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zoom RSS 八重の桜 第41話 「覚馬の娘」

<<   作成日時 : 2013/10/14 01:50   >>

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明治維新から13年の月日が流れた


板垣退助が火を付けた自由民権運動は
人民の声を政治に反映させようと大きなうねりとなって
日本中に広がっていた

その彼が提唱するのは
国会を開設して民選議員を創設することであった



この頃
明治政府を主導していたのは
岩倉具視と伊藤博文であった

この民権派の者達を早く抑え込まんとえらい事になると
危機感を抱いていた

とりあえず民権派が行う演説会は
集会条例で取り締まるとして

目下のところ
一番の懸念事項は国家財政の立て直しであった


西南戦争は高くついた


国庫の出費を減らすためには
痴呆の負担を増やす事も致し方ない



そうした明治政府の意向を受けて
京都府知事・槇村正直は税の追加徴収を行うと通達を出した


覚馬は言う
「府議会の審議を通さずに税をとる事は許されん!」


明治13年
地方の自治と自由を守る戦いが京都で幕を開けた


議会では
京都府知事・槇村正直の税の追加徴収に焦点が当てられた


「府の予算はまず府議会で審議する決まりです
税の追加徴収を独断で決められては困ります」

「知事が足らん金集めて何が悪い?!」

「知事といえど人民の財産を勝手に奪う事は許されません」

「やかましい!」

「まずは使い道の細目を府議会に提出願います」

「議会は知事の指示に従っちょれ!」

「我々は府民の代表であって知事の部下ではない!」

「ちっ
飼い犬に手を噛まれるとはこの事かい!
逆賊が!」


議会を無視する槇村に対し
覚馬達は槇村の横暴を訴える上申書を中央政府に提出した

しかし
政府は槇村のやり方を黙認しているらしく
税の追加徴収問題は決着を見ぬまま府議会の会期が終了

その間隙を巧みについて追加徴税を強行すると通達を出した

更に議員一人一人に密偵を張り付け
こちらの動向を見張っているらしい


このままでは知事に押し切られてしまう


「いや打つ手はある
知事よりももっと大きな力を味方につける」


覚馬は新聞をつかい
今般槇村府知事が地租追徴を達せし事は・・・

知事の独断専横とて府会議員諸氏は大いにこれに反発せり・・・

知事のやり方は 違法だ・・・


と知事の非道ぶりを書き立てさせる事で
世論を味方につけるという作戦をとってきた


この京都での騒ぎは政府の参議の間でも問題になっていた


事態を重く見た伊藤博文は
槇村に元老院に就く事を勧めた


元老院は名ばかりの隠居所のような役職であった


それは槇村に知事を辞職せよとの意向であった


これ以上騒ぎが大きくなれば
自由民権運動が更に強まるとみたのだろう


伊藤の言葉に槇村は焦った


槇村は府議会で税の追加徴収の通達を取り消す事とした


だが新たな議題として
京都府は予算不足であるとして税の追加招集を行うので
その審議をお願いしたいと言い出した



「うまい手を考えましたな」


府議会が終わった後
槇村と二人きりとなった覚馬は目の前にいるであろう
槇村に語りかけた


「府議会が反対しても知事には議案を執行する権利がある」


「その通り
議員の審議なんぞ元々形ばかりのもんじゃ
先生
あんたの負けですぞ」


「しかし知事と府議会の嵐が続けば
新聞は益々書き立てるでしょう
戦いには敗れても義がどっちにあるかを世に問う事はできます
戊辰の頃とは訳が違う」


「貴様・・・わしにまだ恥かかせる気かい!」


「槇村さん
そろそろ引き時ではありませんか?」


「何じゃと?」


「これ以上新聞に書き立てられれば貴方の名に傷がつく
私は本日をもって職を辞します
戦いに負けて私は議会を去る
貴方は勝って知事の面目を保った」



「刺し違えて痛み分けで終わらせるつもりか?
・・・やはり策士やな
先生」


槇村はおもむろに椅子を覚馬の前に用意して
そこに座った

「じゃあわしからも一つ
演説会を禁じる府の条例を撤廃する
開明的な知事と評判が上がりゃ新聞の攻撃を
かわす事ができるじゃろ」

この時の槇村は
かつての顧問であったかのように覚馬に意見を求めた

思わず覚馬は笑った

「・・・妙案と存じます」


「この10年
わしゃあんたを使うちょるつもりじゃった
じゃが使われとったんはわしの方かもしれん」


「槇村さんの手腕なくして京都の復興はなかった
私は敬服しています」





明治14年
演説会開催の自由を置き土産に
槇村正直は京都を去った

その年の5月
同志社で演説大会が開かれる事となり
伝道のため各地に散っていた熊本バンドの面々が集結した


その中には伊勢時雄もいた


「今日は先生も奥様もお父上もおいでになるけんその・・・
みねさんを伴侶に迎えたかです!
みねさん妻になって下はりまっせ」




「前がら約束していたのか?」

覚馬はみねに問いかけた

「いいえ」

「一度手紙が来ていたと時栄から聞いた」


「文のやり取りは幾度か
んでもいきなりあんな事・・・」


「みねはどう思ってんだ?
いい青年だ
悪くねえ縁だと思うげんじょな」


「お父様はいいのですか?」


「うん?」


「伊勢さんは跡取りだから山本家の婿にはなれねえ

「みねは山本覚馬の娘だ
お父様の名を汚してはなんねえ
婿を取って立派に家を継がねばなんねえ」
と子どもの頃からずっと言われてた

うちには久栄がいっからもう私がいなくてもいいんだべ!
お父様は今度は私を放り出すのがし!?」


「みね!」

傍で二人の会話を聞いていた八重がみねを一喝した


「お父様は勝手だ
家を継がなくていいなら
おっ母様と離れずに済んだのに」


「違う
それは違うから
姉様は家のためにみねを手放したんではねえ
どうしたらみねが
幸せになれっかそれだけを考えて決めた事だ」


「だけど・・・
私は3人一緒に暮らしたかった
一度でいいから一緒に・・・」


「あの時
戦で家族が別れ別れになって起ぎてしまった事はもう
どうにもなんねえ

昔を変える事は誰にもでぎねえ
変えられるのは先の事だけだ

これからの事はみねが自分で決めたらいい
兄様が望んでいんのはみねが幸せになる事だ」



翌日
その日は同志社の演説発表会であった

人の入りは盛況であった

みねは父・覚馬に語った


「私
伊勢さんと今治に行きます」

「そうか
決めたのか」

「はい」

「だったらいい
どこまでもついでいけ
何があっても離れんじゃねえぞ」

「はい」

「んだげんじょどうしても
困ったらそん時は大声を出して呼べ
お父様が助けに行く」


「はい」

みねは大きく頷いた



そのころ
国は国会の開設に向けて大きく動き出そうとしていた。



政府内で起きた汚職事件をきっかけに
世論は激しく政府を攻撃し開明派の参議・大隈重信も
非難の声を上げた

「一部ん商人が暴利を貪っようでは
薩長藩閥専制とのそしりは免れんとぞ!

んごた政府では人民の信は 得られんばい!」

この事件を機に
国会の早期開設を望む声が一段と高まっていった

世論を抑えるには国会開設を進めるしかありません
けどな大隈が主張しているような急進的な事ではいかん


「無論です
来年には選挙を行い2年後に国会を開設するなんぞ
無謀にも程がある」


「薩長批判に回った大隈に世間が喝采を送っている時や
今選挙などされたら政権が奪われかねんわ」


「猶予はなりません
大隈を取り除きましょう」


「うまくいくやろか?民権派が黙っておらんぞ」


「全てを一気に片づけるんです。
大隈一派を一掃する代わりに国会開設の詔書を発布する
ただし
開設までには
なお10年近くを要するとの条件付きで」


「それで形勢が挽回できるのやな?」


「はっ」


「では主上のご聖断を仰ぐか
こたびもそれで全て決まりなんや」


明治14年10月12日
大隈は政府を追われた



この日
明治23年に国会を開設するとの勅が出された


「国会開設」
襄が望んでいるみんなの声で動く国に変わっていくんだなし


「9年後・・・
やる事がたくさんある
急がなくては

八重さん
私は同志社を大学に作り替えます」


「大学?」


「人民が国の舵取りをする時代が来るのです
一国の良心となる人物を大勢育てなければなりません」


「はい」


「それには大学が必要です
国の権力に左右されずに自由自治の精神を貫く
私立の大学が」


「私立・・・大学・・・」


日本にはまだない私立大学の設立に向けて
それは新たな戦いの日々の始まりだった―――――





議会での戦争は
ただその議会を掌握するばかりではなく

今まで出来なかった新たな戦い方

新聞による情報戦


これによって
従来の政府の圧力をかける手法がなかなか通用しなくなってきたって事でしょうか


というところにありますな



一方で上層部の権力争いは
いつもの通り「帝」の裁定という
いつもの通りの建前をまた使ってきました


ただどうも
この薩長主導の政治体制に不満をもっている方は多いようですね


そうしてこれまで
木戸さんの名を印籠代わりにしてきた槇村も
その木戸さんの名だけではどうしようもない時代に
なってきた事を痛感しているようで

またひとつの時代が終わり
新たな時代が始まったという事になってきてるようですね



みねと時雄との結婚もまた新たな時代の始まりですね


昔ならば
家のために婿をとってほしいと
それが自分の生きる道なのだと


でも今は
自分の人生のために歩んでほしい
それが自分の生きる道なのだと


この時代の変わり目に生きている者達の葛藤が
ここにあった

というところでしょうか



それから議会政治が10年後に出来る


それにむけて
襄は自由自治の精神がある大学を設立したいと


襄は教育の普及の目的のために
キリスト教を手段として用いている


というところになっていますね


ここの根幹は若い頃からずっと変わっていない

というところでしょうかね



今週のイラスト


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タイトル (本文) ブログ名/日時
【八重の桜】第41回 「覚馬の娘」感想
板垣退助(加藤雅也)たちによる自由民権運動が勢いを増す中、覚馬(西島秀俊)たち 京都府議会も槇村(高嶋政宏)の横暴な府政に、新聞を使った世論による攻撃を 仕掛けていた。 そんなある日、同志社を卒業して今治で伝道に励む伊勢時雄(黄川田将也)が、かねてから 心を通わせていた覚馬の娘・みね(三根梓)に突然、求婚。 そして、意外にも覚馬はそれをすんなりと許す。 これにみねが激怒し、八... ...続きを見る
ドラマ@見取り八段・実0段
2013/10/14 03:21
八重の桜 第41回「覚馬の娘」
今回は非常に見応えのある内容となりました。政治の表舞台では自由民権運動が盛んになり、京都府議会での槇村と覚馬の戦いも激しさを増すようになります。今までの政治の考え方では槇村が言うように「議会は知事のいうことに従っていればいい」という考え方になって当然であり、その流れになりそうな状況下で覚馬は新聞という世論に訴えるという方法で、徹底抗戦します。結果として、世論は覚馬に味方し、全国に京都での知事... ...続きを見る
ともさんのふむふむ大辞典
2013/10/14 21:47
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2013/12/17 00:50

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内 容 ニックネーム/日時
ikasama4様、こんばんは。

財閥ごとで恐縮ですがアンナ様のダーリンドラマ開始なので
「八重の桜」スライドいたしました。お含みおきくださいませ〜。

しかし・・・主題が見えにくい感じの展開になっているので
少し、間を置くのもいいかもしれないと思っております。

今回は現代的にはひどい父親と言えるかもしれない
覚馬を無理矢理・・・いいお父さんにしちゃっただけの
ホームドラマにも見えてしまいますからな。

フロンティアである北の大地を巡る金銭トラブルに
中央の権力闘争・・・
それが逆流してくる地方自治。
描いていることはものすごく混沌としているのに
妙にその熱が伝わってこないんですな。
またもや・・・八重が傍観者モードに突入してしまったからかも
しれません・・・。
やはり・・・八重は会津城とともに燃え尽きたのか・・・
とも思えてくる今日この頃です。
「大学」にします・・・と襄が宣言しても
襄が死ぬまで大学にはならないわけですし・・・。
しかし・・・次は思う存分、妄想が炸裂する気配があるので
ちょっと楽しみでございます。
キッド
2013/10/15 18:22
歴史ドラマにおける自由民権運動というと、個人的には「坂の上の雲」第1部にて松山時代の秋山真之と正岡子規が運動に乗っかかってやんちゃしていたシーンが印象深かったりしますが、大河ドラマとしては初めて見る未知の領域という感じだったりします。調べてみたら明治期を扱っている最古の作品である「獅子の時代」では終盤のストーリーの主軸でクライマックスが秩父事件(自分の住んでいる県で起きた事件だったりします)であり、黒歴史大河「春の波涛」の自由民権運動華やかなりしこの時代がストーリーの起点のようですが、歴史ドラマでは取り上げられる機会があまりにも少ない印象があります。本大河も歴代大河というか歴史ドラマでもあまり足を踏み入れる事が無い領域へと進出していこうとしていると言えますが、視聴率抜きでこのまま突き進んで言って欲しいと思う所だったりします。
今回のストーリーでは、覚馬の娘であるみねと伊勢時雄(かの横井小楠の息子にして後の同志社三代目総長)とのロマンス(この言葉も今や死語のような)よりも覚馬と槇村知事の京都府政に関わる対決の終結の方が印象深かったりもしましたが、前述の自由民権運動との絡みや議会政治の黎明期という歴史ドラマではあまり扱われにくい領域だけにこの時代がどのような形で描かれるのかという期待からだったりします。槇村さんのキャラクターについては高嶋さんの演技による所が大きかったという印象ですが、いささかコメディタッチな所があったにしても明治編におけるライバルキャラとしてはそれなりの存在感はあったのではと思います(紀行でもきちんと功績がフォローされていましたし)。
MoTo
2013/10/20 17:57
続きます。

その内大日本帝国憲法の発布も描かれるとは思いますが、今回大隈重信も登場して明治14年の政変も出てきましたが、この事件は自由民権運動に関しては勿論の事日本の憲法史においても重大な事件だったようですね。英仏の自由主義的な憲法ではなくドイツの欽定憲法を導入する路線が固まったという感じで。今回初登場の大隈重信はこの政変で下野した後に早稲田大学の前身校を創立する事となりますが、Wikiによれば日本私学のもう一方の雄でもある慶應義塾の関係者も連座して下野してその後実業界・財界に進出する事になるきっかけとなったとの事ですが、日本を代表する有名私学の創立者や関係者に関わりがあったというのは初耳でした。また大隈が登場したのは襄との親交があった事を描くという事だったりするのでしょうか。個人的には早稲田、同志社というとラグビーの大学選手権の決勝での対決を何度かテレビで見たという印象の方が強かったりするのですが。
もうドラマも40話代に突入し残りも後10話を切ってしまったという事になるのですね。個人的には近代日本のアカデミズムの黎明期というのも幾分期待していたりもしますが、贅沢な望みで終わりそうにも思えます。山川健次郎をはじめ山川家からはアカデミズムに関わる人材が出ているだけに、そちら方面についても描いてくれればなんて思いましたが、となると福沢諭吉もとっくに物語に登場していてもおかしくなかったりするので(これから登場するようには思えませんし)流石に叶わぬ望みという事なのかもしれません。ただ津田梅子さんは山川捨松絡みで登場するようですが。
MoTo
2013/10/20 18:01
キッド様
ご連絡どうもありがとうございます

この作品は

八重主観と会津主観

この辺が混じってますから
焦点が合わせづらいですなぁ

みねに関しては
それなりに時栄との関係はよかったのかなと
思いながらもなんか覚馬との関係はあまり
描写がなかっただけにちと唐突な感じもしますがね

一方で覚馬が主体になると
八重はどうも第三者的な位置づけになってしまいますな

覚馬もまた会津のある種の形態でしょうからね
ikasama4
2013/11/12 23:48
MoTo様
明治を扱った作品というのは
実に少ないもんで

それは史実において描き手が
見せ場となる部分を見いだせない

それ程までに描くのが難しいところなのでしょうが

その中で史実に沿いながら
どのようにして主人公らを見せていくか

というところが主眼になり
脚本家としての腕の見せ所になる訳ですな

伊勢時雄の母は徳富家の母と姉妹という事で
自然に徳冨家とも縁戚になり

それによって徳富蘆花と久栄との関係が生まれる

みたいな描写もあってはよかったと思うのですが

どうも長州と会津
この両者の対立が消えなかった

というのは感じ入るところはあります

会津戦争から120年経って
萩市が会津若松市と友好都市提携をもちかけたところ
時期尚早
我々は恨みを忘れていない
として拒否されたという話は
時代の根の深さを感じさせます
ikasama4
2013/11/12 23:48
MoTo様
明治を経て近代国家となっていく日本

その中で会津の方々が
その会津という国に生まれて
国が滅んでも

その思いは忘れない

そうした者達の生き様を見せることが
この作品の最たるところであるようですから

その点を
八重
覚馬
山川家

この三者を通じて見せていきたいのでしょうかな

そういう点では日本の黎明期という描き方は
ちとなさそうです
ikasama4
2013/11/12 23:48

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