渡る世間は愚痴ばかり

アクセスカウンタ

zoom RSS 八重の桜 第14話 「新しき日々へ」

<<   作成日時 : 2013/04/08 01:13   >>

驚いた ブログ気持玉 4 / トラックバック 2 / コメント 4

八重の祝言の席

山本家の親類でもりあがる中

八重のお腹が鳴る


八重は朝から何も食べていなかった
嫁様は御膳に箸をつけてはならないと
言われていたからだ


「今なら平気ですよ
誰も見ていない」


尚之助はそう八重に囁いて
食事を促そうとしたが時悪く
そこに権八の叔父たちがやってきた


「おい八重!
今日はいい嫁様ぶりだ
にしの事だから鉄砲担いで嫁入りすっかと案じていたぞ」

「んだけんじょ珍しいのう
おのが家に嫁入りすっとは
仕方ねぇべ
婿殿に屋敷がねぇからのう
ご扶持もねぇんだべ?
浪人の嫁では山本家の名折れだ」


「叔父御!
久しぶりに飲むべし!」


権八が夫婦の二人の窮地を救うために
叔父達に酒を勧めて別の場に行かせた


そんな義父の姿を見た尚之助は

「衆寡敵せず
ご加勢つかまつる」



そう行って権八の救援に向かった



そうして宴が終わった


客が帰った後
宴の席に残ったのは酔いつぶれて
寝ている権八と尚之助であった


八重は酔いつぶれた尚之助を
米俵のように担いで寝屋に運んだ


それから八重は覚馬からの文を見た


これよりは夫婦
力を合わせ紅のごとく
赤々と生きること
肝要に候




そこに覚馬が都で買ったという紅を見つめた



「都の紅ですか?」

尚之助が起き上がってきた

「大丈夫でがし?」

「頭がガンガンします」

「これ兄様からです」

「よき夫婦となるべしか」


「酔い覚めは喉が渇くべ
今水を汲んできやす」

「都の紅
さしてみて下さい」

そう言って
尚之助は己の小指に紅をつけ
八重の唇に紅をさした


そして八重を抱きしめた

「幾久しく・・・」



そして夫婦になっても
二人は相変わらず銃の研究に没頭していた


だが、権八は不満だった


八重は以前と変わらず
尚之助の事を尚之助様と呼ぶ

普通の夫婦ならば「旦那様」であろうに
所帯を構えたからには一家の主

夫として威厳を持って指図してもらわねば困る

夫を立てるのがおなごの役目だというのが彼の考えである



そうして権八は尚之助を夫として立てるよう
鉄砲には触らないよう八重に言い含めた


父の言いつけを守っていた八重であったが
どうも普段やってた事ができなくて集中力を欠いていた


どうやったら夫婦らしくなれるのか

「角場にいる時は尚之助様と仲間みてえな口きいてしまうべ
そんじは夫婦らしくなんねえからって

お雪様
なじょしたらいい夫婦になれるんだべ?」


「そった事
私には分かんねえ」


「修理様とお雪様は内裏びなみてえにお似合いだもんな」


「私は
まだ、夫婦のまね事をしてる気がしてしかたねえ」


「まね事?」


「嫁いでからすぐに旦那様が都に上られる事になったべ
早くいい嫁になって送り出さねばとばっかり思って

いさかい一つ
しなかったげんじょ
私は一度喧嘩してみたかった

叱られてみたかったし困らせてもみたかった」


「お雪様・・・」


「旦那様が都からお戻りになったら
私はもう一遍初めから
夫婦をやり直してえ」





その事を尚之助も気づいたようで
権八を問い詰めて事の次第を知り
八重を呼びつけて叱りつけた


「ばかな事はよしなさい!」

「はい?」

「余計な口出しは
やめて頂くようお父上に
釘をさしました

妙だとは思ったんです
何日も鉄砲に触りもしないなんて」


「尚・・・旦那様」


「呼び方なんてどうでもよい!
それよりこんなつまらぬ事で一時でも
鉄砲を手放すとはどういう了見です!?」


「つまらぬ事だべか?
私は尚之助様が人に後ろ指さされねえように
ちっとでも夫婦らしくなりたくて」


「私は鉄砲を撃つおなごをめとった
世間並みの奥方など初めから望んでいない!」


「んだら私では世間並みになれねえというのですか?」


「ええそうです!」


