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zoom RSS 平清盛 第39話 「兎丸無念」

<<   作成日時 : 2012/10/07 22:56   >>

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一人の童が進む五条大橋の前に一人の僧が立ちはだかる

僧の名は武蔵坊弁慶



弁慶はその男を巷で噂の赤禿と思い
その童を成敗しようとした

だが、その童は弁慶が腰に差した刀を奪うと
弁慶が繰り出す長刀に応戦した

その童はなかなかに武芸の心得があり
弁慶の攻撃を交わすと刀の峰で弁慶の脛を叩いた

弁慶はあまりの痛さにもんどりを打った

その童は弁慶に手を差し伸べた


弁慶はこれまでにこの五条大橋で
999人の武芸者と戦い、その者達から
武器を奪い取ったという


いずれ源氏が挙兵する時のために、と


源氏・・・


その言葉に童は反応した


彼は源氏の者で母の名を常盤と言った


常盤・・・その名に弁慶は聞き覚えがあった

そして気付いた

その童が牛若であると








年端もいかぬガキにあんな事をさせて
真っ当に育つと思うのか


兎丸は時忠が禿をつかって平家に叛意を抱く者達を
次々と処罰する事を清盛が容認していることに懸念を抱いていた



だが、清盛が待ち望んでいたものが宋より届いた

宋の国との交易を認めた証書である


そのためには福原の港の工事を完成させなければならない

兎丸の見立てでは半年はかかるという
清盛はその工事を三ヶ月で済ませるように命じた


宋の使者を迎えるため
この国の力を見せるために
この清盛の力を見せるために


だが、連日の突貫工事に怪我人が多発した


このままだと死人も出る
今回は三ヶ月という工期は諦めるべきだと提言する兎丸に対して
清盛は期日通りに仕事を行うように命じた

また次があるやないか

次はない
一度負けたら終わりだ


宋の使者をこの福原で迎え入れなければならない

これによって王家を見返す絶好の機会

些末な事で止める訳にはいかぬ


些末?些末な事やと?

お前の国造りは盗賊がものを盗むのと同じや!


兎丸はそう言ってその場から立ち去った

わかるまい
誰にもわかるまい


清盛は一人、そう呟いた




兎丸は仲間と酒を飲みながら清盛に対して愚痴をこぼしていた


そんな兎丸に妻・桃李が諌める


おとうの敵であっても
しばしばぶつかっても
清盛様の生きる道についていくのが
面白いと思うたからでしょう


あの海賊船であいつは言うたんや

平家のもとでやったらおもろい事ができる
おもろい事ができたらおとうの義も果たせる


だから、それだけに兎丸は清盛に裏切られたと感じ
自分自身に憤慨していた

あいつは平家がのし上がることしか考えてへんかった

兎丸は桃李に明日には戻ると言って帰宅させ
仲間達に酒を買いに行かせた


そして一人残った兎丸の前に
赤い服を来た禿がやってきた―――――



翌日、清盛の下に
兎丸の仲間達がやってきた

昨夜、酒を買いに行って戻ってから
兎丸が見当たらないという


清盛も一緒になって兎丸を探した


ふと、清盛は赤い羽根と兎丸がつけていた兜を見つけた

近くで村人がたむろしている

その人だかりの中に行くと

兎丸の骸があった
骸には無数の赤い羽根が突き刺さっていた

清盛は兎丸の骸を抱きしめた

清盛が容認した政策によって
清盛の大事な友が殺されてしまった


結果的に己が友を殺したようなものであった



その日の平家一門は
これまで平家のために尽力してくれた者の死を悼んだ


時忠
禿は始末せよ





その夜、清盛に盛国が語りかけた

全ては殿が邁進するために起こったこと
どれだけ欲しても兎丸は戻りません

それでも進みまするか?
この修羅の道を

殿の御心の中にある国に向かって
進む決心がおありなさるか?

