渡る世間は愚痴ばかり

アクセスカウンタ

zoom RSS 八重の桜 第46話 「駆け落ち」

<<   作成日時 : 2013/11/18 01:09   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

明治20年
同志社学校の教師となった伊勢時雄と共に京都に戻り
みねは長男・平馬を出産した

赤ん坊の泣く声に八重は泣かねぇでくなんしょとあやしたが
それを見た佐久は

「泣くのは赤子の仕事だ」と言って笑っていた


新たな家族の誕生を喜ぶ山本家の中に久栄の姿はなかった


その頃
久栄は徳富健次郎と一緒だった

徳富健次郎は徳富猪一郎の弟で
従兄弟である伊勢時雄の家に身を寄せ
同志社に通っていた

健次郎は才能溢れる兄といつも比べられて肩身が狭かった
久栄はあの一件で不逞の母親の娘として陰口を叩かれ肩身が狭かった

そんな似た境遇の二人は互いに惹かれ合っていった



それからまもなく
みね産後の肥立ちが悪かったらしく亡くなった




あれほど笑い声が絶える事がなかった山本家は静寂に包まれた


そんな中
もっとも泣き叫んだのは八重の母・佐久であった

「あのむごい戦を生き延びたというのに
平馬が生まれてやっとこれからという時に
なじょして・・・
神様がいんなら私の命を持ってってくなんしょ」


「そんな事言わんと・・・みねが悲しむべ」

八重はそう言って母を慰めるので精一杯だった



みねの葬儀は雨が降っていた

その翌日
襄の父・民治は風邪をこじらせ寝込んだ


八重は襄と共に民治の見舞いに訪れていた

「伊勢君のところは大丈夫なのか?
乳飲み子を抱えて」

「久栄が家事を手伝いに行っています」

「随分と賢い娘だと聞く」

「女学校でも一 二を争う成績です」

「賢いという事は心こまやかという事
親御さんの事では胸を痛めておろう」


「母親になったつもりでしっかり育ててえと思うげんじょながなが・・・」


それを察してか民治は八重に忠告した

「子は思うようにはならんという事を心得ておくといい」

民治の言葉に思わず襄は苦笑した

「断りもなくアメリカに渡ってくれてよかった

子を信じきるという事は親にとって一番難しい

京都に耶蘇の大学ができたら愉快な事であろうな」


民治が亡くなったのはそれから間もなくの事であった



その年の6月
校内では久栄と健次郎が交際しているとの噂が広まった

八重が久栄と健次郎を呼び出して事の真意を問いただした

「うちら今から結婚するつもりや
健次郎さんは同志社を辞めて東京で小説家になると言うてます
うちも東京についていく」

八重は学生の身分で結婚なぞ許せるはずがないと反対した

「山本家から追い出したおなごの娘や
厄介払いできてええやないの
うちも追い出して下さい
叔母様に口出しされる謂れはないわ
母親にでもなったつもりか!」

そう言って八重の言葉をはねつけた


だが当の健次郎は
小説を書いて有名になりたいとは思うものの
結婚は難しいと考えていた


つまりは久栄の勇み足であった


八重が思うに
健次郎は口では大きな事を言ってるけんじょ
何もできねぇ子供
あまりにも軟弱

覚馬あんつぁまがあのぐらいの時は江戸で藩のために
必死に学んでいた

近頃の若い者は・・・


八重の言葉を聞いて佐久は笑った


「八重もそういう事を言う年になったか
私も娘の頃は「近頃の若い者は」と言われたもんだ」


八重は返す言葉がなかった



その年
八重は襄と共に夏の休暇をかねて旅行に行った

行き先は北海道である


北海道にしたのは
函館に住む元斗南藩の藩士から
八重の幼なじみである日向ユキが札幌にいると聞いたからである



八重がユキが住んでいるという家を訪ねた

そこに出てきたのは若い男性であった

彼はユキの息子であると知って八重は驚いた


そして八重はユキと再会した

そこにユキの夫・内藤兼備もやってきた


内藤の言葉に八重の顔が一瞬こわばった

彼が薩摩訛りの言葉を発したからだ



あれから20年
ユキの身にも色々とあった


斗南では食えず
函館に渡って奉公をしていた

そこで夫と知り合ったと言う

だが夫は薩摩の者

所帯を持つなど許さねぇと一族中に反対された

悩みぬいた

だげんじょいい人だったから


夫婦になってから15年になると言う


八重はそこで久栄の事を話した

「今みねの妹で16になる姪っ子の面倒を見でる
んだげんじょ学校をやめて結婚してえと言いだした
相手は小説家になると言ってる学生だ
心配で反対したげんじょ実の母でもねえのにと言われて
どうしたら母親らしくなれんのか・・・」

ユキの返答はあっさりとしたものであった

「八重ねえ様らしくねえな
私は斗南にいっ時も
結婚すっ時も苦しい時は
よく八重ねえ様だったらどうすっかなって考えた
壁にぶつかっても自分で決めた道を行くのが八重ねえ様だ
お父様に反対されでも鉄砲撃って宣教師様とも結婚されたんだべ?
迷った時は母親らしくではなくて八重ねえ様らしくやってみたらどうだべ?」


ユキの言葉に八重は自分の選ぶべき道を見出した気がしてきた

そしてそれを気づかせてくれたユキに感謝した



そうして八重と襄が北海道から戻ってきた頃

健次郎と久栄がいなくなった


駆け落ちをする気だ!


そう感じた八重は家族の者と共に二人を探す事にした



八重がいる場所

そう思って八重がまず向かったのは
みねのお墓だった


そこに久栄と健次郎がいた


「黙って行く気か!」

八重の一喝に二人は押し黙った

八重は健次郎に問うた

小説で食べていく自信はあんのかと


健次郎はそれに小さく「ある」と答えた


更に八重はそれは本当かと問いかけた


健次郎は叫んだ
「自信なんてある訳なか!
嘘もつくし兄貴に比べて勉強もできん
兄貴が憎うて・・・羨ましか
ばってんそれが人間じゃなかですか?
そぎゃん自分ばこらえてまっとうな人間になろうと
みんな必死にもがいとっとじゃなかですか?
俺はそぎゃん人間の本当ば書きたか
小説場書くために食べると」


健次郎の本音がようやく八重はわかった

もちろんそのすべての言葉が八重には理解できなかった


だが人がやらねぇ事をすっ時はそういうもんかもしんねぇな


そう八重は思って二人の交際を許した

だが駆け落ちは許さなかった

里帰りが出来なくなるとして



それから数日後
健次郎から一人で東京へ行ったと八重の下に手紙が届いたのは



最早この思いを止める事ができないのです
このような策をとる己の身勝手をただただ恥じ入るばかりです



健次郎の手紙を読んだ久栄は苦笑した


「きっとこうなると思うてた
身勝手な人や
けど誰よりも正直な人や
健次郎さんの決めた道にうちはいいひんかったんや
・・・うち学問が好きや
もっと勉強がしたい」


そう言って久栄はその場を後にした


八重は久栄を追いかけようとしたがそれを佐久が止めた


「さすけねぇ」


「自分が傷つくよりずっとつれぇ」


「母親とはそんなもんだ
わかったか
はねっ返りの娘をもつと苦労するんだ」


八重は今更ながらに母の偉大さを感じていた―――――







今回は親は子にどう接すればいいのか

久栄の親代わりの役目を果たさなければならない新米・八重が
佐久や民治

そしてユキからその心得を聞くという物語の展開になってましたかな


親が子育てについて語っている

それを聞くと
今更ながらに自分がどんなに親に気苦労をさせていたのか

自分がそういう立場になってみて初めて分かる

みたいなところになってきてますね


こうして民治や佐久の言葉を聞くと

自分達はこんなに親に気苦労をかけてたのかと
冷や汗をかく訳ですが

それもまた自分が親になってきている証拠でもあります


ただ一方で親として一番難しいのは
子に対して全幅の信頼をよせる事

もちろん反対もするけど
子供が決めた事には対しては見守る

どうしても子が心配で口を出してしまう


でもこれまでの八重の生き方を振り返ってみるに
佐久は何かと八重の決断を咎めることはなかったですね


こういうのも言われて初めて分かるって感じですね


それから久栄と健次郎との恋


なんか色々と言われてるところもありますが
八重らの反対によって別れさせられた

といったところでしょうか


そうして蘆花は鬱屈した思いを
小説にする事で晴らした

といったところでしょうかね



こうした思いは何十年経てもなかなか癒えないかもしれませんが
こうした恨み辛みを小説に書き立てるあたり

蘆花とはホント小さい人だと思います


これも人間だって事ですかな



さて久栄を演じた門脇麦さん
今度
「愛の渦」という映画に出演されるという事で
どんな映画かチェックしてみたら・・・結構過激な作品だったんですね; ̄∇ ̄ゞ

びっくりしましたよ


こういう作品に若い頃に出演すると
この後ブレイクする

みたいなところがありますが
門脇さんも果たしてどうなることか

この先が気になりますね ̄∇ ̄


今週のイラスト


久栄のつもりなんだけど
描いた本人がピンときてないです; ̄∇ ̄ゞ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『八重の桜』第46回「駆け落ち」★影が薄い父・覚馬(西島秀俊)
『八重の桜』第46回「駆け落ち」 ...続きを見る
世事熟視〜コソダチP
2013/11/18 14:46

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ikasama4様、おはようございます。
いよいよ・・・今年も残り一月半・・・。
早いですな。
しかし・・・大河ドラマはもうなんか・・・最終回が見えない。
っていうか・・・八重の年老いた姿が想像できない。
今回、やや加速しましたが・・・ほぼ、一年刻みで
ここまで来てしまいましたからねえ。
日清戦争開始ぐらいで・・・
戦はなくなんねえのか・・・みたいなラストでしょうか。
それとも・・・大正、昭和は一気に駆け抜けるのかしら。
それはそれとして・・・愛の渦の情報を知ると
リピートしたくなる素晴らしい回だったと言えるかもしれません。
イラストもキッドはトレビアンだと思いますぞ〜。
キッド
2013/11/19 05:20
キッド様
こんにちはです

不倫の次は駆け落ちと
なんとまぁタイトルで興味をひこうとしてる
感じがありありと見てとれますかな

男性は見た目
ヒゲつけたり白髪をいれたり
目のくまに影をつける事で

老いを感じさせる事ができるのですが

女性の場合は白髪以外だと
声のトーンを下げるくらいのもんですねぇ

ともあれラストはまったく予想がつかないですな
(この時点では)
ikasama4
2013/12/30 14:11

コメントする help

ニックネーム
本 文
八重の桜 第46話 「駆け落ち」 渡る世間は愚痴ばかり/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる