ハゲタカ 最終話 「新しきバイアウト」

凶弾に倒れた鷲津政彦
それと共に大空電機もまた崩れ落ちようとしていた。


ハイパークリエイションの失墜と共に大空電機も落ちていく。
その隙をホライズンがつけこみ業務提携の名の下に経営陣を送り込む。

芝野だけは経営陣として大空電機に残った。


芝野が認められたのはコストカッターとしての手腕だけ。


西野は保釈金を払って保釈されていた。

三島由香は鷲津からの伝言を伝えた。

オレも同じだ。
何もかもなくした。


逆恨みするあなたの気持ちがわかるから。
父をなくした無念。
それから何を思って生きてきたのか分かるから。




あなたは何もわかっていない。

あなたのお父さんが必死でかき集めようとした2億円
あなたが自分の保釈のために使った2億円

同じようで違う。

何が違うのか
自分で考えなければ―――。


三島由香は西野治にそう言い残して去っていく。







芝野は次々とリストラを行った。
ホライズンは赤字部門を転売する事しか考えていない。
その責任の全てを自分に負わされるとしても。
それが自分の意に反したものであったとしても。
今の彼にはどうする事もできないから。


その頃、鷲津は懸命にリハビリを行っていた。
そしてホライズンを正式に退職した。
それが自分の意に反したものであったとしても。

今ある現実は変えられない。


それでも鷲津はリハビリを止めない。

みんな懸命にリハビリに励んでいる。

必死に再生しようと頑張っている。




芝野さんは黙々と仕事を行った。
それから間もなく牛島さんが亡くなった。



帰って下さい。帰れよ。



彼の息子から罵倒された。


あの時の記憶が蘇る。

あの時もたしかこんな雨だった。



牛島さんとはこの前知り合った
彼はとても一生懸命新会社に残る事ができた。
しかし、直属の部下は半分以上がキラれ残った部下もいい条件ではなかった。

彼はひどく責任を感じた。


こんな事は2度とあってはならない。

そう思って銀行を辞めたはずなのに。





俺はまた同じ事を繰り返してしまった―――。



三島は芝野に鷲津の意図を語る。

彼は密かにテクスンとの業務提携を図っていた。
大空電機を切り売りしないために。


今はまだ自分の足だけで立つ事はできない。
でもきっと彼は諦めていない―――。



カメラ・レンズ部門の売却はアメリカのレンダント社に決まった。

これは最初からの懸案事項だった。
雇用保証を大木会長の理念を持ち出す芝野であったが
彼にはどうしようもなかった。

ホライズンが欲しいのはレンダント社が欲しいのは加藤主任を含む50人だけ。

後はどうなろうと知った事ではない。





詰め寄る従業員達。
芝野は何も言う事ができなかった。



芝野は鷲津の下を訪ねた。

彼は必死にリハビリを続けていた。
見ていて痛々しい程に。


俺を笑いに来たのか。






今日は頭を下げに来た。




大空電機の事、今どう思ってる?

やり残した事があるんじゃないのか。

大空は私の全てを賭けていた。
でも、こんな身体になってしまった。

もう疲れた。

大空の事は忘れたい。


駄目だ。俺は許さない。


バブルの落とし前をつけていない日本。
おまえこそ、大空電機に落とし前をつけるべきだ。



鷲津、おまえと俺は同じだ。



頼む。協力して欲しい。
レンズ事業部を救いたい。
もう一度ファンドをやらないか。




私は退職時にホライズンから36億の啓示を受けた。
受け取れば向こう10年ファンドビジネスをしてはいけない
それは私に死ねというものだ。


私はそれを断りました。


まだ、満足に歩く事ができない。
だからなかなか決断できずにいた。


芝野さん、あなたとなら踏み出せる気がする―――。


鷲津ファンドを立ち上げようと思います。






鷲津ファンド。

それに呼応して立ち上がった二人の男。
かつて共に働いた中延と袂をわかった村田だった。


鷲津はスポンサーを探す。




しかし、墜ちたハゲタカに対して周囲のスポンサーの目は厳しい。

あなたはもう終わった人だと。



そうして彼はMGS銀行・副頭取である飯島を訪ねた。



自分の全財産を賭けて。


我々はハゲタカだ。
最後までハゲタカなりのやり方を通させて頂く。






芝野は草の根活動を行っていた。
三島製作所に新会社の株主になって欲しいとお願いした。


あの時―――11年前
私はそこで見ているしかなかった。
鷲津一人が責めの意識を負ってきた。
私にも罪を償う機会を与えてくれませんか―――。




鷲津は一人の男を訪ねた。
自分が作り出したもう一人の自分―――。




おまえに任せれば良かったのかな。



親父はどんな思いでこの言葉を遺したのだろうか。


君の父親は旅館を継いで欲しいと思っていた。
それは金持ちになれって事じゃない。
キチンと事業をする事だ。

戻って来い。もう一度。





大木昇太郎会長の墓参りをする二人の男。

殆どの根回し(調略)は完了した。
後は加藤さんだけ。


そこに三島由香が訪れた。

三島製作所から。
新しい会社に是非参加させて欲しい。
そう言って彼女は母から託されたお金を鷲津に託す―――。





その夜、鷲津は加藤と会った。

一度あなた方とやらにお会いして聞いてみたかった。
他人の金を使って見ず知らずの会社に投資する。

それがあんたらの仕事だ。

あんたら何かをつくるわけでもないし
なんら価値を生み出す訳でもない。

所詮金なんだろ。

ただの紙っ切れだよ。



―――ただの紙切れですか。
その紙切れに自ら首をくくって死んだ人もいる。
ただの紙切れと言ってしまう事は私にはできない。


昔の私なら今のレンダント社の倍の給料を提示していた。

これは三島製作所からです。
あなたがつくる新会社に投資して下さったお金。
我が身を削って私に託してくれたお金です。


たしかに世の中の99.9%は金で決まる。

だけど残りの0.1%
こればっかりはそうもいかない。

わたしはこの仕事を通じてこの事を学びました。


部品1個です。

たった1個の部品。

だけどそこに大木昇太郎が宿っているように
部品1個で思い出ができるように

あなたも大空電機全体から見れば部品1個。
0.1%だ。

だけどその0.1%が全てを変える事ができる。
どういう使われ方をされるのか
それによって紙切れ自体が変わる。

それは職人の技術も同じじゃないんですか。


加藤さん。
賭けてくれませんか。
私と芝野に―――――――。








翌日、加藤は従業員を呼び寄せた。



私は40年ここで働いてきた。
レンズを磨く事に毎日を生きてきた。
この工場が人生の全てだった。

みな人生があり生活がある。

レンダントに行きたければいけばいい。

でも我々50人がレンダントに行っても
残りの仲間は首を切られる。


仲間の犠牲の上に新天地に行って新しい商品をつくる。


そこに希望はあるのだろうか。
誇りはあるのだろうか。



戦後の焼け跡から会長が何を思って大空電機を作ったのか。

我々技術者も技術が何のために作られるのか
責任を持って作らなければならないと思う。





その日、大賀とアランの電話が鳴った。



レンダント社の買収が暗礁に乗り上げた。


カメラ・レンズ部門がレンダント社に売却される事が
軍事部門に転用されるかもしれないという事に日本国家が不快の念を示したという。
その陰に村田が、そして飯島が見え隠れする。



ホライズンに鷲津ファンドが新たな提案を行った。

EBO=エンプロイー・バイアウト。
従業員が金を出して新たな企業を立ち上げる。

大空電機のカメラ・レンズ事業部をEBOで売却する。
売却金額は120億円。

出資者はレンズ事業部の従業員250人と下請け会社3社
MBS銀行そして中国のテクスン社。

そのような提案に到底受け入れられないという経営陣に鷲津は二の矢を放つ。

レンダント社にレンズ部門を売却された場合、退職を希望するリスト。
そのなかの筆頭に加藤の名があった。


今回のレンズ部門の売却には加藤氏が不可欠であった。




鷲津ホライズンはレンズ事業部の新会社には芝野が社長として就任する。


全ては鷲津の脚本を描いていた。
してヤラれたと悔しがるアラン。

アラン、お前にはまだ何も見えていない。


鷲津は真っ直ぐな眼でアランを見つめた―――。


売却された新会社は曙光学として再生した。


今回の歴史的なEBOの成功
鷲津ファンドなくしてこの成功はなかった。

鷲津ファンドとの出会いが全てを変えました。




出会えて良かった。





ようやく鷲津が踏み出した場所。

ようやくご報告できそうです。
あれからの私を―――。





最後までシビれる展開ですね。
今回は兎にも角にも鷲津と芝野が手を組んだ事が全てですね。

二人が手を組んだ事で
大空電機でコストカッターとして矢面に立たされる芝野の苦境が
新たなチャンスになるという展開。

そして鷲津ファンドの誕生と共に
中延と一度は袂を分かったはずの村田までがついていく。

その二人が更には芝野とも共同戦線を張っていく。

この辺りの画策は楽しいですね。



「技術者は自分の腕で勝負してそれを認めてくれる場所にいくのは当然だろ。」
このように語る加藤さんの言葉、これはよくわかりますね。


それはたしかに正論です。


認めてもらいたい。


でも、だからと言って多大なる犠牲の上で働く事ができるのだろうか。
認めてもらう事=沢山のお金をもらう事なのだろうか。

この辺りから理屈じゃないところが出てきますね。


理屈じゃない。


36億円という大金を蹴ってまで
ハゲタカとしての仕事にこだわった鷲津の誇り。
そんなとこも感じられますが
個人的に36億円もあったら10年くらい棒に振ってもと思うかなぁ。