「まあ!」


「世間並みなんぞならなくて結構
あなたはあなたであればよい!」


「えっ?」


「私の妻はほかの誰でもない鉄砲の名人
八重さんだ
それでよい」


「妻・・・」


それから八重はいつものように二人して
新式銃の開発に勤しんだ




そんな夫婦を見て
母・佐久は権八に言う

「余計な事を
旦那様も婿に来た頃は借りてきた猫みてぇだった」


そう権八を見て佐久は笑っていた





会津で幸せな日々を送る山本家




一方、京は
皆がそんな幸せとは縁の遠い不幸のどん底にいた



山本家の当主・覚馬は目の不調から
医者に見てもらったところ白そこひ(白内障)と診断された


当時の白内障は完治が難しく失明率の高い眼病であった



数年のうちかもしれぬ
もっと先かもしれぬ

だがいつしか必ず失明する


「見えなくなんのか
俺の目は
目が見えなくてなじょして銃を撃つ?
なじょして書を読む?
なんもかんもできなくなんのか?」




そして会津藩は
幕府より守護職のお役料を差し止められていた

幕府は会津が朝廷をお味方につけ幕府に楯突く疑いがあるらしい


会津藩の藩士たちは皆憤慨した

京に来て以来
会津の者達は莫大な出費で日々金繰りに苦心しているというのに

それに会津は先祖代々将軍家にお尽くし申し上げてきたというのに


斯様に心ない仕打ちを受けて都に留まる理由はない


そう家老たちは進言したが
容保公はその言を拒んだ


「世が平穏にならぬうちは主上一人をお残しして都を去る訳にはまいらぬ
そう長いことではない
再び長州征討の軍が組まれる事と相成った

今度こそ将軍家に御進発頂く

長州が禁裏に発砲した大罪に将軍家が裁きを下されてこそ
まことの公武一和が相成るものと思う


もうしばらくの辛抱じゃ
これを成し遂げたら皆で会津に帰ろう
磐梯山が見守る故郷へ」



その当主の言葉に家老一同従うしかなかった




その夜
神保内蔵助は月を眺めていた

そこに神保修理が内蔵助を見止めた


普段は家老同士で接するも
この場では親子で接した


「いい月だ
会津のお城の高殿から眺める月は格別でな
宿直の夜など持ち場を離れてわしもよく一人で月見をしたものじゃ」


「私には懈怠なく勤めよと常々厳しく仰せでしたが?」


「あの頃はまだ日々が穏やかだった故な」


「ああ
殿の覚悟を聞いた上は愚痴など言っていられぬが
わしも早く会津のお城の月を見てぇもんだ」




一方慢心する幕府は
再びの長州征討を画策していた


そんな幕府のやりように
松平春嶽へ辟易していた


一方で同じ志を持っていた島津斉彬公の遺志を
受け継いでいる西郷吉之助を見て

薩摩を羨んでいた



その薩摩は
此度の長州征討により戦は避けられないものとなり
そこで薩摩はどうすべきか悩んでいた


そんな時
岩倉村の岩倉具視より文が届いた


その文を読んだ大久保一蔵は岩倉具視の元に向かった



岩倉具視は下級公家であったが知恵者であった

公武一和として将軍家と和宮との婚儀を画策したもの彼の案である

だが、それは攘夷派によって命を狙われ
この岩倉村に三年も息を潜めていた



「政の大綱は朝廷で起案し諸藩を都に集めて評議させるべしなどまことに卓見と存じまする
薩摩は田舎者だ
岩倉様のお知恵をお借りせねば何事もないもはん」




「強い朝廷を作るというわしの望みは
薩摩なしではかなわん
相見給えってことやな」

「将軍が大坂城に入りいよいよ
長州征伐に動き出すようにございます」


「大久保
この戦どっちを勝たしてもあかん
幕府が勝ったらまた一人勝手な政をする」

「はい」

「長州が勝ったら朝廷が意のままにされる」

「はい」

「どっちが勝ってもわしらにとっていい事は何もない
ここは薩摩がうまく立ち回らんとあかんのや」

「しかし戦が始まればすぐに勝負がつくのではあいもはんか?
兵力では幕府方が圧倒しています」

「うんにゃ長州は侮れん
藩内の勢力が変わった
先祖代々の鎧兜を売り払い
洋式銃を買うようにと藩士一同に命じた知恵者もおる
下手したら潰されるのは幕府の方かもしれんな

ここは薩摩がうまく立回らんといかんのじゃ」



そこで薩摩の決断は
長州征討の参戦を見送るというものであった






会津では横山主税の屋敷にて
横山主税の見舞いにやってきた西郷頼母と秋月悌次郎に
横山は言葉をかけた

「幕府や朝廷に
誠を尽くせば尽くすほど
会津は泥沼に落ちていく

あの時の朝廷からの御心尽くしに対する嬉しさが
会津を都に縛り付ける鎖となってしもうた

西郷
秋月のことを頼む
この男を埋もれさせては会津のためにならぬ

秋月のこと頼んだ」


その日の夜
横山主税は亡くなった




まもなく秋月悌次郎は蝦夷地の代官に任じられた



八重と尚之助は仲人でもあった秋月の旅路を見送った


わしは二人のように古い秩序に縛られぬ
蝦夷地がわしの新天地だ



雨が止み、空が明るむ

それは新たな日々の始まりであった


それがどのような日々になるか
当人しかわかりしれないが――――――






会津での幸せな日々を送る会津の者達と対照的な
京の会津藩の者達のこれでもかってないくらいの不幸っぷり

面白い対比ですね


ま、一番の不幸は
そんな夫や兄が抱える重荷を
会津の者達は全く知らないという事でしょうかね


こういうのは知った時の反動が怖いです


それと家では威張ってる印象の権八も
山本家ではちと借りてきた猫みたいだと語る
佐久の言葉とおりの権八が垣間見えて
こちらも面白かったです


それと薩摩の金持ち感と
貧乏暮らしを送る知恵者・岩倉具視

公家でありながらのこの暮らしと
下級藩士である大久保や西郷らの風格との違い

この対比も面白かったですね



それにつけても頑なまでに忠義を貫く容保公

この頑なさが会津を不幸に追いやるようでね



お雪さんが夫が帰ってくるのを楽しみにしてたけど
物言わぬ姿になった姿になった事を想像すると

あの笑顔がとても不憫ですね



今週のイラスト





テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 4
驚いた 驚いた
ナイス ナイス

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
【八重の桜】第14回 「新しい日々へ」感想
八重(綾瀬はるか)は、白無垢(しろむく)に身を包み、秋月(北村有起哉)に連れられて 尚之助(長谷川博己)の待つ山本家の門をくぐる。 八重の見違えるような美しさに目を奪われる尚之助。 しかし、婚... ...続きを見る
ドラマ@見取り八段・実0段
2013/04/08 01:19
出会いを探してみましょう
こんにちは、ブログをはじめましたよ。 こんかいのお題は出会いを探してみましょうということで 出会いについて話します。 日々の生活の中で出会いというのは案外少ないものです。 お仕事によっては特定の人としか会わなくなってしまいますので、極端に出会いが少なくなってしまう事があります。そんな中で恋人を探す為には、出会いの場に参加する必要があります。出会いの場は色々ありますが、最近人気なのが婚活パーティーです。 ...続きを見る
SOHOブログ
2013/04/20 02:38

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ikasama4様、おはようございます。

まずは・・・新妻・八重、策士・友山の素晴らしい描き下ろし。
トレビアンでございますなあ。
さて、英雄の物語である大河ドラマと
英雄不在の近代が交差するかのような今作。
歴史に翻弄される庶民の行く末が
暗示され続ける春でございますよね。
一方で岩倉や西郷そして木戸たち維新の元勲が
暗躍するなかで
龍馬不在のまま慶応年間へ・・・。
これはこれで凄く意図的なものを感じますが・・・
少しさびしい感じもする春でした。
キッド
2013/04/08 07:49
ビックリしました。
八重の桜一本で!
そしてイラスト入りで
大河ドラマ見逃した場合は
こちらですね
清兵衛
2013/04/14 10:54
キッド様
こんばんはです
薩摩の陰謀に翻弄されぇの
幕府の確執に翻弄されぇの
正に四面楚歌状態の会津

こうしてみると会津ってとっても大変だったんだと
思い知らせれます

そうして翻弄される会津がそのまま
会津の民をも翻弄してしまう構図

今も昔も上の者の行動で下の者の人生も
左右してしまうって事になるものですな

龍馬が一介の浪人で片付けられる
その点で時代は薩摩と長州が動かそうとしてたって
構図にしたいようです ̄∇ ̄
ikasama4
2013/04/23 00:18
清兵衛様
こんばんはです
ちょっとあれこれと立て込んでおりまして; ̄∇ ̄ゞ
どうにか頑張って大河は書いてる状態です; ̄∇ ̄ゞ
ま、ワタシが綾瀬さんファンなものでして; ̄∇ ̄ゞ
ikasama4
2013/04/23 00:19

コメントする help

ニックネーム
本 文
八重の桜 第14話 「新しき日々へ」 渡る世間は愚痴ばかり/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる