しずつ近付いていく。
その時
「勘助!」


自分の名を呼ぶ者がいた。



原美濃守の娘・リツだった。


驚愕のあまり勘助は隻眼を丸くさせ
何も言い返す事が出来なかった―――。





いやぁ笑わせてもらいました。


軍略に関してはもう武田家随一であると思われる軍師・勘助が
女子の事、特に好いた女子の事になるともう形無しになるのが
サイコーにウケます(≧∇≦)


いつも相手を見据えるような勘助が
由布姫の要求に対して目を丸くしたりして

三条夫人の放つ言葉に
顔を下げている勘助だけど
「それを言ってしまってはその後の姫様が大変なのよ」って
いう心中がありありで(笑)


でもってあまりの姫様のわがままに
悋気も大概にしなさいと叱り付けると
「ならば御館様を殺してしまうぞぉ」と脅されて
またオロオロする勘助。


もう完全に振り回されています(笑)


そして四郎を武田家の総領にする野望を口にしますからね。
まぁその事には勘助も内心は賛成なのでしょう。


ただ、由布姫が一番癇に障ったのが三条夫人のようです。

たしかにかつては御館様に寵愛を受けていた。

しかし、側女と正室には格段の差がある。
それをあの時、まざまざと見せ付けられたのですからね。

ならば自分の子を武田家の総領にと考えたのでしょう。

一種の仕返しです(苦笑)


大人気ない事でしょうが、あのご気性の激しい姫様ならあり得る事です。


そこで姫が障壁となると考えたのが油川家の息女のようです。

新たに御館様より寵愛を受けている人物。
どんな人か知りたい。

もし、自分と同じ野望を持っていれば・・・なんて事を考えているのでしょう。


誹り(そしり)、貶し(けなし)は男の習い
嫉み(ねたみ)、卑しむ(いやしむ)は女の習い


と晴信は上手い事を言いますが
男女に限らず誰しもこういう感情はあるもんです。

勘助が武田家に仕えていきなり重用された時は
譜代の家臣達は嫉み満載でしたからね(笑)


さて、普通なら「そんな事を考えてはなりませぬ!」と
毅然とした態度をとればいいのですが
ここが由布姫に好意を寄せている勘助の弱いとこ。


姫のために鬼となり
御館様の寵愛を受けているであろう油川家のご息女を斬る決心をするんですね。


そこで早速伝兵衛にその女性の居所を探らせようとしますが
実はかなり前からその女性は噂になっていたようで(笑)


まぁしばらくの間、越後にいたせいもあるのでしょうけど
この当たりの疎さが勘助らしいです(笑)



さて、次回は女の戦いと史実と色々とまた動き出しそうです。

次回の予告から察すると今回は次回の伏線ですね。

この当たりは次回に語るとして。


そしてこの作品オリジナルの小山田殿の最期が描かれます。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ikasama4様、お目覚めですか?
由布姫のことになると、勘助本当に思考回路がどうかなってしまいますね。
おろおろした姿は、私も結構面白くて楽しんでます。

冷静に考えたら油川の息女を殺めたら、どんなことになってしまうか分かるはずだと思うのですが、そこまでさせてしまう由布姫の魔力と言うかなんと言うか・・・。

晴信は、もっと由布姫のことを大切にすると思っていたので、今回の晴信の態度は、ちょっと(かなり)残念でした。

次回、小山田さんのこと、丁寧に描いてくださるといいのですが・・・。
さくらこ
URL
2007/09/03 21:14
さくらこ様
こんばんはです。
只今お目覚め中です(笑)

ホント勘助は由布姫の事が好きなんだなぁって感じますね。

いつもは冷静に敵を見据えるあの勘助が
オタオタするのはホント面白いですね(^▽^)

>冷静に考えたら油川の息女を殺めたら、どんなことになってしまうか分かるはずだと思うのですが、そこまでさせてしまう由布姫の魔力と言うかなんと言うか・・・。
これはもう間違いなく惚れた弱みです(笑)


ここで晴信が由布姫に距離を置いている演出がくるのは意外でした。

おそらくこれが次回の伏線になるんでしょうね。

ただ、そのためとはいえ由布姫の扱いが可哀相でした。
それだけに勘助がより姫様に翻弄されていくんでしょうね(笑)
ikasama4
2007/09/03 22:39

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