でも「36億円あげる代わりに10年間絵を描くな」と言われたら
・・・どうしようと思ってしまうなぁ(;・∀・)ゞ



そうして自分の全財産を投げ打ってでも鷲津がやろうとした事。



バブルに浮かれていたけど日本本来が持っているもの。

そして日本が見失っていたもの。


それがものづくりってとこに繋がってくるように思いますね。


絵を描くにせよ
字を書くにせよ
ネジ1個作るにせよ

1つの製品は1つ1つの部品を基にして出来上がっている。

それら1つ1つに職人の魂が宿っている。


それを忘れてはいけない。


って事を訴えているようですね。

最後に大木会長の理論が来たようで
見る者に多少の不満があるような印象があるのかもしれないですけど
40年レンズを磨いてきた人に言われては反論のしようなないです(苦笑)



もう一つ隠れた演出だと思ったのは「再生」ですね。



鷲津は必死に自分の足で歩こうとしている。
鷲津だけでなくここではみんなが必死にリハビリをしている。


自分の再生を目指す。


それがもう一度やり直したいと思う芝野と
大空電機の再建と綺麗に重なっていく。


これはもう見事ですね。


初回から今回に至るまでの演出は正直素晴らしいですね。





とあるドラマで
「原作を超えるドラマって見た事がない」っていうのがありましたが
このドラマは原作を超えたように思います。



気になった点を挙げるとすれば
それにしても中延はどこまで鷲津の事を知ってるのだろうかというくらい
鷲津の事を知ってたようで。

後、芝野と袂を分かった沼田の近況とか見てみたかったですね。
飯島はMBS銀行の副頭取になっていたので
どうなったのかがちょっと気になりました。


ようやく新たな再生の道を切り開いた二人の・・・三人の男達。
すべてはこれからです。

でも、これからの三人の生き様が想像できますね。

そんな余韻を含んだ結び。

でも、これでホライズンが黙っているはずがないですからね。
鷲津VSアラン。

原作ではなかった対決があるのかもしれないですね。

さて、本来なら鷲津の似顔絵を描きたかったところなんですが
仕事とかでバタバタしていて間に合わなかったもんで(;・∀・)ゞ


とりあえずキチンと描いて
でもって時間を見てこのドラマの総評を(無理矢理)した際に
掲載してみる予定です(;・∀・)/~~


記憶に残るいいドラマでした(^▽^)


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この記事へのコメント

2007年03月25日 01:01
原作を超えたドラマ!その気持ち分かります。原作あってこそ出来たドラマでしょうが、私もそう言い切ってしまいたいです。
最終回も、一瞬たりとも目が離せませんでした。
みんなが再生に向って必死にもがく様子が、無茶苦茶カッコよかったです。
そして、綺麗に纏め上げられたラスト。

早速NHKのご意見欄に「続編希望」を書き込んできました(笑)

仕事がお忙しいとのことですが、このドラマの総評楽しみにしてます。
ゆっくりでよいので、是非UPお願いします!!!

ikasama4
2007年03月25日 03:46
meihua様
>みんなが再生に向って必死にもがく様子が、無茶苦茶カッコよかったです。
ホント、ここは素晴らしい描かれ方でしたね。

>そして、綺麗に纏め上げられたラスト。
>早速NHKのご意見欄に「続編希望」を書き込んできました(笑)
疾きこと風の如くですね(笑)

またこのような作品を作って欲しいですね。

>ゆっくりでよいので、是非UPお願いします!!!
( ̄∀ ̄)ゞ了解しました
2007年03月25日 18:47
最終回、ビデオ取りを忘れてしまいました。。。。
(゚◇゚)~ガーン
BSで再放送されたら見ます。。。。

忘れたころにレビューするかもです~。
ikasama4
2007年03月26日 00:07
みょうがの芯様
>最終回、ビデオ取りを忘れてしまいました。。。。
>(゚◇゚)~ガーン
そうなれば即NHKのHPで
再放送をお願いしてみてはいかがですかね(;・∀・)ゞ
2007年03月29日 15:02
>でも、これでホライズンが黙っているはずがないですからね。
>鷲津VSアラン。
ということは、続編???

そんなことになったら、
「また分からない言葉がぁ~」
とか言いつつ、絶対見ちゃいますね(^_^)

私にとっては、面白く難しいドラマでした。
ikasama4
2007年03月30日 07:48
にな様
>「また分からない言葉がぁ~」
>とか言いつつ、絶対見ちゃいますね(^_^)
たしかに自分も見ていてわからない事が多いのですが
その底辺には人々の欲望であったり
仕事に対する情熱だったり
日本をよくしたいと思う熱意だったりが浮かんできて
それがこのドラマに対する思いを熱くさせるのかも
しれませんね。

>私にとっては、面白く難しいドラマでした。
私もです(≧∇≦)b
2019年06月06日 03:07
I like reading an article that will make men and women think.
Also, thanks for allowing me to comment!

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