風林火山 第10話 「晴信謀反」

海ノ口の戦い以来、勘助は古寺にて鬱々とした日々を送っていた。

わしはあの海ノ口にて首を刎ねられるより
この首を繋ぎ止められたまま、自らの墓を探す事となった。

己で己を弔っているらしい。



武田家に仕える伝兵衛が駿河に何をしに来たのか
勘助は知りたくなった。

段々と心が騒ぐ―――。



今川義元の下に2通の手紙が届く。

一通は信虎から。
息子・晴信を駿河にて預かって欲しいと。
その理由として晴信は臆病者で思慮に欠けるらしい。


もう一通はその息子・晴信から。
父・信虎を駿河にて預かって欲しいと。
その理由として父が戦に明け暮れていく事で民が疲弊しているかららしい。





「今なんと申した。」

「若殿が親方様をこの甲斐国より追放する。」


板垣信方は甘利虎泰・飯富虎昌を説得している。



両名も感じていた。
ここ数年他国を侵す事ばかり執着する親方様のやりよう。

戦ばかりをくり返し、年貢がとれなくなってきている。
領主にとっても年貢がとれないとあっては知行がないに等しい。

先年の前島家の処断を不服とした者達は他国へ流出した。
このままでは、いつ一揆が起こり領内が荒れ果ててもおかしくない。

そうなれば他国が攻め込んでくる事は必定。

わからなくはない。
しかし虎泰は信方に疑念を投げかけた。
たしかに初陣以来、晴信の器量を認める者もおられる。
しかし、晴信様は当主としての器になれようか。


ならば我らが水になる。
晴信様という器を満たす器になろう。


この言葉に両名は覚悟を決めた。


ただ、問題は残る。
果たして今川家は信虎と晴信、どちらの器を選ぶであろうか。






「とてもうつけ者とは思えぬ。」

晴信の手紙を読んだ義元は晴信という人物は信虎がいうような人物ではないと感じた。


仮に信虎に恩を売ったとしても
いずれ彼は信濃を平定した後、必ず駿河に牙を剥く。

ならば若輩者で話をわかる晴信に恩を売る方が得策であろう―――。





勘助を訪ねた庵原の嫡男・之政は武田家の近況を語る。
信虎より息子・晴信を駿河にて預かって欲しいと。

そして武田軍は信濃の小県を攻め込んでいると。



―――しまった!

そして勘助は信濃・小県へ向かう。
場所は真田幸隆の居城・松尾城。




武田信虎は諏訪頼重、村上義清との連合軍でもって小県を攻め立てる。


此度の戦の勝ちは見えた。
信虎は上機嫌で甘利に語る。


「そなたは萩原常陸守の再来じゃ。これからわしの軍師として尽くせ。」

甘利はその言葉が嬉しかった。
そして、そんな言葉をかけてくれる主君を裏切るかと思うと
とても心が痛かった。




晴信の陣へ伝兵衛が今川家からの書状を持ってきた。
そこには晴信宛の返事と信虎宛の返事があった。


「今川殿は我が意を汲み取った。」


義元は信虎という器を引き取る事を決めた。



飯富は着々と調略を進めた。
次なる相手は教来石景政。




たしかに一理ある。
しかし、心の中で父親を追放した晴信様を当主として忠義を尽くしましょうや。

そう問いただす景政に虎昌はこう制した。

子を捨てる親はいかがなのじゃ。
その子を我らが救う。
家臣しかできぬ事だ。

今こそ我らが親を選び国を造るのだ。


景政の決心は固まった。



武田家の内情を知った勘助に希望の光が差し込む。


武田晴信―――――希望はそこにあった。





美しき領土が踏み倒されていく。

真田幸隆とその家族は上州(上野)へ逃れる事を決めた。

家臣達に願った。

この地で生きろ。

無駄に命を捨てるな。

望月でもいい。村上でもいい。
誰かに仕えろ。

何としても生き延びろ。

いつか必ずわしはこの地を取り戻す。
その日までこの地で生きてきて欲しい。

そなたらがいるこの地こそがわしの故郷だから。

だから、何としても生き延びろ。





上州の国境で真田幸隆は勘助と再会した。

5年振りの再会だった。


「申し訳ござらん。」
詫びる勘助に真田幸隆は勘助の無事を喜んだ。
それだけに申し訳ない思いが募る。


共に上州に参らぬか。


昔の勘助であれば喜々としてついていったかもしれない。
しかし、今は大望があった。


そして勘助と幸隆は別々の道を歩んだ―――。









信虎は1ヶ月もの戦を終えて甲斐に凱旋した。


板垣・甘利・飯富の調略もあって殆どの家臣は晴信についた。
後は次男・信繁様とその傅役・諸角、そして小山田殿のみ。


しかし、親方様に隠れて裏切り行為をしているかと思うと胸が痛む。

なればこそ我らが親方様を隠居させる。



「無情じゃ。・・・・・あまりに無情じゃ。」
甘利虎泰はそう洩らした。



今川家には困った問題がひとつあった。
晴信の案件を承諾したものの、あの信虎を誰が国境まで迎えに行くか。

この虎をなだめ駿河に連れていく役が必要である。
此度の一件により信虎は逆上する事は必定。

しっかりその虎に縄をかけてやる
その上、その虎に討たれても惜しくない人物。

雪斎に一人の人物が思い当たる―――。






山本勘助に武田信虎を迎えに行く命が下った。
勘助はその意味を理解していた。

勘助は落ち着き払っていた。
武田への恨みは消え去ったという勘助。


庵原は勘助に家来衆の共をつけるという。

御家来衆の命、決して無駄にしてはいけない。
そなたの命も。そして信虎の命も。





勘助があるものを取り出した。

あの時、もらった草鞋の眼帯。
「ミツ・・・」



勘助は信虎に対して膨らんでいく殺意を抑えこもうとしていた―――。







今回は父・信虎追放の序曲ですね。


その中でも今後の伏線になるであろうと予想されるのが真田幸隆ですね。

彼は家臣達にどうしても生き延びろと命じます。

その言葉通り、家臣達は生き延びます。
中には村上義清の家臣となって。


これが後々、真田幸隆が武田家で活躍する布石となっていきます。
この布石はとっても重要ですね。



武田信虎を駿河へ迎えに行く役を山本勘助に命じる。
この辺りの一連の流れも見事なものです。



しかし、個人的にちと疑問に思ったのが
勘助はあれから丸5年も幸隆の事をすっかり忘れてしまっていたって事ですかね。
あれだけの軍略を練る男が彼との約束を5年間も忘れてしまっているなんて。
そこがちょっと気になりますね。





そうして次回にそのメインがやってきます。


これはかなりの見せ場になってきます。


おそらく今回の大河ドラマの大きな山場のひとつになりますね。


刃を抜く信虎。

それに応じて刀を抜く勘助。
もう考えるだけでゾクゾクしてきます((( ; ゚∀゚)))

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この記事へのコメント

2007年03月11日 23:54
私もね~「えっ、5年も経ったの(?_?)」と思いました。
5年も死んでたって事ですね。。。勘助は。
来週は、どうなるのか楽しみですね♪
私的には、早く晴信と正式ご対面して欲しいです!
その瞬間をワクワクして待っています♪
ikasamaさん、私は早くも今週、飯富が景政を説得する場面で
ウルウルしましたよ。
明日の準備は万端です(^_^;)b
ikasama4
2007年03月12日 00:08
くう様
>私もね~「えっ、5年も経ったの(?_?)」と思いました。
てっきり3年だとばかり思ってました(;・∀・)ゞ

>来週は、どうなるのか楽しみですね♪
ええ、本当に楽しみです♪

>ikasamaさん、私は早くも今週、飯富が景政を説得する場面で
>ウルウルしましたよ。
私は予告でミツがくれた草鞋の眼帯をつけた場面でウルウルです。

>明日の準備は万端です(^_^;)b
私も準備OKです(; ̄∀ ̄)b
2007年03月12日 16:36
あんなに長い間、死んだも同然のような暮らしをしていた勘助が、ちょっと不思議な気がします。
言葉で3年経ったとか、あれから5年と言われて、ああ、そうなんだ、と感じるように、勘助だけを見ているとドラマでの本当の時間、一週間とか、その古来しか経っていないように思えてしまうんですよね。
その間歴史的動きが特になかったから、と言ってしまえばそれまででしょうか。
ikasama4
2007年03月12日 23:29
さくらこ様
>あんなに長い間、死んだも同然のような暮らしをしていた勘助が、ちょっと不思議な気がします。
えっらいイジケルと長く引きずるタイプのようですね(笑)

>言葉で3年経ったとか、あれから5年と言われて、ああ、そうなんだ、と感じるように、勘助だけを見ているとドラマでの本当の時間、一週間とか、その古来しか経っていないように思えてしまうんですよね。
まぁ5年経ったと言われても
勘助の風貌にそれほどの変化がなかったですからね(笑)
まぁこれも次なる本編への前フリですからね。

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