ならば、盛国も
命を賭して食らいつき
この修羅の道を共に参りまする



盛国の言葉に清盛はただ涙するばかりであった


時忠はこの赤禿を使うことで
平家の中核になろうとしたが
自らの策によって結果的に己が身を朱く焦がすことになった


その後、清盛は亡き友の提言に従い
1年かけて福原に港を完成させたのであった――――――






いやぁまいりましたねぇ
オリジナルキャラクターである兎丸

彼の父・朧月は白河院の命を受けた武士によって
王家に仇なす反逆の徒として討たれ、子・兎丸はそんな父の死を悲しんだのですが

兎丸は図らずも清盛が容認した赤禿によって
平家に仇なす反逆の徒として討たれ、子・小兎丸はそんな父の死を悲しんだ


己が大願が傍から見れば悪行にしか見えない


それはかつて白河院のなさり様によって下々の人々が苦しんでいる光景に憤慨した清盛

時は流れて清盛入道のなさり様によって下々の人々が苦しんでいる光景に憤慨した兎丸

結果的に父と同じ事をして同じ業を背負っている

そういった演出が見えますね


白河院のなさり様を悪行だと清盛も非難していた訳ですが
白河院には白河院にしかわからない大願があった

それは正に修羅の道だったのかもしれません


同じように
清盛のなさり様を悪行だと周囲の者達が非難している
そこには清盛にしかわからない大願があった

それも正に修羅の道であった


というところでしょうな


兎丸が自分の容認した政策によって死んで
残された者の悲しみを見た時

清盛は己の考えに誤りがあったと痛感するんですな


特に夫が死んだ後、泣きじゃくる息子の前でただ
幽鬼のように清盛を見つめる桃李の姿が印象的でした

描いてみたかったけど、雑誌とか見ても
そういう画像ないもんなぁ; ̄∇ ̄)ゞ


兎丸はこの時代の民の声であり
兎丸の死、そして桃李や小兎丸は清盛の失政の象徴でもあり

それは若き頃の兎丸や清盛の憤りと重なるものがあります


そしてこの兎丸の死が
平家の斜陽のはじまりになるのでしょうな


そして次なるは平家の繁栄の中核を担っていた者の死

人が転げ落ちる図式をこれぞとばかり見せてくれそうです


ちなみに牛若のイラストについてHPの自己紹介からの画像で描いてみたのですが




ちと大人っぽく描きすぎて上に掲載している画像の方が出来がいいですな; ̄∇ ̄)ゞ


それからこれはおまけ







大河ドラマ、NHK新大型時代劇で武蔵坊弁慶を演じられた方々です

個人的に時代劇にハマったのはこのNHK新大型時代劇がきっかけでございます

ホント、弁慶って印象深い人物です ̄∇ ̄

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平清盛 第39回「兎丸無念」
長くこのドラマの中で準主役のような待遇を受けていた兎丸も今回、ついに終了します。この人物が本当に存在していたのかどうかは引っかかる部分ではありますが、それでも清盛に誰も物言いをできなくなるほど権力が高まった状況において、対等な立場で清盛に意見をいうことができる唯一の人物であったことが、彼の存在価値のひとつだったのだと思います。 そんな兎丸は、大輪田の泊の普請作業について無茶苦茶なスケジュールをいう清盛に、マジギレしてしまいます。このような早く完成させて欲しいという要望元と、依頼先の関係というのは... ...続きを見る
あしたまにあーな
2012/10/08 00:43
【平清盛】第39回
義経(神木隆之介)は、ついに五条大橋で弁慶(青木崇高)と会い、宿命の対決をする。 一方、福原では清盛(松山ケンイチ)が、大輪田泊の工期を巡って兎丸(加藤浩次)と対立。 決裂が避けられない状況に... ...続きを見る
ドラマ@見取り八段・実0段
2012/10/08 03:57

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ikasama4様、こんばんは。

架空の人物・兎丸が・・・ついに退場。
それは清盛が「絶対に負けられない戦い」を続け
「勝ち」を急ぎ過ぎたゆえの悲劇として語られたわけですな。
鱸丸同様に平家一門として迎えられる甘い展開を
期待していたのに・・・さすがだ・・・
と作者の物語力に脱帽した今回でございました。

ここから・・・清盛は次々と翼をもがれていくわけですねえ。

白河院と同様に
意のままにならぬものがあると・・・
清盛は知ることになるのでしょうか。
たとえば留まることを知らぬ人の我欲。
愛する者たちの諍い。
そして人の寿命。

そして・・・その転落ののろしがあがる・・・
京の五条の橋の上。
義経は・・・父の仇を知る前、知った後みたいな
見事な出来栄えでございまする。

キッド
2012/10/08 03:54
キッド様
こんばんはです
兎丸の退場

まさかこれほどまでに切ない展開になるとは
思いもよりませんでした

そうですなぁ
急ぎすぎたが故に
己が決めた政によって
己が友を失うハメになってしまった

そしてかつて兎丸が味わった苦しみを
その子にまで背負わすハメになってしまった

その兎丸を殺した禿は
平家のためによかれと思ってした事なのに
その棟梁から抹殺命令が下される

これまた切ないですな


そして、己の政によって
反平家の芽が生まれ
そして平家に憎しみを抱いていなかった
源氏らに宿っていく

正に因果応報ですなぁ
ikasama4
2012/10/27 21:13

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